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健康用語

〔急性胃炎〕


 通常、胃炎と呼ばれる病気には「急性胃炎」と「慢性胃炎」の二つがあります。

 胃の最も内側の粘膜は胃酸から胃壁を守る防御機能を備えているのですが、何らかの原因で胃の粘膜に炎症が起きてしまうのが急性胃炎です。

 急性胃炎になるとみぞおちの痛み、腹痛、吐き気、嘔吐など激しい症状が現れてきます。

 急性胃炎は、それを引き起こしている原因がなくなれば数日で軽快するのが普通です。しかし、重症の場合には吐血や下血を引き起こすこともあります。


 急性胃炎の主な原因は薬剤と過度のストレスだとされます。たとえば、嗜好品のコーヒーや緑茶などの飲み過ぎ、香辛料の多すぎる摂取などが原因となりますし、風邪薬や鎮痛剤などの医薬品も原因となりやすいです。症状が軽い場合には、市販の胃腸薬を服用することで軽快することが多いですし、食事もおかゆなど消化のいいものにし、安静に過ごすことも大事である。

 一方、慢性胃炎は胃の粘膜に繰り返し炎症を起こすような状態が続いた結果、胃液を分泌する胃腺組織自体の破壊や、減少、消失がみられる症状をいいます。

 急性胃炎、慢性胃炎ともに、胃の中に存在する細菌「ヘリコバクター・ピロリ」の関与が強く疑われていて、このヘリコバクター・ピロリ菌を退治することによって、改善が見られます。



どんな病気ですか? ◆〔急性胃炎〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?

 急性胃炎は、さまざまは原因で発症してくる胃の急性炎症の総称です。多くの場合、上腹部で胃のむかつきやげっぷ、食欲不振、ときには嘔吐や下痢、発熱、吐血を伴うこともある病気です。

 急性胃炎は、その原因などによって分類され、大きく分けて「急性外因性胃炎」と「急性腐食性胃炎」とがあります。

 多くは、暴飲暴食、医薬品の副作用、過労、睡眠不足、精神的ストレスが原因となるとされます。

急性胃炎の種類
急性外因性胃炎 急性単純性胃炎  暴飲暴食、薬剤の副作用、過労、睡眠不足、精神的ストレス、放射線の被曝などによる胃炎。
急性腐食性胃炎  農薬など強い酸、アルカリ剤の誤飲による胃炎。
急性内因性胃炎 急性感染性胃炎  インフルエンザ、肺炎などの細菌やウイルス感染によって起こる胃炎。
急性化膿性胃炎  溶血性連鎖球菌、ブドウ球菌などの感染による胃炎。
アレルギー性胃炎  サバなどの魚介類を食べた時に起こりやすい胃炎。


どんな症状ですか? ◆〔急性胃炎〕の症状をご説明します。
急性胃炎の症状

 急性胃炎の症状は、錠腹部の痛みやむかつきなどで、通常は原因を除去することで数日で治癒します。

 しかせい、このようなことを繰り返していると、慢性胃炎へと発展してしまうことがあります。急性胃炎は、その原因や種類、症状などによりいくつかの種類に分けられています。

急性胃炎の種類と症状
急性外因性胃炎 急性単純性胃炎  急性外因性胃炎には、急性単純性胃炎と、急性腐食性胃炎とがあります。

 急性外因性胃炎で最も多いのは暴飲暴食や薬による副作用や心身のストレスなどによるもので、飲食後、数時間して、上腹部に痛みを感じたり、むかついたりという症状が現れます。ひどい時には、嘔吐、吐血を伴います。

急性腐食性胃炎  農薬や毒物などの強い酸や強いアルカリ剤を誤飲してしまった時に起こるのが、急性腐食性胃炎です。

 口から咽頭、胃にかけて、激しく焼けるように痛みが出ます。場合によっては、生命の危険も伴うので、病院での緊急治療が必要です。

急性内因性胃炎 急性感染性胃炎  細菌、ウイルスの感染によって、インフルエンザ、ウイルス性肝炎、腸チフス、肺炎などの合併症として起こるのが急性感染性胃炎です。

 病原菌が胃腸の粘膜に損傷を与えることで、腹痛、むかつき、嘔吐、下痢など症状がでます。

急性化膿性胃炎  溶血性連鎖球菌、ブドウ球菌などの感染で、胃の粘膜下層に炎症が起きるのが、急性化膿性胃炎です。

 急性化膿性胃炎には、胃粘膜の傷から直接細菌が侵入する原発性、周辺臓器など、他の部位からの細菌が胃の粘膜下層に入ってくる他臓器感染巣からの転移による続発性、およびおよび成因不明の特発性という3つがあります。

 急性化膿性胃炎では、悪寒や戦慄、 上腹部激痛、 悪心、嘔吐などの症状が現れます。

アレルギー性胃炎  サバなどの魚介類を食べた時に起こりやすいのがアレルギー性胃炎です。

 食事の後に、急激な胃の痛み、むかつき、嘔吐などに襲われます。



原因は何ですか? ◆〔急性胃炎〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
急性胃炎の原因

 急性胃炎の発症原因はさまざまだが、多くの場合は暴飲暴食などの不摂生に起因します。特にアルコール多飲者では、アルコールによる胃粘膜の損傷、胃酸分泌の促進などが影響するとされます。

 かぜ薬や抗生物質など、胃の粘膜を直接的に刺激する医薬品の副作用によっても発症しやすいです。また、細菌による食中毒、アレルギー性の場合、心身のストレスが原因でできる潰瘍も、出血や粘膜の炎症を起こし胃炎の原因となります。

 日常生活でも、刺激性の食物や飲料、コーヒー、冷たいもの、熱いものなどを摂り過ぎたり、唐辛子などの刺激性香辛料を大量に食したりすると胃炎になりやすくなります。タバコの吸いすぎ、不規則な生活なども原因となります。


診断はどうなりますか? ◆〔急性胃炎〕の検査方法や診断方法をご説明します。
急性胃炎の診断

 急性胃炎の診断には、上部消化管内視鏡検査が最も最も有効です。急性胃炎の症状があって、しかも、内視鏡(胃カメラ)で胃内に発赤、出血、びらんがみられれば、胃炎と診断されます。


治療はどうやりますか? ◆〔急性胃炎〕の治療方法をご説明します。
急性胃炎の治療

 急性胃炎の場合、その原因がつかめれば、原因を除去し、かつ短期間の絶食、おかゆやうどんなど消化の良い食事を摂るなどして、数日間安静を保てば軽快するのが普通です。

 この場合、半日以上の絶食で胃を休ませるのがよいですが、水分補給は必要です。完全に治癒するまでは、アルコール、コーヒー、カレーライスなどのような刺激性のある飲食物の摂取は避けた方がよいです。

 急性胃炎に限らず、胸焼けや慢性的な胃炎がある人は、食生活だけでなく日常生活に問題がある場合が多いと考えられます。暴飲暴食、刺激物の摂取、アルコール、タバコ、不規則な食事などを改善したり、ストレス解消などについて積極的な改善が必要となります。