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健康用語

〔COガス中毒〕


 炭素を含む物質を燃焼させると二酸化炭素が発生します。

 そして、酸素の供給量が不十分だと不完全燃焼が起こりCOガス、即ち一酸化炭素ガスが発生します。

 COガスは無色、無味、無臭の気体で、空気中に拡散した場合、なかなか気づくことができません。


 COガスは強い有毒物質で、これを吸い込むといわゆるCO中毒、あるいはCOガス中毒、一酸化炭素中毒になります。

 CO中毒では、意識はしっかりとあるのに体が動けなくなる特徴があり、火災などの場合、逃げ出すことができなくなる恐ろしい中毒です。

 一酸化炭素は、換気不良な地下空間などで蓄積し、一酸化炭素中毒の原因となります。

 一般家庭でも、最近は家屋の密閉構造が行き届いているため、木炭コンロや豆炭コンロ、ガス湯沸かし器、ストーブなどを使用時に不完全燃焼が起これば、室内の一酸化炭素濃度が急激に上昇し中毒を起こす可能性が高くなります。
 500PPM以下の一酸化炭素濃度に1時間晒されると、頭痛、耳鳴り、めまい、吐き気など、普通の風邪の症状に似た軽度の症状がでます。

 しかし、1000PPMの濃度では顕著な一酸化炭素中毒の症状が現れるようになります。一酸化炭素中毒で恐ろしいのは、意識があるのに徐々に身体の自由が利かなくなってしまう点です。

 1500PPM以上の高濃度の一酸化炭素ガスを吸入すると、自覚症状を感じることなく、急速に昏睡状態に陥り、そのまま死にいたります。

 厚生労働省の発表では、CO中毒による死亡者数は年間2000名前後です。その多くは火災での現場死亡者です。

どんな病気ですか? ◆〔CO中毒〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?

 CO中毒とは、「COガス中毒」とか「一酸化炭素中毒」「一酸化炭素ガス中毒」と呼ばれ、ガス中毒のひとつです。CO中毒は、一般に燃焼器具などの不完全燃焼により発生する一酸化炭素ガスを含む空気を吸入することにより起こります。

 COガスは無色、無味、無臭、無刺激の気体なので、空気中に拡散しても気がつき難く、COガス中毒に罹る危険が大きい気体です。

 COガスを吸入すると、たとえ低濃度であっても、初期には頭痛や吐き気などの症状を引き起こす程度ですが、長時間にわたって吸い続けたり、濃度が高いCOガスを吸入すると、目眩や手足の痺れ、痙攣(けいれん)、意識不明・失神などの状態となり、やがて死に至ります。高濃度のCOガスを吸い込むと、数分以内で死に至ることがあります。


どんな症状ですか? ◆〔CO中毒〕の症状をご説明します。
CO中毒の症状

 軽度のCOガス中毒では、最初は風邪に似た症状が出てきます。軽度の頭痛や吐き気からはじまり、次第に目眩(まめい)や痙攣(けいれん)を起こすようになります。例え低濃度のCOガス環境下でも長時間になると、症状は更に激しくなり意識不明・失神してしまいます。これは脳神経細胞が破壊される状態です。COガスに晒される時間が長くなれば容易に死に至ります。

 CO中毒患者では、症状は重いのに血色は良く見える状態になり、顔色が悪くなったりしないのが特徴です。また、重要なことは、意識不明になる前の段階では、意識があるのに手足や身体の自由が利かなくなる点です。火災現場などでのCO中毒では、たとえ本人が途中で気づいても、もはや逃げ出すことができないのです。

 密閉度の高い部屋などで暖房用機器を使用中に、頭痛や脱力感、吐き気などの症状が出たり、目がチカチカしたり、悪臭を感じたり、普段と何か違う気がしたときは、暖房ガス器具の不完全燃焼が起こっているかもしれませんので、すぐに部屋を開放し、機器の使用中止、点検が必要です。

 COガス濃度と吸入時間などに対応したCO中毒症状との関係は次のようなものとなります。

CO中毒・一酸化炭素中毒の症状
空気中のCOガス濃度 吸入時間と中毒症状
0.02% 2~3時間で前頭部に軽度の頭痛、目眩
0.04% 1~2時間で前頭痛・吐き気、2.5~3.5時間で後頭痛
0.08% 45分間で頭痛・めまい・吐き気・けいれん、意識はあるが手足や身体の自由が利かなくなる。2時間で意識不明・失神
0.16% 20分間で頭痛・めまい・吐き気、2時間で死亡
0.32% 5~10分間で頭痛・めまい、30分間で死亡
0.64% 1~2分間で頭痛・めまい、15~30分間で死亡
1.28% 1~3分間で死亡


原因は何ですか? ◆〔CO中毒〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
CO中毒の原因

 一酸化炭素は、血液中にあって酸素の運搬役を果たしているヘモグロビンとの結合力が酸素の200倍以上も強力であり、COガスの少量を吸入しただけで、ヘモグロビンにCOガスが優先的に結合してしまい「カルボニルヘモグロビン」になってしまいます。

 これにより、血液中の酸素運搬量力が極端に損なわれ、身体各部は酸素欠乏状態となります。この状態が「CO中毒」であり、晒されるCO濃度と暴露時間とにより、身体の機能を著しく低下させます。

 日常生活の場面では、一酸化炭素は屋内での木炭コンロ、ガス湯沸かし器、ガスストーブなどの不完全燃焼で発生し、密閉どの高い部屋では容易に中毒を起こす環境となります。

 尚、タバコの煙にも多量のCOガスが含まれていて、喫煙常習者は、循環器系に多大な負担を掛けていることになります。


診断はどうなりますか? ◆〔CO中毒〕の検査方法や診断方法をご説明します。
CO中毒の診断

 一酸化炭素中毒の診断は、頭痛や目眩、耳鳴り、吐き気などの臨床症状と、CO沖氏メーターによる血液中の一酸化炭素濃度(血中のCOHb:カルボニルヘモグロビン濃度)を測定して行います。

 この測定により、血中カルボニルヘモグロビン濃度が高ければCO中毒と確定診断されます。


治療はどうやりますか? ◆〔CO中毒〕の治療方法をご説明します。
CO中毒の治療

 軽度のCO中毒なら、新鮮な空気を吸入するだけで回復します。

 しかし、重症の場合には、即刻、フェースマスクを装着して高濃度の酸素吸入を行わなくてはなりません。体内に蓄積している一酸化炭素を一刻もはやく消滅させ、症状を緩和させるためです。必要に応じて高圧酸素療法を行うと効果があるかも知れません。


予防はどうしますか? ◆〔CO中毒〕の予防はどうしますか?▼
「CO中毒」の予防法

 大気汚染にかかわる環境基準では、CO濃度は、「1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、8時間平均値が20ppm以下」と定められています。また、事務所安全衛生基準規則では、事務所内のCO濃度は50ppm以下とするよう定められています。特に、空調機のある事務所では、10ppm以下と定められています。

 一般家庭におけるCO中毒の予防方法のひとつは、室内ガス暖房や薪ストーブ、厨房のガスコンロなどの燃焼機器の排ガスをきちんと屋外に導くようにすることです。法令で定められている換気装置の設置は不可欠です。

 また、暖房機器などの使用に当たっては、一定時間ごとに窓を開けて換気に努める必要があります。室内に蓄積した一酸化炭素を屋外に排出しなくてはなりません。

 暖房設備や暖炉の排気口などは定期的な点検を行い、ひび割れなどがないことを確認しなくてはなりません。

 室内の一酸化濃度を検出してアラームを鳴らす家庭用警報機も販売されているので、これを設置すれば、もしも室内の一酸化炭素濃度が上昇するような事態が発生しても早期に検出できて安心です。