風邪などの症状で扁桃腺肥大が起こり、発熱とリンパ節の腫れや痛みだけでなく、炎症が扁桃腺の奥にある部位まで及ぶと扁桃腺周囲炎になり激しく痛みます。扁桃腺周囲炎が更に進んで膿が溜まるようになると、扁桃腺周囲膿瘍と呼ばれる状態になり、症状は更に酷くなります。このような急性扁桃腺炎では、手術が必要です。
また、慢性的に扁桃腺肥大が起こり痛みを繰り返すようだと、腎臓に過度な負担が掛かり、関節リウマチなどを誘起する危険性もあるので、手術により扁桃腺を切除するのが得策です。
一般に、扁桃腺肥大による被害が手術に伴う合併症より強い場合に手術療法を決断することになりますが、扁桃腺の切除術を行うかどうかの判断は次のように行われます。
慢性的に扁桃腺肥大があるとき |
慢性的な扁桃腺肥大があり、頻繁に扁桃腺が腫れあがり発熱がでる場合は、手術により扁桃腺を切除するのが得策です。
また、扁桃腺にいつも細菌などの病原体が巣くっていて、発熱する度に血尿がみられ、腎臓に過度な負担が掛かっていると考えられる場合には、扁桃腺切除は欠かせません。
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急性症状が激しいとき |
急性扁桃腺肥大が起こり、呼吸困難などの症状がでる場合には、手術による扁桃腺の切除が必要です。
また、慢性的な扁桃腺肥大のために、睡眠時無呼吸症候群がある場合には、手術により扁桃腺を切除すれば、症状は軽快します。
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薬物療法で効果が不十分なとき |
抗生物質などの投与にもかかわらず扁桃腺の炎症が治まらない場合にも手術での治療は考慮されるべきもとのなります。
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通常、扁桃腺切除の手術は、全身麻酔下で行われ 1時間程度で終わりますが、手術後の回復を確かなものにするために、一週間ほどの入院加療が必要です。
尚、手術は炎症が激しい最中に行うのは好ましくないため、薬物療法などである程度症状が治まった段階、あるいはまったく炎症のない時点で行います。
具体的な手術方法は、全身麻酔をかけた状態で、口内から扁桃腺周りの皮膚を剥がして扁桃腺をそっくりくり抜き出し取り去ります。
手術後は、切除した部分が2~3日はかなり痛む他、かさぶたができて食事がちょっと辛くなるかも知れません。しかし、手術後2週間もすれば痛みなどは軽快し通常の状態に戻ります。
手術すると、いびきをかかなくなり、睡眠時無呼吸症候群の心配もなくなります。
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