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〔VDT症候群〕

 近年、コンピュータの汎用化が進み、誰でもパソコンのディスプレイなどの電子表示機器に接するようになりました。

 パソコンをはじめワープロやテレビのブラウン管などのような電子表示装置のことを総称してVDTと呼んでいます。

 最近では、職業などの関係から、特に長時間、ディスプレイを見つめるような作業をする人たちに、眼や身体、心に対していろいろな障害が報告されるようになりました。

 このような障害を「VDT症候群」とか「テクノストレス」などと呼んでいます。


VDT症候群という言葉は、電子機器の画面を見つめることにより起こる障害だけでなく、情報入力のためにキーボートを叩き続けるなどによって生じる問題も含んでいます。


VDT症候群の例
目の症状  疲れ目、目の充血や痛み、ドライアイ、視力低下、二重像。瞼がピクつき、瞬き回数の減少など。

身体の症状  首・肩の痛みやこり、手のしびれ、腰の痛み、頭痛、女性の生理不順など。

心の症状  食欲不振、不安感、憂鬱感、焦燥感、いらいら、根気がなくなるなど。



どんな病気ですか? ◆〔VDT症候群〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?

 VDT症候群は、仕事などの関係でパソコンのディスプレイやテレビ画面、携帯電話の画面などを長時間にわたり見続けることで発症する、眼精疲労をはじめとする眼の障害や肩こりなどの肉体的障害、更にはストレスなどによる自律神経障害などを指します。


どんな症状ですか? ◆〔VDT症候群〕の症状をご説明します。
VDT症候群の例

 VDT症候群による障害は、目や身体症状の他、日常生活に支障をきたすような心の障害もでてきます。ここにVDT症候群により現れれう主な障害を示します。

VDT症候群の発症例
目の症状  VDT症候群がもともとディスプレイを見つめることで発症する疾患なので、症状は先ず目に現れてきます。目の症状としては、疲れ目、目の充血や痛み、ドライアイ、視力低下や物が二重に見えたりかすんで見える、瞼がピクピクする、瞬きの回数が減少するなどです。特にひどくなると嘔吐する人もいます。
身体の症状  身体の症状は全身に現れてきますが、最も多い症例は、首・肩の痛みやこり、手のしびれ、腰の痛み、頭痛などです。女性の場合には、生理不順を中心とする女性特有な諸症状も起こります。
心の症状  VDT症候群の中で深刻なのが心の症状です。食欲不振からはじまり、不安感、憂鬱感、焦燥感、いらいらしやすくなり、根気がなくなるなどの症状も出てきます。


原因は何ですか? ◆〔VDT症候群〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
眼の機能

 眼は外界からの多くの情報を受け取る非常に重要な器官ですが、眼が物をしっかりと見分け、判断するために眼は三つの重要な機能を組み合わせてその能力を発揮しています。眼が持つ重要な機能とは「輻輳」「調節」および「縮瞳」の三つです。

眼の三大機能
輻輳  眼で遠方のものを見るときには、二つの目の視線はほぼ平行になっていますが、近くにあるものを見るには両眼を寄せて見なくてはなりません。このような作用を「輻輳」と呼んでいます。
調節  眼が移動中のものをしっかりと認識するためには、眼は迅速にピントを合わせなくてはなりません。眼は無意識のうちに移動物に追随するのですが、このような作業が「眼の調節機能」です。
縮瞳  カメラでシャープな画像を撮影するときしぼりを強くするのと同様に、眼が近くにあるものを鮮明に見るためには、瞳孔を小さく絞って見る必要があります。この作用が「縮瞳」です。

眼精疲労

 上で述べたように眼にあ、「輻輳」「調節」および「縮瞳」という三大作用があり、これらがうまく機能していれば日常生活に何の支障もでないのですが、長時間におよぶVDT作業などで、近くばかりに焦点を合わせた緊張が続くと、バランスが崩れていまい、いわゆる「眼精疲労」と呼ばれる状態が起こります。

 眼の動きには静止したものを見るときの静止視力と、動いているものを見るときの動体視力というものがあります。長時間のVDT作業で疲れがでてくると動体視力が追いつかなくなり、画面表示の文字が正しく読めなくなったり、画面を見ながらのキーボード操作がまともにできなくなったりします。  本来、眼はまばたきによって、結膜や角膜(黒目)に涙液を供給し、眼を保護し、眼の表面に付着する埃などを洗い流したり、眼の筋肉を休ませる作用をしています。しかし、VDT作業時には、緊張のためか、まばたきの回数が減少し、涙液が不足することで、眼に違和感がでたり、角膜や結膜が赤く血走ったり、痛みを感じたりします。

肉体疲労

 一般にVDT作業は、キーボードを打ち続ける指には腱鞘炎が起こりやすくなります。また、長時間にわたり同じ姿勢を続けることが多く、両腕の筋肉疲労をはじめ全身疲労が重なり、肩こりや頭痛、手の痺れなどの症状がでてきます。VDT作業に伴うこのような症状は「頚肩腕症」と呼ばれています。

心の疲れ

 VDT作業にともなう眼精疲労や肉体疲労が長期に続くと、肉体的な症状だけでなく、ストレスによる自立神経障害の症状を呈するようになります。

 自律神経が正しく機能しなくなり、食欲不振や慢性的な全身疲労感を感じるようになり、習慣性の便秘や下痢、めまい、立ちくらみ、吐き気、頭痛などの症状が出てきます。

 特に女性の場合には、心の疲れに起因して、生理不順が多く認められます。また、妊娠中の人には、流産や早産の危険性も高まるといわれています。

その他

 上記のようなことが重なり、眼自体の症状が現れるとともに、身体全体にも、心にも障害がでてくるのです。

 これらの他にも、作業環境などによってもVDT障害は起こりやすい場合があるとされています。また、ディスプレイなどから発せられる電磁波による人体への影響も懸念されていますが、この点については確かな証拠はありません。


診断はどうなりますか? ◆〔VDT症候群〕の検査方法や診断方法をご説明します。
VDT健診

 VDT作業に携わる人に、眼をはじめ身体および精神面で特有な症状が出ている場合は、VDT症候群に陥っていると考えて改善を図ることが大切です。

 近年におけるVDT作業に伴う疾患の増加を防止するために、厚生労働省は、企業がパソコンワーカーに対して「VDT健診」を行うよう企業に指導しています。

 厚生労働省のガイドラインによれば、「VDT作業に新たに従事する作業者に対して、作業の種類及び作業時間に応じ、配置前健康診断を実施し、その後1年以内ごと1回定期に、定期健康診断を行うこと」とされています。

 厚生労働省がガイドラインで具体的に推奨している健診のタイミングは、次のようになっています。

 ・1年に1回の定期健康診断の際に、追加で行う。
 ・1年に1回の定期健康診断とは別に、VDT健診を行う。
 ・オフィスにおける配置前に健診を行う。

 厚生労働省のガイドラインについての詳しい説明は下記にアクセスしてください。

「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」


治療はどうやりますか? ◆〔VDT症候群〕の治療方法をご説明します。
VDT症候群の治療方針

 VDT症候群の症状があるようなら、VDT作業を中止することが最良の治療法となるのですが、仕事が関係しているとそうもいかないことが多いです。

 VDT作業を中止できない事情がある場合の治療方針としては、とりあえずは休憩をとり、薬物などでの対症療法を行います。その上で、職場改善、作業方法改善などの予防対策をしっかりすることになります。

 眼の乾きが激しくドライアイとなっている場合には、病院で眼の疲れを癒し、眼に優しい点眼薬を処方してもらいます。また、身体の疲労感が強い場合には、病院で身体の緊張を緩和するような服用薬を処方してもらうと効果があります。

 薬物療法の他に、視力に合ったメガネやコンタクトレンズを選定することも大切です。

 また、一定時間ごとの適度な運動で身体の疲れをほぐすと効果があるので、作業にこのような対策も組み込むようにするとよいです。

VDT症候群の予防

 VDT症候群による障害の予防としては「作業環境の改善」「作業方法の改善」および「作業機器の改善」などがあります。

VDT症候群の予防
作業環境の改善  パソコンを使用する作業はどうしても細かい文字を読むことになるので、室内は十分な照度を確保する必要があります。薄暗い部屋での作業はVDT障害を助長するばかりでなく作業効率も極端に落とすことになります。

 パソコンの画面に直射日光や室内光が当たりすぎて、反射光やちらつき、眩しさなどがあるととても疲れやすくなるので、部屋内での機器類の配置替えなども考えます。

作業方法の改善  基本的にVDT作業はとても神経を使う作業なので、長時間連続して行うことは避けなくてはいけません。1時間ごとに10分間程度の休憩時間をとり、ソファーなどで眼を休め休憩するように作業スケジュールを配慮します。

 休憩中は、読書やテレビ、編み物などはしないようにし、するならごく軽い運動(深呼吸、手足の軽い運動など)をします。

 眼の疲れをとるには、眼をつぶって休めたり、しばらく遠くを眺めると効果があります。また、点眼薬をさしたり、眼の周りをやさしくマッサージするとよいです。顔は動かさないで、眼球だけをゆるやかに上下、左右に動かすと目の筋肉がほぐれます

作業機器の改善  パソコンのディスプレーでも、昔ながらのブラウン管式よりは最近の液晶式などの方が放射光は柔らかいので、できるだけ最新のディスプレーを使用します。できれば、画面上には電磁波・紫外線などの放射を防止するフィルターをつけるとよいでしょう。

 ディスプレイの高さは、少し下方向になるようにすると、視線が下方に向かい、眼の乾燥を防止できます。眼から画面までの距離は40~50センチは必要です。

 また、キーボードはできるだけ軽いタッチのものとします。