〔麻酔技術〕 |
麻酔は手術などに際して、痛み刺激を与えてもまったく痛みを感じなくする方法をいいます。 |
〔麻酔技術〕 |
麻酔は手術などに際して、痛み刺激を与えてもまったく痛みを感じなくする方法をいいます。 |
一例として、脳に部分麻酔を施し、意識のある状態で脳内に電極を挿入する手術すら行われています。 局所麻酔は、歯医者さんでの抜歯や歯茎の手術、お尻にできたおできの治療などの比較的軽い処置を行うときに使用され、本人は意識もあり痛みは感じませんが皮膚などを切開する時のジョリジョリする音は聞こえます。 一方、全身麻酔は、盲腸の手術や大きな火傷の手術、そのたいわゆる外科手術と呼ばれるような手術では普通に行われます。全身麻酔では患者は手術開始の直前に麻酔処置を受けて昏睡状態となり、次に気が付くと手術が終わっているという感じになります。 |
抜歯や歯の歯石除去など簡単な処置時の麻酔としては、麻酔薬を局所に直接注射します。 本格的な手術を局所麻酔で行う場合には、「脊椎麻酔法」や「硬膜外麻酔法」が行われます。また、完全に昏睡状態にする全身麻酔は「麻酔薬点滴法」により行われます。 一見元気そうあるいは丈夫そうな人でも特別なアレルギー体質があったりするために、麻酔は、100%絶対に安全ということはありません。 しかし、麻酔科医は麻酔・手術中に起こりえるあらゆる異常事態に対処できるだけの知見をもち、十分な監視装置と薬剤などを備えているので心配することはありません。 |
◆〔麻酔〕とはどのようなものかその方法や効果などをご説明します。 |
麻酔の方針 |
麻酔には、腹部の切開手術などのような大きな手術時に患者にいっさいの痛みを与えない全身麻酔と、患者には意識もあり会話することも、物を見ることも、音を感じることもできるような、手術をする身体部位だけの痛みを抑制する局所麻酔とがあります。 |
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麻酔の安全性 |
既に述べたように、現在では麻酔は万全を期して行われているので、麻酔による大きな危険があることはありません。 |
◆〔麻酔開始前〕の準備はどうするかご説明します。 |
麻酔前の絶食 |
食物が残っている状態で麻酔(特に全身麻酔)を行うと、胃の中に残っている食物が食道を逆流して肺の中に移動してしまうことがあります。 |
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麻酔前の診察 |
通常、手術の前日などの段階で、麻酔の説明が行われます。また、患者の既往症や家族の病気などについて問診が行われます。 |
麻酔前の医薬投与 |
手術の種類によっては、手術室に移動する前に、麻酔や手術に必要な医薬を注射したり、服用したりします。また、坐薬として挿入したり服用したりすることもあります。 |
手術室へ移動 |
ここでは比較的大きな手術を行う場合を想定し、下半身局所麻酔や全身麻酔を行うものとして説明します。 |
◆〔全身麻酔〕の方法などをご説明します。 |
全身麻酔の手順 |
全身麻酔の目的はいうまでもなく、中枢神経に麻酔薬を作用させることで、手術を受ける患者が無痛になること、筋肉を弛緩させること、患者が痛みなどで不意に動いてしまう有害反射を防止すること、そして意識の喪失と健忘を果たすことにより、患者の手術に伴う肉体的・精神的苦痛を取り除くことにあります。
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◆〔局所麻酔〕の種類や方法、注意点などをご説明します。 |
局所麻酔の種類 |
局所麻酔には、〔脊椎麻酔〕と呼ばれる麻酔法と〔硬膜外麻酔〕と呼ばれる麻酔法の二つがあり、それぞれ下記に示すような特徴があります。 |
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脊椎麻酔 |
脊椎麻酔は、正式名を「脊髄くも膜下麻酔」といい、別名で腰椎麻酔と呼ばれることもある局所麻酔のひとつです。
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硬膜外麻酔 |
硬膜外麻酔も、局所麻酔のひとつです。
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局所麻酔の方法の比較 |
既に述べたように、局所麻酔には脊椎麻酔法と硬膜外麻酔法の二つがありますが、二つの方法には利点と欠点がありますので、ここで比較しておきます。
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◆〔麻酔による手術後処置〕についてご説明します。 |
手術後の処置 |
無事手術が終了すると、患者の全身状態が安定するのを待って、患者は自分の病室に戻ります。病状によっては、自分の病室に戻る前に、ICUと呼ばれる集中治療室で数時間、あるいは一晩くらい特別な監視下におかれることもあります。 |
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