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〔AED:自動体外式除細動器〕


 過酷な環境で激しい運動などをしている人などが突然倒れこんでしまうことがあります。

 意識が無く、呼吸もしていない、脈もない状態です。

 こんな場合、周囲にいる人たちは、その人の気道を確保し、人工呼吸や心臓マッサージで心肺蘇生法を施すとともに、救急車を呼び出すことになります。




 突発的に人が倒れこみ、呼吸もしていない、脈もないような場合には、心臓は停止しているのではなく、「心室細動」と呼ばれる特殊な状態に陥っていることが多いです。

 心室細動は、何らかの原因で心臓の筋肉のいたるところがバランスを失い勝手に興奮し不規則に動いている状態です。

 このため、心臓本来の機能である、血液の送り出しができなくなり、細かく振動している状態になっています。

 通常、心室細動の状態が3分以上続くと、脳死状態となってしまい、それ以上の時間が経ってしまうと、もはや助かる可能性は極めて低くなります。
しかし、もし1分以内にこの心室細動状態から脱出できれば、約9割の人が社会復帰できるまでに回復するといわれています。3分以内であれば、7割の人が社会復帰可能です。

 救急車が到着するまでの時間は早くても6分ほどはかかりますので、心室細動状態で倒れた人に、心臓マッサージや人工呼吸で蘇生できなかったり、救急車到着まで何もしなかった場合には、助かる可能性はほとんどありません。

 最近、この心室細動を脱する装置AED(自動体外式除細動器)が開発され、多くの公共の場に設置されています。もしも、突然倒れこむ人がいたら、心室細動の可能性が高いので、近くのAEDですぐに処置を施せば生命が助かる可能性があります。