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心の病気

身体表現性障害とは


 〔身体表現性障害〕は、明らかな身体症状があるのですが、通常の医学的な検査では原因が分からないような症状を呈する精神的な病気で、社会生活などに支障をきたすものを言います。

 身体症状があるのに身体の器質的な疾患に由来するものではなく、心理的な要因が関係している病気だといえます。


 〔身体表現性障害〕に含まれる障害には、次のような種類があり、〔ヒステリー〕もその一種とされることがあります。

  ・〔心気症〕
  ・〔転換性障害〕
  ・〔身体化障害〕
  ・〔身体醜形障害〕
  ・〔疼痛性障害〕

 これらの〔身体表現性障害〕は、あちこちの病院で診断してもなかなかよく分からず、治療も進まないことが多く、患者自身は辛い思いをすることが多い疾患です。


身体表現性障害の病気の個別概要 ◆〔身体表現性障害〕の病気の個別概要についてご説明します。
身体化障害  〔身体化障害〕は、数年以上続く多彩な身体愁訴がある重度の慢性障害で、複数の身体症状が繰り返し発生しているにもかかわらず、身体的な異常が見つからない病気で、症状のうちのどれかは30歳以前に発症していることに特徴があります。

 〔身体化障害〕とは、原因となる身体異常がなく発症する症状には、次のような特徴的症状があることです。

身体化障害の特徴的症状
4つ以上の身体の疼痛症状  痛み:頭痛・腹痛・月経痛など

2つ以上の胃腸症状  嘔吐・鼓腸・下痢・便秘など

性的症状  性欲低下・インポテンツ・性交痛・月経不順など

偽神経学的症状  知覚および運動の種々の程度の麻痺、不随意運動、けいれん、喉の塊など、いわゆるヒステリー性神経症状


 これらの症状の全てが現時点で現れていなくても、数年の病歴の中でこのような症状が出ているならこの病気の可能性が高くなります。

 患者は、身体的原因が見つからないまま、このような症状を訴え続け、治療を求めるほか、社会的、職業的な機能障害を誘起してしまいます。

 患者が訴える症状が、何らかの詐欺行為などのための、いわゆる仮病(虚偽性障害・詐病)でないことの鑑別区別は重要です。患者が真に苦痛に耐えていることがこの病気と診断される条件のひとつです。

転換性障害  〔転換性障害〕は、かつては〔ヒステリー〕とか〔転換型ヒステリー〕と呼ばれていた精神疾患です。自分自身ではどうしようもないほど辛い、社会的、精神的な出来事に思い悩み、精神的に追い詰められることが引き金となって、身体に現れてくる〔身体表現性障害〕です。

 〔転換性障害〕では、解決不可能なストレスや葛藤、困難によって心が受けた苦痛が、無意識のうちに精神症状ではなく、身体症状に置き換えられた形で現れてくるのです。

 多くの場合、転換性障害は男性より女性に多いとされ、青年期から成人期初期に起こります。一生涯で1回だけ発症することもあれば、繰り返し何度でも起こることもあります。

 〔転換性障害〕の症状は、たいていは腕や脚が麻痺して動かなくなったり、声が出なくなったり、視覚、聴覚などの感覚が低下したり、身体の一部の感覚が鈍くなるなど、神経系の機能不全として現れます。また、偽発作を呈することもあります。症状は長くは続かず、2週間以内くらいでよくなります。

疼痛性障害  〔疼痛性障害〕は、内科的にも外科的にも異常はみられず、身体的に悪い箇所がないのに、身体の随所にズキズキという激しい痛みを感じる〔身体表現性障害〕のひとつです。

 その痛みや苦痛のために、社会的、職業的など日常生活に支障をおよぼします。

 〔疼痛性障害〕の痛みは、心理的要因が重要な役割を果たしているにもかかわらず、患者は、その痛みや苦痛は心理的な要因で起こっているとは思わず、身体的なものと信じています。

 痛みは〔気分障害〕や〔不安障害〕あるいは〔精神病性障害〕で説明されるものではなく〔性交疼痛障害〕でもありません。もちろん、その症状は、〔虚偽性障害〕や〔詐病〕のように意図的に捏造されたものではありません。

心気症  特別な病気に罹っているわけでもないのに、自分が何か重大な病気であり、死んでしまうのではないかと信じて疑わないような、不安を抱き続けるのが〔心気症〕という病気です。

 病院を訪れ、どんなに検査を受けても異常も病気も見つからない、医師がなんでもないといっても信じず、そんなはずはない、自分は重大な病気なんだという疑念をますます強めてしまいます。終いには次々と別の病院を受診しては検査してもらう「ドクターショッピング」をはじめてしまいます。

 普通の人なら風邪をひき頭痛がしたら、市販薬でも飲んで自宅で安静にしていれば治ると思うところを、心気症の人は、たとえば、これはただの風邪なんかではなく、H5N1型の鳥インフルエンザではないのかとか、頭の中に大きな脳動脈瘤ができていて、それが今にも破裂してしまうのではないかなどと考えてしまうのです。

 どんな人でも、体調が悪かったり、友人が重病になったりすると、自分も病気ではないかと不安に感じることがありますが、心気症の患者では、そのような不安や恐怖感が6か月以上も消えることなく続きます。当然、日常生活にもいろいろな支障をきたします。

身体醜形障害  〔身体醜形障害(しんたいしゅうけいしょうがい)〕は、自分の外見が醜いとか欠点があるなどと外見に極度にこだわる〔精神疾患障害〕で、「醜形恐怖」とか「醜貌恐怖」とも呼ばれる精神障害です。

 実際には自分の外見に特別な欠点などなく、あったとしても些細なものであるにもかかわらず、自分の外見が醜いと深刻に思い込み、悩み続ける結果、うつ病を併発する場合もあります。この障害は青年期に発症することが多く、発症率に男女差はみられません。

 〔身体醜形障害〕の症状は、顔に関するものが多く、顔にできるニキビやシミ、シワ、傷跡、肌の色、アザなどです。また、顔の形、目、鼻、耳、口、胸、尻などの身体のいろいろな部位の形や大きさで悩む人も多くいます。

 男性なら髪の毛が薄くなることや背が低いことなども障害の原因となります。〔身体醜形障害〕の症状は、徐々に現われることもあれば、突然発症することもありますが、本人が意識する症状の深刻さには大きな個人差があります。

 〔身体醜形障害〕の人は、自分の思い込みから逸脱することができず、自分の外見について悩み続け、頻繁に鏡をみたり、逆にまったく見なかったりします。外出時には帽子をかぶって毛髪の薄さを隠したり、深い帽子をかぶって顔の一部を隠そうとします。外出を避け、社会から孤立するようにもなり、最悪時には自殺を考えることもあります。

 〔身体醜形障害〕の有効な治療法はなかなかないのですが、近年では、さまざまな「整形手術」などが進歩したこともあって、わずかな金額で気になる身体の部位を整形することも可能となり、その恩恵に浴している沢山の人たちがいます。