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通常、生後1年くらいまでの乳児では、生理的に軽度のO脚となっていますが、これが高度な場合は病的なO脚とされます。 O脚とは反対の症状に 〔X脚〕 というのもあります。 どちらの場合とも、骨盤を支えている関節や筋肉に歪みが起こっているのが原因とされますが、それ以上に、日常動作がそのような歪みを生じさせていることも多いとされます。 |
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◆〔O脚〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。 |
どんな病気ですか? |
普通なら、左右両足のくるぶしをくっつけて起立すると、両足の膝が互いにくっつく状態となります。しかし、両方のくるぶしをくっつけると、両足の関節が開いてしまい、膝がくっつかい状態の人や、逆に両膝をくっつけても、両足のくるぶしがくっつかずに離れてしまう人もいます。 両足のくるぶし(踵)をくっつけても、両膝が開いてしまう状態をその形から「O脚(オー脚)」と呼んでいます。逆に、両膝をつけても両踝が開いてしまう状態をその形から「X脚(エックス脚)」といいます。 |
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◆〔O脚〕の症状をご説明します。 |
O脚の症状 |
O脚やX脚は、特別に重大な病気ということではありませんが、見た目には足を揃えて立つことができないので、あまり美しいとはいえないかも知れません。また、あまり程度が激しい場合には、腰や膝に負担がかかってしまい、身体の他の部分に影響がでることがあります。 O脚はX脚に比べて非常に多い割合で発生する傾向にあります。 O脚やX脚は、体重のかかるポイントがずれているため、高齢になってくると腰や膝に問題がでてくることが多いとされます。特に女性では、生理通や便秘などの一因となっているともいわれます。 |
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◆〔O脚〕の原因や発症の仕組みをご説明します。 |
O脚の原因 |
歩行を開始したばかりの新生児の歩き方に異常がでる場合があります。一般に新生児は2歳くらいまではO脚傾向になるのですが、それ以降は急速に改善して、3~4歳頃には正常になるか、少しX脚の傾向になります。これは程度の差はあっても、誰もが辿る一種の生理的パターンとされます。 このような傾向は学童期に入ると自然に消失して、普通の成人脚の形状になります。 成人期になっても、O脚やX脚の状態が残る場合には、何らかの病的な要素もでてきますが、そうなる大きな原因の多くは、毎日の生活習慣にあるとされます。 O脚は、確かにクル病や骨軟化症などが原因で起こることもありますが、その割合は非常に少なく、主に下肢の発育に比べて過剰な体重の幼児に多く発生します。下肢の発育が十分でない乳児を無理に起立させることはO脚の要因ともなります。 日常生活で、毎日何度でも繰り返される動作、「立つ」「歩く」「座る」「寝る」などに習慣的に不自然な癖があり、無理な姿勢を続けていると、身体に歪みが生じ、それが原因となって、O脚やX脚の症状が現れる可能性が大となります。 また、何らかの大きな怪我、外傷が原因となって、このようなことが起こる可能性も大きいです。足関節部の骨折や捻挫などが直接の原因ともなりえます。 |
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◆〔O脚〕の検査方法や診断方法をご説明します。 |
O脚の診断 |
病的な原因があって、O脚になっている場合には、原因に対応した治療が必要となりますが、治療を受ける必要があるかどうかの最初の判断は次のようにするのが好ましいです。 先ずは、鏡の前で両足のくるぶし(踵)をそろえて起立してみます。左右の膝と膝の間に大きな隙間があるとO脚の可能性があります。大きな隙間がないものの、膝のお皿が内側を向いているときもO脚の可能性があります。
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◆〔O脚〕の治療方法をご説明します。 |
O脚の治療 |
乳幼児の生理的なO脚であれば、成長とともに自然に矯正されますが、筋力の弱い人の場合、骨格が正常に成長しないことがあります。骨が弱いと自分の体重を支えきれずに骨格が歪むこともあり、O脚の原因となります。 O脚は、治療の前に、先ず、O脚にならないような予防が重要です。予防のポイントは、歩行を始めたばかりの乳幼児に無理やり早く歩かせないことです。自然に歩けるようになるまで待つことが重要です。早い段階から、歩行器などで無理に歩かせると、O脚を助長してしまいます。 レベル1程度であれば、適度な体重を維持したり、バランスのよい靴を履くなどで改善できることもあります。 O脚で治療対象となるのは、レベル2~4が該当します。2歳児で膝の外側の角度が195度以上ある場合、4歳以上で185度以上の場合です。 6歳くらいまでの幼児のO脚矯正は、「O脚矯正用下肢装具」を両方の下肢に装着して矯正できます。半年~1年ほどの装着でほぼ完全に治ります。 7歳以上の学童や成人のO脚の治療はこのような装具だけでは困難で、「骨切り術療法」と呼ばれる手術が必要となります。脛骨を部分的に切除し湾曲を矯正する方法ですが、実績のある専門医院(整形外科)でしか行うことができません。 |