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耳を整形したいと思う人は鼻を整形したいという人ほどはおりませんが、何らかの変形や異常があって整形を望む人は大勢います。 左の図で示すように、いわゆる「耳」と呼ぶ部分、外に張り出して飛び出している部分のことを、正式には「耳介」とか「耳殻」と呼びます。この耳介にもいろいろな変形や異常のある人がいます。 たとえば〔立ち耳〕の症状を持つ人などは切実に普通の耳にしたいと願います。立ち耳というのは、横に広がりすぎていて、異常に目立つ耳のことで、これを形よく修正したいという願望です。耳介の裏側から耳介軟骨を反らせて、このたち耳を修正します。 |
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◆〔耳の美容術〕とは、どんな美容術なのかご説明します。 |
耳の美容術の種類 |
普通なら、耳は髪の毛によって、ある程度は隠れる位置にあるので、顔を正面から見た場合にはそれほど目立つ存在ではありません。しかし、耳の形がちょっと変形していたり、立ち過ぎていたり、大き過ぎたり、あるいは逆に小さ過ぎたりすれば、他人と接するとき違和感を与えることがあります。 耳の中でも、女性であれば〔耳たぶ〕は、ピアスなどでおしゃれをする場合に、露出する場所となるので、ここに異常な状態があると美容上は好ましくありません。ごく普通にいえば、耳は目立ち過ぎないのが理想的な状態なのです。 もちろん、耳たぶが厚く布袋さんのようなふくよかな耳は、人によっては〔福耳(ふくみみ)〕と呼んで、お金持ちになるとか、幸せになるとかいろいろ良いことに巡り逢えるという言い方をする時もあるので、一概に耳の形が普通と違うからといって問題ということはありません。 耳は普通にしていれば顔の中でそれほど目立たない存在ですが、自分の耳の形や大きさなどに自信が持てないと、どうしても耳を隠したくなり、ヘアスタイルも難しくなってしまいます。耳を好みの形や大きさに整形すればコンプレックスも解消して、美容を思う存分楽しめるようになります。 美容整形の対象となる耳の形や症状には、次のようなものがあります。
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◆〔耳の美容術〕の由来・歴史についてご説明します。 |
耳の美容術の由来・歴史 |
耳の整形に限らないのですが、顔の一部を整形することは紀元前6世紀のインドにおいて実践されていたとされます。この技術はギリシャ、ローマへと伝播しルネッサンス時代にはイタリアで書物も出版されています。 近代になって、19世紀には整鼻術などが行われるようになり、やがて20世紀に入ると、二つの世界戦争による負傷兵たちの顔の修正が望まれるようになり形成外科と呼ばれる分野が発展しました。これがやがては美容整形という形で進化を遂げ、今日に至っています。 |
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◆〔耳の美容術〕の方法についてご説明します。 |
耳の美容術の方法 |
耳の整形手術には、このページ上部に表示のような症状に対するものがあります。その多くは先天的なものですが、中には柔道耳やピアス穴裂けなどのような後天的なものも含まれます。ここでは、それぞれの症状に対する修正術を概説します。 |
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耳たぶケロイド修正術 |
耳垂(みみたぶ)には、後天的にケロイドが発症することがあります。ケロイドの発症原因は、遺伝的要素や体質によるとされますが、正確にはよく分かっておりません。 身体の中でケロイドの発生する部位は、耳垂だけでなく身体のいろいろな部分で起こりますが、一般的にはケロイドを外科的に切除することは好ましくないとされています。 しかし、耳垂にできるケロイドについては、術後の慎重なケアが必要ですが、例外的に切除・修正が可能とされています。 耳垂のケロイドの手術は、部分麻酔を施した上で、ケロイド病変部と正常な皮膚の境目で切除します。切除後は耳垂の縁に異常なくぼみができないよう細心の注意を払いながら耳垂の形を整えて縫合します。この手術方法は、皮膚を切開のデザインが「Z」の文字に似ていることから、〔Z形成術〕と呼ばれています。 手術後数日で抜糸ができますが、ケロイドの再発を防止するために、テーピングなどによる再発防止ケアが必要です。 |
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耳たぶ裂手術 |
耳たぶ裂は、もともと先天的に裂けてしまっている場合は、後天的な外傷により裂けてしまった場合があります。後天的なものは、ピアスが引っかかって裂けてしまったものが多いです。 先天性の耳たぶ裂再建方法は、〔耳垂裂修正術〕あるいは〔耳垂変形修正術〕と呼ばれ、裂けた部分の皮膚のみを切除し、耳たぶを再建します。この際に、切除部分を単純に縫合すると、耳たぶ辺縁にノッチと呼ばれるくぼみが出来ることがあるので、これを防止し自然な状態に仕上げるために、ここでも〔Z形成術〕が使われます。 |
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耳たぶ変形修正術 |
〔フェイスリフト〕といって、頬やフェイスライン、首周辺のたるみを引き上げるため、耳の周りで皮膚を切除して行う整形手術があります。 このフェイスリフト手術は、いわゆるしわ取り手術ですが、この出来上がり状態によっては、傷口などにストレスが掛かり、術後に耳たぶに変形が発生することがあります。 フェイスリフトの手術時に、耳たぶ部位の皮膚を切除しすぎたりすることで、耳たぶが顎方向に向かって引っ張られ、引き伸ばされてしまうのです。顔のしわ取りができる代わりに、不自然で違和感のある長く伸びた耳になってしまうのです。 フェイスリフト手術後に引き伸ばされた耳たぶの修正は、頬にまだたるみが残っている場合なら、再度フェイスリフトを行うことで修正します。この際、頬の靱帯や首の筋膜を耳周辺の軟骨や筋膜に固定し、耳たぶ変形が再発しないようにします。 手術は、局所麻酔下で行いますが、抜糸は手術後5日ほどでできます。 |
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巨大耳垂:耳たぶ縮小術 |
耳たぶが大きすぎる場合、耳たぶを小さくする目的で〔耳垂縮小術〕を行います。 局所麻酔あるいは静脈麻酔をして、耳たぶの裏側から中心あたりの部分を切開し、余剰組織を切除します。中縫いは極細吸収糸を用いて丁寧に縫合します。耳たぶの裏での手術ですので目立つことはありません。また、変形などある場合には、Z形成術を用いて修正もします。 通常、片方の耳の手術に要する時間は、20~30分程度です。 |
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微小耳垂:耳たぶ増大術 |
先天的に片方の耳たぶが小さく左右の耳にアンバランスがある人がいます。このような場合の小さすぎる耳たぶを大きくする手術が〔耳たぶ増大術〕です。 左右の耳たぶの大きさをバランスさせるために、小さい方の耳を大きくするのですが、〔ヒアルロン酸注入法〕〔脂肪注入法〕および〔シリコンプロテーゼ挿入術〕という三つの方法があります。 。左右のバランスが悪い状態ですので、大きいほうの耳に合わせるようにして腹部などの皮膚を移植します。治療時間は1時間です。
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耳たぶを厚くする |
薄すぎる耳たぶで悩む人もいます。この場合、〔微小耳たぶの増大術〕と同様な方法が適応可能でsぐあ、簡単にはヒアルロン酸を注入して厚みを持たせるようにします。 どれくらいの厚みにするかをよく相談して、耳垂の仕上がり形状やヒアルロン酸の注入量を決定して行います。 |
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分厚すぎる耳 |
分厚すぎる耳の整形は、基本的に〔巨大耳垂:耳たぶ縮小術〕と同様な方法で整形します。 局所麻酔あるいは静脈麻酔をして、耳たぶの裏側から中心あたりの部分を切開し、余剰組織を切除します。中縫いは極細吸収糸を用いて丁寧に縫合します。耳たぶの裏から手術するので目立つことはありません。 通常、片方の耳の手術に要する時間は、20~30分程度です。 |
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立ち耳形成術 |
〔立ち耳〕とは、上図で示す対耳輪の部位が元々浅く、顔に対して耳が極端に立っている状態をいいます。正面から耳全体がとても目だって見える状態です。通常、耳が頭に対して40度以上の角度で立ち上がっている状態を立ち耳と呼んでいます。 軟骨でできている対耳輪の形は胎児段階で形成され、誕生後はそれ以上に発達することはなく、立ち耳で生れた人の耳は、成人してもその状態のままとなり、自然に治ることはありません。 このような耳を欧米では「サタンの耳」と呼んで嫌われるために、立ち耳を修正する手術が盛んです。日本では、あまり偏見は聞かれませんが、本人にとっては一種のコンプレックスとなることがあります。また、極端な場合、その形状ゆえにメガネが掛け憎いなどの不具合が出ることもあります。 立ち耳の手術は概ね次のように行います。局所麻酔下での手術時間は片方の耳で30~60分ほどです。
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尖り耳 |
SFのスタートレックに登場するMr.スポックのように極端に尖がった耳が尖り耳です。基本的には、耳の尖った部分の裏側を切開し、尖った部分の耳軟骨を切除し、縫合して行います。 |
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柔道耳 |
柔道耳とは、柔道などの格闘技を練習するひとが過度な訓練のために耳を磨り潰したり、変形させ寝かせてしまった耳のことです。基本的に、耳の増大術や縮小術などと同様な方法で整形します。 耳の裏側から耳骨軟骨を1センチほど切開し切れ目を入れます。耳が普通くらいに立つ状態まで耳を動かし、切れ目を固定するように軟骨同士を縫います。そして皮膚も縫合して終了です。 手術の所要時間は60分ほどです。 |
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ピアス穴での裂け |
耳たぶにつける耳ピアスによるトラブルにはいくつかあります。最初にピアスするときのファーストピアス時の炎症の問題や、一度にたくさんのピアスをしていたために、ピアス孔が大きくなってしまったもの、あるいはピアスが引っかかって耳たぶの一部が裂けてしまったもの等です。
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耳前ろう孔切除術 |
〔耳前ろう孔〕とは、先天的に耳の前の皮下に小さな袋状の部分ができ、そこから小さな孔を通して分泌物が浸み出てくる状態をいいます。場合によっては、内部で化膿し炎症を起こすこともあります。 皮下にできている袋を完全に除去しますが、取り残しができないよう、皮下の袋の範囲を特殊な色素で染色して手術します。 |
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◆〔耳の美容術〕の主な効用・効能についてご説明します。 |
耳の美容術の効果・効用 |
耳の美容整形に限りませんが、自分自身の顔の一部にでも自分が気に入らない部分があったり、もっと美しくしたい部分があると、時にはコンプレックスをもち、劣等感に襲われてしまうかも知れません。 耳を整形して、今までと違った自分を発見できます。普通の耳をもった自分がそこにいて、ピアスがあなたの美しさを引き立ててくれています。 耳の美容術を行ったことで、自分に自信がもてるようになることが最大の効用となります。 |
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◆〔耳の美容術〕の副作用や注意点についてご説明します。 |
耳の美容術の副作用・注意点 |
副作用ではないですが、たとえば、普通の耳の持ち主が、わざわざエルフ耳(極端に尖った耳)に整形することもあります。 若気の至りでこのようなことをしてしまうと、将来、後悔することもあるので、整形により何か問題のある耳を普通の状態にすることは推奨されますが、あまり奇抜な整形は禁物です。 |