〔PTSD:心的外傷後ストレス障害〕 |
PTSDは、「不安障害」という精神障害の中のひとつで「心的外傷後ストレス障害」とか「外傷後ストレス障害」とも呼ばれている精神障害です。 |
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トラウマには、戦争や事故、地震、洪水、火災などの災害による急性トラウマと、繰り返される虐待やテロ、強姦、監禁の被害による心理的外傷とがあります。このような極度に大きな衝撃は、脳に深い外傷記憶を形成してしまい一生涯心から消し去ることはできません。 |
〔PTSD:心的外傷後ストレス障害〕 |
PTSDは、「不安障害」という精神障害の中のひとつで「心的外傷後ストレス障害」とか「外傷後ストレス障害」とも呼ばれている精神障害です。 |
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トラウマには、戦争や事故、地震、洪水、火災などの災害による急性トラウマと、繰り返される虐待やテロ、強姦、監禁の被害による心理的外傷とがあります。このような極度に大きな衝撃は、脳に深い外傷記憶を形成してしまい一生涯心から消し去ることはできません。 |
◆〔PTSD:心的外傷後ストレス障害〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。 |
どんな病気ですか? |
PTSD(Post-traumatic stress disorder)とは、過去に経験した衝撃的な出来事や事象により、心に加えられた傷が元となり、後になって様々な障害を引き起こす疾患です。PTSDは「心的外傷性ストレス障害」や「外傷性ストレス障害」と呼ばれますが、日常生活場面では「トラウマ」と呼ばれるのが普通です。 |
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◆〔PTSD:心的外傷後ストレス障害〕の症状をご説明します。 |
PTSD:心的外傷後ストレス障害の症状 |
アメリカでの精神障害の指針として「DSM-Ⅳ」という基準があります。これは、米国精神医学会が公表した基準で全世界で広く用いられている基準です。
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◆〔PTSD:心的外傷後ストレス障害〕の原因や発症の仕組みをご説明します。 |
PTSD:心的外傷後ストレス障害の原因 |
既に述べたように、PTSD:外傷性ストレス障害の原因は、日常生活ではありえない生死に関わるような緊急事態に、自分自身で体験したり、あるいは他人に襲い掛かるのを目撃した衝撃が、心の傷となって、その後にフラッシュバックするのが原因です。 |
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◆〔PTSD:心的外傷後ストレス障害〕の検査方法や診断方法をご説明します。 |
PTSDの診断 |
PTSDの診断は、米国精神医学会による「DSM-Ⅳ基準」により行われるのが普通です。この他にも、WHOが作成した「ICD-10基準」というものもあり、こちらもよく使われます。 |
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PTSDの診断基準 (DSM-Ⅳ) |
A.患者は、以下の2つが共に認められる外傷的な出来事の経験がある。 |
◆〔PTSD:心的外傷後ストレス障害〕の治療方法をご説明します。 |
PTSDの治療方針 |
PTSD:外傷後ストレス障害もひとつの病気であり、治療により完全治癒あるいは改善することができます。他の病気と同様、早期発見・早期治療が重要であることはいうまでもありません。 |
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心理的デブリーフィング |
心理的ブリーフィングは、異常な体験の直後の数時間~数日以内に、異常な体験が後遺症としてトラウマとなるのを予防する目的で開く集会のことです。ここでは、異常体験者はあくまで、患者ではなく、異常な体験をした普通の人・正常な人として、「自己の体験」を話し、聞いてもらいます。 |
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行動療法 |
行動療法は、患者と心理療法士などのカウンセラーとが、過去のことを思い出しながら会話することで、トラウマを解明し、解いてゆく方法です。この方法は、PTSD患者にパニック障害や恐怖心、広場恐怖(アゴラフォビア)などの症状がある場合、有効な治療法だとされています。
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薬物療法 |
薬物療法は、医師の処方により、PTSDに効果のある治療薬を服用する療法です。 |
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精神生理学的治療 |
精神生理学的治療は「EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)」といわれる療法で、眼球運動と回想や情緒認識を組み合わせた方法で、眼球をリズムに乗って左右に運動させ、感情の処理過程を促し、外傷記憶による苦痛を取り去ろうとする方法です。 |
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精神分析的治療 |
精神分析的治療は、寝椅子に患者を寝かせ、自由連想法を用いて行う治療法です。患者は思いついたことを何でも話します。カウンセラーが支援し、自己解明を進めるという方法です。週に4~5回、40~50分のセッションを行います。これを2~7年継続します。 |
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催眠療法 |
催眠療法は、患者を、完全な催眠状態にして、トラウマを思い出させていく方法で、他の行動療法組み合わせて改善を図る療法です。 |
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自己暗示法 |
自己暗示法は、自分自身で如何にしてリラックスうするかの方法を学ぶイメージトレーニング療法です。自分でリラックスする方法を会得するとともに、自分の気持ちをコントロールできるようにするのが目的です。 |
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グループ療法 |
グループ療法は、同じトラウマを持つ人々が場所と時間を決めて集まり、カウンセラーの指導のもとで、各自の問題やトラウマを話し合う療法です。 |
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家族療法 |
家族療法は、PTSD患者の治療というより、患者を取り巻く家族問題の緩和を目的とした「システムズアプローチ(家族関係のトラブルを直接扱う療法)」と、PTSDの患者を持つ家族を支援する療法とがあります。 |
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入院治療 |
入院治療は、慢性PTSD患者の中で外来治療が困難な人に長期治療の一環として行います。また、自傷行為・他害行為・破壊的行為などの危険を防止し、安定化させるための短期間支援環境として行うこともあります。 |
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その他の治療法 |
その他の治療法として、絵画療法、音楽療法、箱庭療法、舞踏療法、心理劇、詩歌療法などに触れる芸術療法、ペットとすごす動物療法などがあります。子供のPTSD患者などには有効な方法とされます。 |