鼻を整形したいと願う人が叶えたい鼻の形状は、大きく分けて、次の二つとなります。 ・「鼻の形の整形」 ・「鼻の大きさの整形」 鼻の形を整えたり、高くしたりする基本的な方法には、ヒトのコラーゲン組織に類似の物質を注入する〔化学成分注入法〕と、あらかじめ希望する鼻の形に合わせて創った骨組み人工物を挿入する〔インプラント法〕とがあります。 |
また、特殊な方法としては、鼻の骨を削りだす〔鼻骨幅寄せ法〕などもあります。 化学成分注入法には、〔コラーゲン注入法〕〔ヒアルロン酸注入法〕および〔レディエッセ注入法〕などがあります。 インプラント法では、シリコンなどにより作製した型を挿入する〔プロテーゼ法〕と、人工物ではなく自家組織を用いた〔自家軟骨移植法〕とがあります。 |
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◆〔鼻の美容術〕とは、どんな美容術なのかご説明します。 |
鼻の美容整形への希望 |
鼻の美容術は一般には〔隆鼻術〕と呼ばれています。鼻を美しくしたいと希望する人たちが実際に希望することは、〔鼻の形の整形〕と〔鼻の大きさの整形〕とに分けられます。
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鼻の美容整形法の分類 |
鼻を高くしたり、鼻の形を美しくする美容整形の方法には、基本的に〔化学成分注入法〕と〔インプラント法〕と呼ばれる二つの方法があります。 〔化学成分注入法〕は、ヒトのコラーゲン組織と類似した化学成分を、希望する鼻の形になるように、注射針で注入します。 化学成分注入法には、〔コラーゲン注入法〕〔ヒアルロン酸注入法〕および〔レディエッセ注入法〕などがありますが、いずれもメスを使わないことが特徴です。 〔インプラント法〕は、希望する鼻の形状に合うように加工された、シリコン製のインプラントと呼ばれる型を、鼻の構造部を切開して挿入します。体の一部を傷つける手術法ですが、切開は鼻の内部などから行い、完成後に傷が残ることはありません。 インプラント法には、シリコンで必要な型をつくって挿入する〔プロテーゼ法〕と、人工物ではなく、自分自身の軟骨の一部を採取して一定の形を作り、これを挿入する〔自家軟骨移植法〕が含まれます。 いずれの方法にも、長所・短所があります。〔化学成分注入法〕は、メスを使用せず極細の注射針により化学成分を注入するだけなので、外科手術的な苦痛は少ないですが、効力を発揮する期間が数か月~2年程度と短く、何度も繰り返す必要が起こります。 一方の〔インプラント法〕は、長期にわたり効果が持続しますが、メスを使用する外科手術が必要となります。インプラント法は原理上は「一生もの」と考えられがちですが、現実には自分自身の加齢による、体型や顔形の変化などにより、10~20年で鼻の表情が不自然になることも起こります。このような場合にはインプラントを取り去りが必要かも知れません。 また、特殊な例としては、大きすぎる鼻の骨を削り出し、スマートにする〔鼻骨幅寄せ法〕などもあります。 |
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化学成分注入法 |
化学成分を注入する方法では、注入するヒアルロン酸などの物質が徐々に体内に吸収されてしまうために、効果継続期間は短く、普通では3~6か月程度、長い場合でも18~24か月程度となります。 このため、長期的に効果を維持するためには、一定期間ごとに繰り返し注入をしなければなりません。
化学成分注入法には、既に述べてもいますが、次のような利点・欠点があります。
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インプラント法 |
人工物であるインプラントを挿入する方法では、鼻を美しく見せる効果は比較的長く継続しますが、それでも手術後、10年~20年以上も経過すると、自分の肉体的変化などにより人工物を取り出す必要がでてくる場合もあります。
インプラント法には、既に述べてもいますが、次のような利点・欠点があります。
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鼻骨幅寄せ法 |
太すぎる、あるいは逞しすぎる、大きな鼻の骨の一部を削りとって、普通の大きさにまで細身に整形する。 |
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◆〔鼻の美容術〕の由来・歴史についてご説明します。 |
鼻の美容術の由来・歴史 |
鼻の美容整形が最初に行われたのは、紀元前6世紀頃のインドのススルタという医師がはじめた〔造鼻術〕が最初だとされています。 その時代、インドの犯罪人は罰として鼻を削ぎ落とされる刑を受けることがありました。しかし、一方で削ぎ落とした鼻を元に戻すことも試みられ、これを〔造鼻術〕と呼んでいたのです。 やがて、この技術はギリシャやローマにも伝播し、16世紀末には、イタリアの医師が形成外科の教科書を執筆し紹介しています。当時は美容外科というカテゴリーはなく、形成外科という位置づけでした。 その後、時代が経ち、1845年に医師のディーフェンバッハが行った鼻の手術が、美容整形という意味での最初の手術だったとされています。 19世紀には、現在の美容整形に通じる基本的な技術が発達しました。20世紀に入ると医療の一分野として形成外科、美容外科が確立されましたが、日本に美容整形の技術が伝わったのは、昭和初期のことです。 第二次世界大戦の終結後になって、ヨーロッパから本格的な美容整形の技術が伝播しました。以降、経済大国にのし上がった日本でも大きな進歩を遂げ、美容整形はプチ整形も含めて馴染み深い存在となりました。 |
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◆〔鼻の美容術〕の方法についてご説明します。 |
コラーゲン注入法 |
コラーゲンは、一種のたんぱく質で、皮膚組織の70%ほどを占める成分で、肌の質や張りを保つ働きをしています。コラーゲンの量が多いほど肌は若々しく見えますが、残念なことに加齢により減少し、その結果、たるみやシワが生じます。 コラーゲン注入による隆鼻術は、施術時間も10分以内でできる簡単な手術です。切開や縫合も不要なので痛みや腫れもほとんどなく、侵襲的な手術ではないので、身体への影響も全くありません。 手術後も自然で若々しい感じの鼻に仕上がります。また、施術の翌日には、洗顔や化粧も問題なくできます。 コラーゲンの注入で簡単に鼻を高くしたり、鼻の形状を変えたりできますが、コラーゲン自体は、時間の経過と共に身体に吸収されてしまうので、その効果の持続期間が3~6か月ほどとなり、それ以降は徐々に元の姿に戻ってしまいます。 このように、コラーゲンの注入法は安価で、手術も簡単ですが、頻繁に繰り返さないと効果が持続できない欠点があります。コラーゲン注入手術は次のように行われます。
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ヒアルロン酸注入法 |
ヒアルロン酸は、哺乳類を含む脊椎動物ではみな同じ構造をもつ多糖類で、皮膚の深層部に存在して肌の張りを保つ役割を担っている成分です。 ヒアルロン酸注入による隆鼻術もコラーゲンの場合と同様に、施術時間も10分以内でできる簡単な手術です。切開や縫合も不要なので痛みや腫れもほとんど起こりません。侵襲的な手術ではないので、身体への影響も全くありません。 手術後も自然で若々しい感じの鼻に仕上がります。また、施術の翌日には、洗顔や化粧も普通どおり問題なくできます。 ヒアルロン酸の注入で簡単に鼻を高くしたり、鼻の形状を変えたりできますが、ヒアルロン酸も時間の経過と共に身体に吸収されてしまうので、その効果の持続期間が3~6か月ほどとなり、それ以降は徐々に元の姿に戻ってしまいます。 このように、ヒアルロン酸の注入法は安価で、手術も簡単ですが、頻繁に繰り返さないと効果が持続できない欠点があります。ヒアルロン酸注入手術は次のように行われます。
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レディエッセ注入法 |
レディエッセは、歯や骨などを形成する「カルシウムハイドロキシアパタイト」を主成分とする注入剤で、鼻や顎などに注入すると骨に類似した組織を形成する特性があります。 レディエッセ注入での隆鼻術もコラーゲンやヒアルロン酸の場合と同様、施術時間も10分以内でできる簡単な手術です。切開や縫合も不要なので痛みや腫れもほとんど起こりません。侵襲的な手術ではないので、身体への影響も全くありません。 手術後も自然で若々しい感じの鼻に仕上がります。また、施術の翌日には、洗顔や化粧も普通どおり問題なくできます。 この物質は柔軟性に富み、皮膚への馴染みもよく、コラーゲンやヒアルロン酸に比べて、体内に吸収されるまでの期間が数倍は長いのが特徴です。レディエッセの効果は18~24か月ほど持続します。それ以降は徐々に元の姿に戻ってしまいます。 このように、レディエッセの注入法も安価で、手術も簡単ですが、確実な効果持続には繰り返しは必要です。レディエッセ注入手術は次のように行われます。
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プロテーゼ挿入法 |
プロテーゼは、人間の軟骨にとても似ている優れた医療材料で、シリコン素材を用いて作製する整形後の鼻のデザインを決定する一種の「型」です。シリコンプロテーゼの形状には、〔L型〕と〔I型〕の2種類があり、希望する鼻のデザインによって使い分けます。 プロテーゼ挿入手術は、化学成分注入法ほど簡単ではありませんが、通常1時間以内で終了します。鼻の内部または側面の切開が必要なので、それなりの痛みはありますが、局所麻酔が効くので大したことはありません。手術後1週間程度はかなり強い腫れが起こります。 手術後、シャワーや洗髪は当日でもできますが、小さいながら傷があるので、洗顔には最新の注意が必要です。プロテーゼ挿入手術は次のように行われます。
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自家軟骨移植法 |
自家軟骨移植法は、インプラント法のひとつですが、プロテーゼ挿入法とは異なり、自分自身の軟骨を加工して、希望する鼻の形に合わせて型を作ってそれを移植する方法です。 通常、移植する軟骨は自分自身の耳の軟骨の一部を切り取り、何らかの加工をして使用します。挿入するのが自分自身の軟骨なので、鼻に異物を入れる事に抵抗がある方には福音といえるかも知れません。しかし、耳の骨を切り取るという手術も必要なので、手術時にはそれなりの痛みやストレスはかかります。 この方法が向いている人は、高い鼻を希望する人に限らず、鼻先が上向きすぎる「豚鼻」の人、鼻先が極度に曲がっている「鷲鼻」の人、だんご鼻の人などです。手術により素敵な鼻ができあがります。自家軟骨移植法の手術は次のように行われます。
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鼻骨幅寄せ法 |
鼻筋が太く横に広い場合、男性ならたくましくてよいのですが、女性では印象が強くなりすぎます。このような場合に有効なのが〔鼻骨幅寄せ法〕と呼ばれる手術です。太すぎてたくましすぎる鼻をすっきりシャープで素敵な鼻に変身させます。 鼻骨幅寄せ法では、鼻筋の張り過ぎた余分な骨を削って寄せます。手術は、先ず鼻の内部から切開し余分な骨を少し削ります。その後、1週間ほどの間、鼻筋をテープで圧迫し鼻の幅を狭く固定し安定するまで待ちます。 この手術には約1時間ほどかかります。手術後、約1~2週間は場合によってはかなり強い腫れが生じますが、やがて消滅します。 これにより、根元が細くなったスッキリとして綺麗になった鼻が完成します。手術は鼻の内部で行うので傷跡などは全く目立つことはありません。 手術当日はあまりお勧めできませんが、翌日にはシャワーを浴びることはできますが、患部は安静が必要です。本格的な洗顔や化粧ができるようになるのは、鼻筋を圧迫固定していたテープが外された1週間~10日後以降となります。 |
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◆〔鼻の美容術〕の主な効用・効能についてご説明します。 |
鼻の美容術の効果・効用 |
鼻の美容整形に限りませんが、自分自身の顔の一部にでも自分が気に入らない部分があったり、もっと美しくしたい部分があると、時には劣等感に襲われてしまうかも知れません。 鼻を整形して、今までと違った自分を発見できます。鼻筋がしっかりと通った自分、時には西洋人のような魅力的な鼻を持つ自分がそこにいるのです。 鼻の美容術を行ったことで、自分に自信がもてることが最大の効用となります。 |
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◆〔鼻の美容術〕の副作用や注意点についてご説明します。 |
鼻の美容術の副作用・注意点 |
副作用ではないですが、化学成分を注入する方法では、数か月毎に手術を繰り返さないと、また元の状態に戻ってしまうので、それなりのストレスはかかります。しかし、考えようによっては、何度でも自分が美しく変身できる瞬間を味わえる快感になるかも知れません。 永久的なポロテーゼ挿入術で鼻を美容整形して、当初は気に入っていても、長い年月の間には自分自身の顔の表情が変わることがあって、完全すぎる鼻がバランス上ちょっと不自然に見えることもあります。 かなりな年月が経ってから、不自然さが目立つようになったり、挿入したプロテーゼの輪郭が浮き出てきたり、プロテーゼが変形して鼻筋が曲がってきたりなどの症状が出ることも稀にはあるようです。 そのような時には、稀には挿入した人工物を除去し、新しいプロテーゼへの入れ替え治療が必要となります。 |