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〔基礎代謝〕

基礎代謝基準値
基礎代謝計算法
エネルギー代謝率
生活活動強度
動作強度
基礎代謝の上げ方・高め方

〔基礎代謝基準値〕



 人は特別に何もしない状態、静かに横たわっているだけでも、生命を維持するために心臓や脳、消化器系や呼吸器系など、多くの器官が休むことなく動き続けていて、エネルギー(カロリー)を消費しています。

 このように、特に何もしていなくても消費する最小限のエネルギー量(カロリー量)を「基礎代謝量」と呼んでいます。

 エネルギー消費の最も多い身体部位は骨格筋で、それに続いて肝臓や脳が多く消費しています。



 基礎代謝量は、年齢や性別により大きく異なりますが、同じ年齢、同じ体重でも、筋肉量の多い人が大きくなります。

 成長期を終わり代謝が安定した時期になると、標準成人では次のようになります。

 ・標準女性 約1,200 kcal/日
 ・標準男性 約1,500 kcal/日

 また、老化が進むにつれ筋肉量は減少していくので、基礎代謝量も減少していきます。厚生労働省は日本人の標準的な基礎代謝量について、男女別各年齢区分での数値を発表しています。このページでは2010年発表の数値を掲載しています。


日本人の基礎代謝基準値(厚生労働省:2010年版)
基礎代謝基準値解説

 早朝空腹時で覚醒しているが安静にして寝ている状態で測定された数多くの基礎代謝量の測定値をもとに、体重 1kg 当たりの基礎代謝量の代表値を求め、それを「基礎代謝基準値」としています。

 この基礎代謝量には、心筋や呼吸筋をはじめ、消化管や血管の平滑筋などで力学的に消費されるエネルギーの他、肝臓、膵臓、甲状腺、唾液腺、下垂体、腎臓、副腎などの分泌のために使われるエネルギーも含まれています。

 恒温動物であるヒトでは、単位表面積あたりの基礎代謝量は、年齢や性別が同じであれば一定していると考えられますが、甲状腺ホルモンや精神的緊張による交感神経刺激、男性ホルモン、成長ホルモン、発熱、季節、栄養状態悪化などで変化します。

 参考までに、成人の1日当たりの基礎代謝基準値は、日本人と白人とでは若干異なり、次のような数値となっています。

 日本人:1,200~1,400〔kcal〕
 白人 :1,500~2,000〔kcal〕

基礎代謝基準値

 以前には、基礎代謝量は体表面積〔m2〕当たりで表示されていましたが、現在では体重〔kg〕当たりの代謝量として表示されるようになり、「基礎代謝基準値」と呼ばれています。

基礎代謝基準値(厚生労働省:2010年版)
年齢 男性
基礎代謝
基準値
基準体重 基準体重での
基礎代謝量
〔kcal/kg/日〕 〔kg〕 〔kcal/日〕
1~2 61.0 11.7 710
3~5 54.8 16.2 890
6~7 44.3 22.0 980
8~9 40.8 27.5 1,120
10~11 37.4 35.5 1,330
12~14 31.0 48.0 1,490
15~17 27.0 58.4 1,580
18~29 24.0 63.0 1,510
30~49 22.3 68.5 1,530
50~69 21.5 65.0 1,400
70以上 21.5 59.7 1,280

年齢 女性(妊婦、授乳婦を除く)
基礎代謝
基準値
基準体重 基準体重での
基礎代謝量
〔kcal/kg/日〕 〔kg〕 〔kcal/日〕
1~2 59.7 11.0 660
3~5 52.2 16.2 850
6~7 41.9 22.0 920
8~9 38.3 27.2 1,040
10~11 34.8 34.5 1,200
12~14 29.6 46.0 1,360
15~17 25.3 50.6 1,280
18~29 22.1 50.6 1,120
30~49 21.7 53.0 1,150
50~69 20.7 53.6 1,110
70以上 20.7 49.0 1,010

基礎代謝量変動要因

 基礎代謝量は、大きな人ほど大きな値となります。その変化は本質的には体重よりも身体の表面積に比例すると考えられていて、欧米ではこの考え方で標準値が求められていますが、計算が非常に複雑となります。

 一方、日本では、身体の表面積ではなく体重により標準化して表示されています。この考え方では、多少の誤差はあるものの、計算が非常に容易であることもあり、実用性が高い表示方法となっています。

 基礎代謝量は、同一人物であれば、日による変動は比較的少なく、体の大きさ(体重)や性別、年齢が同じであれば、ほぼ同じ値が得られることが分かっています。

 そうはいっても、基礎代謝量は種々の条件により多少は変動しますので、いろいろな条件と変動量などについて下記に纏めています。

基礎代謝量を変動させる要因
年齢差

 基礎代謝量は、生後、年齢が大きくなるに伴って徐々に増加しますが、年齢が12歳くらいから50代初期まではほぼ一定の値となります。それ以降は徐々に減少してゆきます。

 一方、体重1kg当たりの基礎代謝基準値では、生後1~2年間が最高の値となり、年齢の増加に伴って、徐々に減少し続けます。

性別差

 同年齢の男女で比べれば、女子の方が体質的に脂肪組織が多くなるために、基礎代謝量は少なくなっています。

 しかし、妊婦の場合については、妊娠後半では約20%ほど増加します。

職業差

 スポーツ選手や炭鉱や工事現場などでの肉体労働者は、エネルギーを大量消費する筋肉量が多くなるため、基礎代謝量は高くなります。

季節差

 気温が低くなると、体温を維持するために多くのエネルギーを必要とするので、基礎代謝量は、冬は高く、夏は低くなります。

発熱時

 病気等で発熱した場合、多くの汗をかき、エネルギー消費が増加することが分かります。体温が1度C上昇すると、基礎代謝量は約13%ほど増加するといわれています。

 たとえば、40度Cの発熱状態では、平常時の体温より4度Cほど高くなるので、基礎代謝量は50%程度増加します。風邪などの病気で発熱すると、急速に体力を消耗することになります。

情緒・感情

 基礎代謝量は、感動したり、恐怖に戦いたり、怒りに震えたりすると増加します。逆に深い悲しみに遭遇したり、落胆して意気消沈すると低下します。

栄養状態

 災害時などでの長期にわたる食物の摂取不足や飢餓による栄養失調状態、不適切なダイエットなどでの偏った栄養状態では、基礎代謝量は10~30%程度も減少するとされます。



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