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〔パーソナリティ障害とは〕

 幼児期や青年期から、著しい性格的な偏りが長期間続いていて、その性格のために社会生活に支障をきたし、本人も悩み、社会的にも問題を起こすのが〔パーソナリティ障害(人格障害)〕です。

 人格は遺伝気質的なものと後天的なものとがあり、人格障害の原因ははっきりはしていません。


 人格障害には、大きな分類として「クラスターA」「クラスターB」および「クラスターC」があり、それぞれの中に数個の障害があるので、全体としては10種類の人格障害があります。

 ここで言うクラスターというのは「ひとかたまり」というような意味で、似た性格の障害名を集めたものです。


人格障害の大分類
A型人格障害  風変わりで奇異、妄想を抱き易く、自閉的な性質の人格障害。

 ・妄想性人格障害
 ・統合失調質人格障害
 ・統合失調型人格障害

B型人格障害  感情的で混乱の激しい人格障害。演劇的・情緒的・移り気。ストレスに弱く他人を巻き込む。

 ・反社会性人格障害
 ・境界性人格障害
 ・演技性人格障害
 ・自己愛性人格障害

C型人格障害  不安や恐怖感が非常に強い人格障害。周囲の評価・視線に非常に敏感でそれがストレスとなる。

 ・回避性人格障害
 ・依存性人格障害
 ・強迫性人格障害


人格障害の病気の個別概要 ◆〔人格障害〕の病気の個別概要をご説明します。
パーソナリティ障害
(人格障害)
 パーソナリティ障害(人格障害)には三つのクラスターA、B、Cがあり、それぞれのクラスター内に数個の種類があるので、全体では10種類の人格障害に分けられています。各人格障害の特徴は次の通りです。

人格障害のクラスター分類
クラスターA  遺伝的に分裂病気質を持っていることが多く、自閉的で妄想を持ちやすく、奇妙で風変わりな傾向があり、対人関係がうまくいかないことがあります。ストレスが重大に関係することは少ないですが、対人関係のストレスには影響を受けます。

 このグループに含まれるのは〔妄想性人格障害〕〔分裂病質人格障害〕〔分裂病型人格障害〕の3つです。

クラスターB  感情的な混乱の激しい人格障害です。演劇的で、情緒的で、うつり気に見えることが多いです。ストレスにかなり弱い傾向があります。

 このグループに含まれるのは〔反社会性人格障害〕〔境界性人格障害〕〔演技性人格障害〕〔自己愛性人格障害〕の4つです。

クラスターC  不安や恐怖感が非常に強い人格障害です。まわりに対する評価や視線などが非常にストレスになる傾向があります。

 このグループに含まれるのは〔回避性人格障害〕〔依存性人格障害〕〔強迫性人格障害〕の3つです。


妄想性人格障害  妄想性人格障害はパーソナリティ障害のクラスターAに分類されるパーソナリティ障害のひとつです。

 妄想性人格障害は「過剰な感受性」と「過剰な猜疑心」に特徴があり、精神科医により「パラノイア(偏執病)」と診断される人格障害です。

 猜疑心が強く、嫉妬深いタイプです。人をすぐにねたんだり、疑ったり、些細なことで怒りを爆発させることがあるので、なかなか一般社会に溶け込むことができません。

 この障害の症状としては、相手が示す普通の行動に対しても極めて過剰な反応を示し、物事を歪曲して受け止めようとします。相手の友好的な行動に対しても、しばしば敵対的、あるいは軽蔑的なものと受け止め、拒絶・憤慨・不信などを強く発します。妄想性人格障害では、しばしば、頑固で理屈っぽく、論争好きで過剰な自信が強く現れます。

妄想性人格障害の特徴
警戒心  周囲の人は、自分を騙し、出し抜き、陥れようとしていると常に警戒し続けています。他人から親切にされても、それに疑いを持って受け止めます。

 また、束縛されることを恐れるために、どのような集団に属することも嫌います。他人から見ると、ユーモアが理解できない気難しくて尊大な人間だと思われます。

猜疑心  ちょっとしたことで、極めて異常な猜疑心を抱き、相手が自分を利用しようとしていると疑います。病的な嫉妬深さで他人を疑い、いったん信じ込むと、その証拠を探し続けます。

頑固  常に非友好的な態度で人と接し、頑固ですぐに口論しやすいタイプです。他人の欠点や弱みには強く攻め込みます。自分の欠点などを指摘されると、強烈に腹を立て反撃します。

 自分の権利は絶対的なものと強く意識し、その権利が侵されようものなら異常な恨みを抱きつづけます。警戒心が強すぎるために、新しい物事や事態に対しては、非常に警戒し簡単には受け入れようとしません。

自負心  自分ではどんなこともやり遂げられる非凡な才能があり、すばらしい業績を残せる能力があるという強い自負心を持っています。

 この才能をうまく発揮できていないのは、他人が邪魔するからだと妄想的な確信を抱きます。何かまずいことがあれば、「裏切られた」「だまされた」と言い張ります。


統合失調質人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、統合失調質人格障害はクラスターAに属しています。

 統合失調質人格障害は〔シゾイド型人格障害〕とも呼ばれる人格障害で、社会的関係への関心のなさ、孤独を選ぶ傾向、そして感情的な平板さを特徴とする人格障害です。かなり以前には〔分裂病質人格障害〕と呼ばれていました。

 この統合失調質人格障害は、かなり稀な人格障害であり、一般人の罹患率は1%未満だとされています。

 統合失調質人格障害は次の診断基準の中の少なくとも3つの症状があるかどうかで診断されます。

統合失調質人格障害の診断基準
情緒 情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情。
感情 積極的なものであれ消極的なものであれ、感情というものを他人に伝える能力が限定されている。
孤独 一貫して孤立した行動を好む。
友人 親しい友人や恋人が(もしいたとしても)ほとんどおらず、そういった関係を望まない。
賞賛や批判 賞賛にも批判に対しても無関心。
活動 喜びを感じられる活動が、もしあったとしても、少ししかない。
社会性 社会規範や慣習への無関心。
思考 空想や内省への没入。
性への欲望 他人と性的関係を持つことへの欲望の欠如。

統合失調型人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、統合失調型人格障害はクラスターAに属しています。

 統合失調型人格障害とは、風変わりで自閉的で妄想を持ちやすく奇異で閉じこもりがちな性質を持つとされます。

 統合失調型人格障害があると、円滑な対人関係を築くことができず、協調性をもった行動ができません。支離滅裂な言動が目立ち、関係念慮と呼ばれる傾向が見受けられます。

 超能力などへの関心、不適切な思考の出没などの病的障害が認められますが、幻覚や幻聴などの徴候はありません。

 統合失調型人格障害の特徴的症状は次のようなものです。

統合失調型人格障害の特徴的症状
奇妙な言動 話の内容が曖昧、抽象的、突飛で奇妙な言動、服装。
関係念虜 他人が話していると、自分の事を話している、馬鹿にしていると思い込む。
超常体験 迷信深さ、霊感、千里眼、テレパシー、第六感、超能力を信じる。
猜疑心 疑い深く、人を信用しない。
孤立 一親等の親族以外には、親しい友人または信頼できる人がいない。
妄想不安 社会に対して過剰で妄想的な不安感を示し、慣れても軽減できず、妄想的恐怖を伴う。

反社会性人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、反社会性人格障害はクラスターBに属しています。

 反社会性人格障害は、以前には〔社会病質人格〕とか〔サイコパス〕とも呼ばれていた人格障害で、女性よりも男性に多く見られます。

 反社会性人格障害は、他人の権利や感情を無神経に軽視する精神障害で、他人に対して常に不誠実であり欺瞞に満ちた言動をします。人を騙したりする能力には優れ、自分が欲しいものを手に入れるためや、自分の楽しみのためなら、無謀で残虐な行為を平気で行います。

 反社会性人格障害の人は、アルコール依存症、薬物依存、性的逸脱行動、犯罪などの傾向が強く、大きな反社会性の問題を起こしやすいです。自分自身ではこの病気を治したいという意欲がないため、治療は極めて困難です。また、このような患者は一般に短命の傾向があります。

境界性人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、境界性人格障害はクラスターBに属しています。

 境界性人格障害は、最近では〔境界性パーソナリティ障害〕と呼ばれる人格障害で、〔情緒不安定性人格障害〕〔ボーダーライン〕とも呼ばれる精神疾患です。

 境界性人格障害は、主に思春期から成人期に発症する人格障害で、患者数は人口の1~2%ほどだとされています。

 境界性人格障害は、次の診断基準の中の少なくとも5つの症状があるかどうかで診断されます。

 ・見捨てられ不安
 ・理想化とこき下ろしに特徴づけられる不安定な対人関係
 ・同一性の障害
 ・衝動性
 ・自殺企図
 ・感情不安定
 ・慢性的な空虚感
 ・怒りの制御の困難
 ・一過性の妄想様観念・解離

演技性人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、演技性人格障害はクラスターBに属しています。

 演技性人格障害は、通常の日常生活の中において、あたかも役者が演技をしているような目立つ行動をします。自分の行う行動が注目されないとしたらそれは大きな衝撃・ストレスとなるため、そうなることを恐れて、特別に目立つ行動、時には自己破壊的だったり、挑発的な性行動をとるような派手な行動を演じてみせる精神疾患です。

 演技性人格障害の患者の90%は女性で、自分自身が他人から美化され、注目されることを願望するが、他人に対しては無関心であり、他人を尊敬することもできません。

 通常の人間なら、本物の自分の他に、職業人として自分、家庭の一員として自分、友達としての自分、あるいは一度だけ会う人としての自分などという風に一種の演技をし、人が他者と接するときに用いる表層的な人格「ペルソナ」として自分の立場を使い分けます。

 しかし、演技性人格障害の患者では、このようなペルソナの使い分けができず、ある特定のペルソナにこだわり過ぎることによって、社会生活に多くの支障をきたすようになるのです。

 演技性人格障害と類似の精神疾患に〔病的虚言症(プソイドロギア・ファンタスティカ)〕という疾患があり、自分を実際以上の大物と思わせるために、あらゆる妄想虚言を唱えることがあります。有名人と知り合いだなどとネームドロッピングして法螺を吹き、詐欺などの犯罪を犯したりします。

自己愛性人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、自己愛性人格障害はクラスターBに属しています。

 自己愛性人格障害は〔ナルシスト〕とも呼ばれています。ありのままの自分を愛すことができず、自分は優越的で素晴らしく、特別で偉大な存在でなければならないと思い込む人格障害です。

 いつでも自分は特別なものだと感じているので、対人関係にさまざまな問題が生じ、自分が他人から非難されることなどとても耐えることが出来ません。

 自己愛性人格障害には二つのタイプがあって、ひとつは「無自覚タイプ」で、母親の過剰な愛情により育てられたために、自分は特別な人間なのだという意識が強く、厚顔無比で我まま放題な振る舞いをします。

 もうひとつは、まったく逆に「過剰警戒タイプ」で、母親の愛情を受けたこともなく、褒められたこともないために、本当の自分はもっとすごいんだという密かな想像をして、傷ついた自尊心を取り戻そうとします。傷つきやすく、過敏性が強いタイプです。

 どちらのタイプの自己愛性人格障害も、「自分は特別なんだ」と思っている点で共通しています。その原因の多くは、父親の不在と母親の過剰な愛情です。

 自己愛性人格障害は次の診断基準の中の少なくとも5つの症状があるかどうかで診断されます。

 ・自分は特別重要な人間だと思っている。
 ・限りない成功、権力、才能、美しさにとらわれていて何でもできる気になっている。
 ・自分が特別であり、独特であり、一部の地位の高い人たちにしか理解されないものだと信じている。
 ・過剰な賞賛を要求する。
 ・特権意識を持っている。自分は当然優遇されるものだと信じている。
 ・自分の目的を達成するために相手を不当に利用する。
 ・他人の気持ちや欲求を理解しようとせず、気づこうともしない。
 ・他人に嫉妬をする。逆に他人が自分をねたんでいると思い込んでいる。
 ・尊大で傲慢な態度、行動をとる。

回避性人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、回避性人格障害はクラスターCに属しています。

 回避性人格障害は、不安や恐怖感が極度に強い人格障害で〔不安人格障害〕とも呼ばれます。他人から拒絶されたり、批判を受けたり、恥をかかされることを強く恐れます。そのような危険があるなら、他人とのかかわりを避けようとします。

 本人は、このような危険を恐れるあまり、社会的活動や交流を抑制・回避し、自分に対する否定的な評価に過敏となります。自分は社会的に不適格な存在で魅力もないと思い込み、笑われたり、恥をかかされたり、嫌われたり、排除されることを恐れるのです。

 失敗することを恐れるあまり、新たなことに挑戦することなどできず、仕事でも友達との付き合いでも、責任の重いことは避け、失敗しても目立たないことばかりを選びます。「自分なんかふさわしくない」という感覚を持ち、たとえ機会があっても、管理職になるより平社員の方を選びます。自分が人から受け入れられるかどうかという点に過敏なのです。

 最近、よく見聞きする「不登校」や「出社拒否」などの人の多くが回避性人格障害をもっているとされています。

依存性人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、依存性人格障害はクラスターCに属しています。

 依存性人格障害は、他者への心理的依存がある人格障害です。いわゆる「甘えが強い性格」で、重要なことでも自分で決めることが出来ず他人の判断にゆだねます。

 仕事や日常生活の場面では、どんなことにも非常に受身的で、人並みはずれて従順であり、自分自身の欲求があっても他人の欲求に合わせてしまいます。自分から率先して何かをすることなどできず、いつも周囲から励まされたり、世話をしてくれる人がいなければ何もすることができません。

 自分自身が判断をしなくてはならないような独立する事態を避けるために、どのようなことでも服従的に従います。そのようにしてでも自分をかまって欲しいと過剰な欲求を抱くのです。

 依存性人格障害は、比較的末っ子に多く、特に女性に多く見られます。母親が過度に干渉的で、子供が自立して何かをやろうとすると、危険だからと叱りつけ、従順だと溺愛することでこのような人格が出来上がるともいわれます。

 DSM(精神障害の診断と統計の手引き)では、依存性人格障害を「過剰に面倒をみてもらいたい(構ってもらいたい)欲求があり、まとわり付く行動を取り、分離することを恐れる」と定義しています。

 依存性人格障害は次の診断基準のような症状があるかどうかで診断されます。

 ・他者からの過剰のアドバイスがなければ、物事を決定できない。
 ・責任を負うために、他者を必要とする。
 ・他者の賛同を失うことを恐れ、反対意見を述べることができない。(この恐怖は、現実的な評価を超えたものである)
 ・自ら物事を開始することができない。(これは自信の無さに起因する)
 ・他人の保護を得るために、不愉快なことまでを行う。
 ・自らを保護することができないという肥大化した恐怖により、精神不安または無力感を覚える。
 ・他者との密接な関係が終わると、過剰に不安になり、保護を得られる新しい者を探しだす。
 ・保護してもらえなくなるという非現実的な恐怖に囚われている。

強迫性人格障害  パーソナリティ障害には、クラスターA、B、Cという分類があり、強迫性人格障害はクラスターCに属しています。

 強迫性人格障害は、完全主義・完璧主義・潔癖主義であり、細かいことに極度にこだわり、完璧を求めるあまり、柔軟性や融通性がまったくなく、堅苦しく効率性がない人格障害です。

 強迫性人格障害者の性格は几帳面でありきちんとしていて、信頼もでき、頼りになるという面を持ちますが、一方で柔軟性に欠け、開放性や効率性に欠けるために、周囲の変化に対応することができません。

 まじめで、責任感も強く、いい仕事もしますが、不完全さや誤りに我慢や納得ができず、仕事を最後まで完成できないことがしばしば起こります。

 問題点をあらゆる角度から比較検討し、解決しようとするので、立派な業績をあげることも珍しくありませんが、将来起こるかも知れない責任にともなう不安感に悩まされ、素直に喜ぶことができません。また、慎重な検討をするあまり、選択肢が多くなり過ぎて決断を下すことができないこともあります。

 強迫性人格障害は次の診断基準の中の少なくとも4つの症状があるかどうかで診断されます。

 ・何がなんだか分からないくらいに小さなこと、規則、構成、予定表などにこだわる。
 ・必要以上に完璧主義にこだわりすぎて、達成できないことがある。
 ・娯楽や友人関係を犠牲にしてまで仕事にのめり込む。
 ・ひとつの道徳、倫理、価値観にとらわれすぎて、融通が利かない。
 ・特に思い出があるわけでもないのに使い古したモノや価値のないものを捨てることができない。
 ・他人が自分のやり方に従わない限り、仕事を任せることができない。
 ・自分のためにも他人のためにもお金に対してケチである。お金は将来の何時かに備えて蓄えておかなければならない。
 ・頑固である。


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