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健康用語

〔強力な多剤耐性菌が拡散〕


 多くの抗生物質には、簡単な病気だけでなく、重度の病気の原因菌に対しても効果を有するものが多いです。

 しかし、細菌類の中に「多剤耐性」といって、突然的に抗生物質が効かなくなるものが出現することがあります。

 ある微生物が、作用機序の異なる2種類以上の抗生物質に対して耐性を有し、それらの薬品が効果を示さなくなるものが存在するのです。


 このような多剤耐性菌の発生機序は、突然変異でのみ起こると考えられてきた時期もあるのですが、現在では、薬剤に対する耐性の遺伝子をもったプラスミドの伝達もその要因の一つとなることも分かっています。

 最近、インドやパキスタンの旅行中に事故に遭遇するなどで治療を受けた患者が、未知の多罪耐性菌に冒され死亡する例が報告されています。
 ここでは、Yahoo Japanで配信された記事をそのまま転載しておりますので、参考にしてください。尚、当サイト「健康・医療館」では心身の病気に関する記事を扱っていますので、他のページもご覧くだされば嬉しいです。

転載記事内容 ◆〔多剤耐性菌〕についての有用な記事を転載します。

転載元


Yahoo 2010年8月17日


記事名称


強力な多剤耐性菌が拡散

インド・パキスタンから―初の死者、監視訴え・国際チーム

記事本文

 抗生物質がほとんど効かなくなる遺伝子を持つ多剤耐性菌がインドやパキスタンで広がり、両国に旅行して感染する例が増えていると、インド・マドラス大や英健康保護庁(HPA)などの国際研究チームが16日までに英医学誌ランセット電子版に発表した。

 AFP通信によると、パキスタンで交通事故に遭い、入院した際にこの耐性菌に感染したベルギー人男性が帰国後の6月に死亡。最初の死者と報じられた。インドなどで治療を受けた際に感染した人は英国やオーストラリアでも見つかった。

 この遺伝子は「ニューデリー・メタロベータラクタマーゼ1(NDM―1)」と呼ばれる酵素を作る働きがあり、大腸菌や肺炎桿(かん)菌などさまざまな細菌に広がっている。研究チームは、NDM―1遺伝子を持つ細菌が世界各地に拡散する可能性が高く、各国当局が協力して監視する必要があると指摘している。

 研究チームによると、この遺伝子は細菌が染色体とは別に持つ小さな環状DNA「プラスミド」にあるため、細菌から細菌へ移りやすい。多剤耐性菌によく使われる「カルバペネム系抗生物質」が効かないことが、懸念を高める要因となっている。