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心の病気
 

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〔衝動制御障害とは〕

 〔衝動制御障害〕は、精神疾患のひとつで、次のような種類があります。

 ・〔間歇性爆発性障害〕
 ・〔窃盗症〕
 ・〔病的賭博〕
 ・〔放火症〕
 ・〔抜毛症〕


 この障害の原因となる衝動は、些細な目先の利益を追求することであり、本質的には何の利益にもならない無益な行動を繰り返し行うことにあります。

 よくある〔衝動制御障害〕には、次のように呼ばれるものもあります。

 ・〔窃盗癖〕または〔クレプトマニア〕
 ・〔万引き〕
 ・〔放火魔〕
 ・〔ギャンブル浸かり〕
 ・〔病的セックス〕
 ・〔異常な買い物あさり〕

 最近では、インターネットに浸かりきりやネットゲームに没頭するなどというのもこれに属するのではないかという議論も出ています。


衝動制御障害にはこんな病気があります ◆〔衝動制御障害〕には、こんな病気があります。
衝動制御障害  既に述べたように、〔衝動制御障害〕は、精神疾患のひとつで、〔間歇性爆発性障害〕〔窃盗症〕〔病的賭博〕〔放火症〕〔抜毛症〕などがあります。

 この障害の原因となる衝動は、些細な目先の利益を追求することであり、本質的には何の利益にもならない無益な行動をすることにあります。

 よくある〔衝動制御障害〕には、〔窃盗癖(クレプトマニア)〕や〔万引き〕〔放火魔〕〔ギャンブル浸かり〕〔病的セックス〕〔異常な買い物あさり〕などがあり、多くの場合、家族ばかりか、社会的に大きな問題を起こすことがあります。

 最近では、インターネットに浸かりきり、ネットゲームに浸りきりなどというのもこれに属するのではないかという議論が出ています。

間欠性爆発性障害  〔間欠性爆発障害〕という精神疾患は、衝動制御障害のひとつで〔IED〕とも呼ばれます。この障害は、ちょっとした事態に突然激怒しその怒りをこらえきれずに、他人やその人の所有物などを攻撃する「怒りの制御不能」を示す障害です。

 〔間欠性爆発障害〕の人は、突発的に怒り出し人や物に当りますが、その怒りが長時間続くことは稀で、多くの場合には10~20分間くらいで鎮まり、何事もなかったかのように振舞います。

 重要なことは、他人を身体的に傷つけたり、他人の財産に損害を与えてしまうことが多いのですが、それは怒りの原因となった物事に比して、怒りの代償としては極めて高いものとなることです。

 ごく普通に見える会社の上司や紳士が、このような症状を呈することがあり、周囲の人が戸惑う場面に遭遇することも珍しくありません。

 あなたがもし、車の運転中に前を走っている車がゆっくり走行し過ぎると思って、クラクションを長めに鳴らしたり、何度も鳴らして威嚇するなら、あなたは間欠性爆発障害を患っている可能性が高くなります。

窃盗癖  〔窃盗癖〕は衝動制御障害のひとつで〔盗癖〕〔病的窃盗癖〕〔万引き癖〕などとも呼ばれる精神障害です。通常、万引きをすることに依存してしまい、止めたくても止められない状態に本人も苦しみを感じています。

 〔窃盗癖〕の人が万引きをする理由は、多くの場合、経済的な利得を得るという目的のためではなく、窃盗すること自体の衝動により、犯行を繰り返すのです。衝動による窃盗行為を実行する時の緊張感を味わい、成功した時の満足感と開放感を味わうことが目的なのです。

 万引きを行う人は、経済的に何も不自由はないのにスリルを楽しむために犯行を繰り返すので、通常、万引きの対象となる物品はそれほど高価なものではありません。盗品はそれを使うこともなく隠したり、廃棄したり、他人にくれてやったりします。そのまま、元の現場に戻すことさえあります。

 窃盗や万引きを続けていると、やがて世間に知られることとなり、法律的問題ばかりでなく、信用の失墜、対人関係の悪化、家庭崩壊、失業などの重大な問題に発展し、身を滅ぼすことになりかねません。

 しかし、窃盗を行う真の原因が純粋に〔窃盗症〕という「病気」であると認定されるときには、責任能力がないものとされ、刑事的責任を問われることはありません。病気を治すために精神病院での治療が必要となります。

放火癖  〔放火癖〕は、衝動制御障害(衝動調整障害)のひとつで、〔放火狂〕〔放火魔〕などとも呼ばれます。多くの人は、キャンプ場でのキャンプファイアーや焚き火、どんど焼き、家庭内での囲炉裏や暖炉に点火し燃え盛る火を見ることを楽します。このように火を点けたり、火を見ることが好きな人は、火によって癒されるのです。普通に火を楽しむ人たちは放火癖などではありません。

 本来、火を点けてはいけないものや、火を扱ってはいけない場所で火を点けることが放火癖の問題行動ですが、放火癖と呼ぶにはいくつかの条件があります。放火魔は、放火後に対象物の燃え上がる様を眺めたり、消火活動に取り組む人たちや集まってくる野次馬たちの反応に強い関心や興味を抱くのです。

 〔放火魔〕は、ストレス回避のために放火するのではなく、放火を楽しみのために行います。放火後の周囲の反応を楽しみます。放火癖の特徴は次のようなものとされています。

放火癖の特徴
放火の目的 利益や復讐などのためでなく喜びのためにする。
放火前の興奮 放火前に極度の興奮と喜びを感じる。
火への強迫観念 常に火を考え、火のことが頭から離れない。
放火の満足感・喜び 放火の行為自体に喜びや満足を感じる。
放火後の反応に関心・興味 放火後の火の様、消化活動、野次馬に興味を示す。

病的賭博  〔病的賭博〕は〔ギャンブル依存症〕〔強迫的ギャンブル癖〕〔問題賭博〕などとも呼ばれる衝動制御障害のひとつです。病的賭博は、社交的賭博や職業的賭博とは区別されます。病的賭博を衝動制御障害というより、依存あるいは嗜癖性疾患とみなすべきとの意見もあります。

 一般に、病的賭博の本質的な部分は、賭博を持続的反復的に繰り返し極度の貧困になること、家族関係や個人的生活のほとんどを破壊し、不利な社会的結果を招くにもかかわらず賭博を継続、増強してしまう点です。ギャンブルをする本人はもちろん、取り巻く周囲の人々に極めて有害で深刻な影響や結果をもたらします。

 おぼっちゃん育ちをしたような大企業の社長などが、海外のギャンブルに浸り、数十億円を失ったというような新聞記事が頻繁に見られます。彼らは、まさしく、この病気の患者なのです。

 日本では、このような病的賭博に陥っている人のことを「病的賭博者」「ギャンブル依存症患者」「パチンコ依存症患者」などと呼んでいます。そして、成人人口の1~3%は病的賭博者といわれています。

抜毛癖  〔抜毛癖〕は、衝動制御障害のひとつで〔抜毛症〕〔抜毛癖禿頭病〕ともよばれる精神疾患です。正常な頭髪を引き抜いてしまうために頭部に脱毛班が出現します。見た目には円形脱毛症と同じような現象を呈します。

 〔抜毛癖〕は、本質的には毛を抜くという快楽を得るためや、自分自身の行いや考えを罰する目的などで脱毛を繰り返します。手で頭の毛を抜き去るので、利き腕側の頭部前方部に脱毛部が偏り直線状の脱毛班をつくるのが普通です。抜いた毛を食べてしまう人もいますが、抜いたから食べるのか、食べるために抜くのか二つの型があります。抜毛癖の特徴は次のようなものとされています。

抜毛癖の衝動や原因
緊張 体毛を抜く前の緊張感・興奮を楽しむ。
満足 抜いた後の満足感、快感を楽しむ。
現象 頭部前方に脱毛症が現われる。
生活 脱毛のために友人などとの遭遇を避けるようになる。
原因 通常の身体疾患があるわけではない。