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体の病気

 

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〔身体の病気〕

◇呼吸器の病気◇


 呼吸器の病気を分類するととても沢山の病名があります。日本呼吸器学会による呼吸器の病気の大分類を示すと、呼吸器の病気は九分野に分けられています。

・感染性呼吸器疾患 ・気道閉塞性疾患
・アレルギー性肺疾患 ・間質性肺疾患
・腫瘍性肺疾患 ・肺血管性病変
・胸膜疾患 ・呼吸不全
・その他


 専門用語的には、たとえば感染性呼吸器疾患とか、気道閉塞性疾患、あるいはアレルギー性肺疾患などと言いますが、一般人にはそれほど馴染みがありません。

 そこで、当サイトの呼吸器の病気のコーナーでは、当サイト独自の分類として、呼吸器の病気を下記の表に示すように分類してみました。

 重要な疾患については専用ページを作成して詳細を説明しています。特に肺炎については非常に種類が多いので詳しいページを掲載しています。


 これらの病気の中で主な病名と特徴などを知っておくことは大切です。呼吸器の病気は子供、幼児から大人までさまざまなものがあります。

 多くの呼吸器の病気には、咳や痰がでるなどの他、ゼイゼイ、ヒューヒューという喘鳴や胸の痛みなどの共通的な症状があります。

 簡単な風邪症候群であれば市販の風邪薬でも大丈夫かも知れませんし、単なる風邪ひきで済まされるものもありますが、油断すると大変危険な病気もあります。

〔呼吸器の病気〕コーナーでの大分類
 かぜ症候群  インフルエンザ
 肺炎(多数の肺炎あり)  肺結核
 肺気腫  肺水腫
 気管支喘息症  気管支拡張症
 急性気管支炎  慢性気管支炎
 びまん性汎細気管支炎  慢性閉塞性肺疾患
 気胸  膿胸
 胸膜炎  呼吸不全
 肺性心  原発性肺高血圧症
 過換気症候群  その他の肺疾患

 発作的な咳がいつまでも続いたり、黄色い痰がで続けたりなどの呼吸器の異常が長引くようなときには、精密な診断と治療を必要とする病気もあります。呼吸器の病気の精密な診断には、症状の診断の他に、レントゲン検査やCT検査、呼吸機能検査、痰や血液検査などが行われます。

 尚、本ページでは、最初に当サイトでの分類方法に従っての呼吸器の病気の概要を述べ、続いて参考用として、日本呼吸器学会による呼吸器の病気の大分類を紹介しています。


こんな病気があります ◆当サイトでの〔呼吸器の病気〕の分類です。
風邪症候群

 上気道の粘膜である、鼻腔、口腔、咽頭、喉頭にウイルスが感染し、急性な炎症を起こしている状態を風邪症候群と呼びます。

 咳、頭痛、発熱、のどの痛み、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、全身の倦怠などの症状が出ます。また、ときとして腹痛や吐き気、下痢などを伴います。

 通常、風邪自体は数日で自然治癒しますが、他の病気の引き金になることもあるので注意は必要です。

インフルエンザ

 いわゆるインフルエンザウイルスに感染してなる病気で、通常の風邪症候群に比べて、強い症状が急激に現れます。

 最初は寒気から始まり、高熱を出し、頭痛、咳、くしゃみ、鼻水、のどの痛みなどが出る他、筋肉痛、関節痛、腹痛、下痢などの症状も現れます。通常は、3~4日で症状がおさまり始めます。

 インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型などがあり、適合すればワクチンが有効ですが、ワクチンが適合しなければ効果がありません。

 最近、特効薬としてタミフルが使用されますが、奇行を引き起こす事件や事故が多発しており、使用に当たっては慎重さも必要です。

肺炎

 肺炎は、肺の中で酸素と二酸化炭素を交換する働きをする「肺胞」と呼ばれる部位に発症する炎症をいいます。肺炎には非常に多くの種類があり、主な原因は細菌やウイルスの感染によります。

 肺炎の分類法には、「感染した原因」による分類法や、肺のどの部位に炎症があるかという「発症部位」による分類、どこで感染したかという「羅感場所による分類」および、普通の抗菌薬が効くかどうかという「定型・非定型分類」とがあります。

肺結核

 肺結核は、結核菌が気管支の先端にある肺胞に到達し繁殖することで発病します。

 初期の症状は、微熱、咳、痰や血痰、発汗、呼吸困難、食欲不振、体重減少などです。結核感染者が咳をすると、付近にいる人に感染します。

肺気腫

 肺の中でガス交換の作用を行う肺胞組織が喫煙などの原因で破壊されたために起こる病気です。

 初期段階では運動をすると息切れしたりします。病状が進行してくると、階段を昇るだけでも苦しくなったり、服の着替えもできなくなるなどの症状が出ます。原因は長期にわたる喫煙癖や大気汚染などです。

肺水腫

 肺には無数の毛細血管が張り巡らされていて、その毛細血管に開いた小さな穴から、肺の機能を維持するための酸素や栄養分を補給したり、老廃物を回収しています。通常は染み出し量と戻り量がバランスしています。

 しかし、何らかの原因でバランスが崩れ、染み出し量が過剰になると、肺の実質である気管支や肺胞に水分が溜まり、呼吸が障害され、呼吸不全状態に陥り、これを肺水腫と呼びます。

気管支喘息症

 気管支喘息は、気道に慢性的炎症がおこり、空気の流れを妨げ呼吸困難を招く病気です。発作的な咳のほか、ぜいぜいという呼吸音を伴います。

 ちょっとした刺激で、苦しい発作が繰り返されるのが特徴で、呼吸困難から一命を落とすことがしばしばあります。気管支喘息の重症度はステップ1(軽症間欠型)からステップ4(重症持続型)に段階分けされています。

気管支拡張症

 気管支拡張症は、気管支壁や気管支周囲組織が繊維化し、気管支が非可逆的に拡張をきたす疾患です。

 気管支の拡張により気管支の浄化作用が低下し、細菌などが増殖しやすくなり気管支炎や肺炎に進行する危険性が高まります。

 湿った咳とともに黄色~緑色の痰が出るのが特徴です。発熱し、血痰や喀血が出現することもあり、ひどくなると呼吸不全になります。

急性気管支炎

 気管支は線毛の生えた上皮と粘液を分泌する杯細胞とに覆われた空気の流れ道です。

 呼吸のために、外界からの空気がここを通過するとき、異物である塵や微生物などが捕獲され、咳や痰となって口から排出されます。

 気管支粘膜に主にウイルスなどの微生物が感染し急性の炎症を起こし、咳や痰の症状が強くなったものを急性気管支炎といいます。

慢性気管支炎

 慢性気管支炎は、痰を伴う咳が2年以上にわたって出ている状態の病気です。これは、急性気管支炎が慢性化した病気とは全く別の病気です。

 また、気管支喘息とは異なり、発作的な症状はありません。原因には、加齢、性別、アレルギー体質、喫煙、大気汚染、粉塵の多い職場環境などが影響しています。

びまん性汎細気管支炎

 びまん性汎細気管支炎は、細気管支に原因不明の炎症が起こる呼吸器疾患です。咳や痰が出て、息切れしやすい状態が慢性的に続き、膿性の鼻汁など副鼻腔炎の症状をも伴います。

 肺全体に広範に起こることから「びまん性(瀰漫性)」、気管支の腔内や壁内、壁周囲に炎症がおよぶことから「汎」の言葉が付いています。

慢性閉塞性肺疾患

 慢性閉塞性肺疾患は、喫煙を最も重要な原因として、様々な有毒ガスや粉塵、微粒子を吸入することで、肺の最も重要な組織である肺胞を破壊したり、気道炎症を起こしたりする疾患です。

 進行は緩やかでも着実に不可逆的に症状が進行し、容易に息切れする症状が出るほか、多くの場合、咳嗽や喀痰も伴います。

気胸

 気胸は、肺を包んでいる肋膜(胸膜)に穴が明き、激しい胸の痛みが突然襲ってくる病気で、呼吸困難となります。

 肺は膨張と収縮を繰り返して呼吸していますが、この病気になると、肺の表面から胸の中に空気が漏れ出すために、収縮したまま十分に膨らむことができません。原因には、自然気胸、外傷性気胸、医原性気胸の3つがあります。

膿胸

 膿胸は、細菌性の肺炎や全身性の敗血症、外傷、手術などが原因となって、胸膜が炎症を起こし、胸膜内に膿性滲出液が溜まった状態の疾患です。

 症状は、元気を消失し、発熱や胸痛などを呈し、一般に重篤です。

胸膜炎

 胸膜炎は、肺の外部を覆う胸膜に炎症が起こる疾患で、以前には「肋膜炎(ろくまくえん)」とも呼ばれていました。

 胸膜炎は、それ自体で発症することは少なく、多くの場合、肺がんや肺結核、肺炎などに引き続いて発症します。

 胸膜炎の症状としては、発熱や咳、痰などのほか、胸水が貯留することによる胸の痛みや呼吸困難が出現します。

呼吸不全

 呼吸不全は、何らかの原因によって、肺の中での酸素と二酸化炭素のガス交換が正常にできなくなり、血液中の酸素濃度が不足する状態です。

 呼吸不全は、呼吸不全という疾患名ではなく、何らかの元になる疾患があり、その疾患によって呼吸器の機能が低下し、各種臓器に十分な酸素が送れなくなる状態をいいます。

 呼吸不全には、急性と慢性とがあり、急性では悪寒を伴う高熱が発生し、同時に咳や胸痛、呼吸困難となります。重症になると、血圧低下や敗血症を伴い、ショック状態となります。

肺性心

 肺性心は、何らかの肺疾患が原因となって、心臓に異常をきたす病気です。

 心臓の右心室は体内を循環してきた血液を肺に送り込む働きをしていますが、肺疾患のために肺での血流が悪くなると、肺動脈の血圧が上昇するとともに右心室の肥大拡張に陥り、右心室が機能しなくなる「右心不全」の状態になります。

 咳や痰、疲れやすいなどの症状、胸が喘鳴したり、呼吸困難が出現します。進行するとチアノーゼ、胸部痛が起こり、頚静脈の怒張、静脈拍動、浮腫もきたします。喀血や突然死の可能性もでてきます。

原発性肺高血圧症

 原発性肺高血圧症は、何らかの原因で、心臓の右心室から肺へ向かう肺動脈の血圧が異常に高くなる病気です。

 通常、肺高血圧症は、生まれつきの心臓疾患や肺動脈への血栓が詰まる疾患、肺気腫などで起こります。

 しかし、そのような原因がはっきりしない原因不明の状態で、肺高血圧症状が現われるものを原発性肺高血圧症と呼びます。「原発性」という言葉は、「原因不明」という意味です。

 治療は困難で、発症から死亡までの期間が3年未満と予後が極めて悪いため、厚労省での特定疾患(難病)に指定されています。

過換気症候群

 過換気症候群は、精神的なストレスや不安感、緊張感などをきっかけとして始まる、発作的な異常に早い呼吸が続く状態をいいます。

 血液中の二酸化炭素が肺から排出され過ぎてしまうために、全身の病的状態が起こります。

 過換気症候群の発作がでると、手足の痺れや痙攣が起こり、重度になれば意識障害に陥ることもあります。緊急時には、紙袋などを口にあてて、自分の吐いた息を繰り返し吸い込むようにして、酸素の過剰供給を弱めます。

その他の肺疾患

 ここで述べてきた肺に関連する疾患の他にも、次のような病気があります。

 ・低換気症候群
 ・肺動静脈瘻
 ・成人呼吸促迫症候群
 ・乳び胸


日本呼吸器学会による呼吸器の病気の分類 ◆日本呼吸器学会による呼吸器の病気の分類です。
感染性呼吸器疾患
感染性呼吸器疾患
かぜ症候群

 鼻腔や口腔、咽頭、喉頭に病原菌が感染し、急性な炎症を起きている状態。

インフルエンザ

 インフルエンザウイルスによる急性感染症。普通の風邪より症状が激しく、強い流行性がある。

急性気管支炎

 ウイルス感染が原因となって、気管支の粘膜に急性の炎症が起こる病気。

細菌性肺炎

 細菌が原因病原体となる肺炎です。

肺化膿症

 肺壊疽や肺膿瘍とも呼ばれ、肺内に空洞が広がり、液状壊死物溜まる疾患。

肺結核

 肺に結核菌が感染し炎症を起こす病気。

肺非結核性抗酸菌症
(肺非定型抗酸菌症)

 結核菌の仲間を抗酸菌と呼ぶが、結核菌以外の抗酸菌で発症する病気。

肺真菌症

 真菌(かび)が肺に感染しておこる肺炎。アスペルギルス、カンジダ等。

肺寄生虫症

 寄生虫が原因となって発症する感染症。

日和見感染症

 健康人なら発症しないような病原体が原因で発症する感染症。
 ニューモシスチス肺炎、サイトメガロウイルス肺炎。

誤嚥性肺炎

 食物や液体、胃内容物または咽頭分泌物を誤飲して発症する肺炎。


気道閉塞性疾患
気道閉塞性疾患
慢性閉塞性肺疾患

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称。主にタバコ有害物質の長期吸入曝露で生じた肺の炎症性疾患。

びまん性汎細気管支炎

 びまん性汎細気管支炎は、呼吸細気管支と呼ばれる細い気管支を中心に慢性炎症がおこり、咳や痰が出たり、息苦しくなる病気。


アレルギー性肺疾患
アレルギー性肺疾患
気管支ぜんそく

 気管支喘息は、空気の通り道である気道に炎症が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になり発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気。

過敏性肺炎

 肺の中の小さな空気の袋である肺胞や、最も細い気道である細気管支の内部や周囲に発生する炎症で、抗原となる有機物の粉じんや化学物質を繰り返し吸入することで起こるアレルギー反応が原因。

好酸球性肺炎

 好酸球性肺炎は、白血球の一種でアレルギー反応に関与している好酸球によって引き起こされる特殊な肺炎。

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症

 自然界に広く存在する真菌(かび)の一種であるアスペルギルスに対してアレルギーを持つ喘息患者に特異的で発症する気管支や肺に対する過敏反応による炎症。

薬剤性肺炎

 薬剤性肺炎は、薬を点滴したり、内服することが原因で薬剤本来の効能以外に予期せず起こる肺に有害な反応。病気治療用の医薬が原因となる肺炎。


間質性肺疾患
間質性肺疾患
特発性間質性肺炎

 肺の中の小さな空気の袋である肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなるため(線維化)、酸素を取り込みにくくなる病気が間質性肺炎で、原因が不明なものが特発性間質性肺炎。

放射線肺炎

 胸部にできるがんである、肺がんや食道がん、乳がん、悪性リンパ腫などの放射線治療により、肺が障害されて起こる肺炎。障害された肺組織では主に間質(肺胞の外)に炎症が起こり、最終的には線維化をきたす。

サルコイドーシス

 サルコイドーシスは、肉芽腫と呼ばれる結節が全身に出現する原因不明の病気。発症部位は、胸部のリンパ節や肺、眼、皮膚に多い。この疾患は厚生労働省の指定難病の1つで重症度III、IVの場合には医療費助成対象。

特発性器質化肺炎

 肺の中の小さな空気の袋である肺胞から肺胞近くの細気管支にかけての炎症および気腔内のポリープ状の器質化組織が特徴的な病気が器質化肺炎で、薬剤や膠原病、感染症、血管炎などが原因となるが、原因がわからないものは特発性器質化肺炎。

膠原病肺

 免疫の働きに異常をきたして自分自身の体を攻撃してしまう病気を総称して膠原病と呼皮膚や関節、腎臓、骨、筋肉などに変化がきたすが、肺にも変化を起こすことがあり、これが膠原病肺。


腫瘍性肺疾患
腫瘍性肺疾患
肺がん

 肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したもの。進行すると、がん細胞が周りの組織を破壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れに乗り転移するが、転移しやすい場所は、リンパ節、脳、肝臓、副腎、骨など。

転移性肺腫瘍

 転移性肺がんは、他の臓器に発生したがん細胞が血流に乗って肺に流れ着き転移し、肺にできた腫瘍(がん)。

肺の良性腫瘍

 気管支や肺実質、血管、胸膜などで発生した腫瘍のうち、大きくなる速度も遅く、他の臓器に転移することもないものが肺の良性腫瘍。一般的には無症状であり健康診断や他の疾患の検査時に発見されることが多い。

縦隔腫瘍

 縦隔腫瘍は、左右の肺の間に位置する部分である、心臓や大血管、気管、食道、胸腺などの臓器がある部位を縦隔と呼び、縦隔腫瘍はこの部位の臓器に発症する腫瘍の総称。縦隔腫瘍には悪性のもの、良性のものがある。


肺血管性病変
肺血管性病変
肺血栓塞栓症



肺動脈性肺高血圧症



肺水腫

 肺には無数の毛細血管が張り巡らされていて、その毛細血管に開いた小さな穴から、肺の機能を維持するための酸素や栄養分を補給したり、老廃物を回収しています。通常は染み出し量と戻り量がバランスしています。

 しかし、何らかの原因でバランスが崩れ、染み出し量が過剰になると、肺の実質である気管支や肺胞に水分が溜まり、呼吸が障害され、呼吸不全状態に陥り、これを肺水腫と呼びます。


胸膜疾患
胸膜疾患
胸膜炎

 胸膜炎は、肺の外部を覆う胸膜に炎症が起こる疾患で、以前には「肋膜炎(ろくまくえん)」とも呼ばれていました。

 胸膜炎は、それ自体で発症することは少なく、多くの場合、肺がんや肺結核、肺炎などに引き続いて発症します。

 胸膜炎の症状としては、発熱や咳、痰などのほか、胸水が貯留することによる胸の痛みや呼吸困難が出現します。

膿胸

 膿胸は、細菌性の肺炎や全身性の敗血症、外傷、手術などが原因となって、胸膜が炎症を起こし、胸膜内に膿性滲出液が溜まった状態の疾患です。

 症状は、元気を消失し、発熱や胸痛などを呈し、一般に重篤です。

胸膜腫瘍



気胸

 気胸は、肺を包んでいる肋膜(胸膜)に穴が明き、激しい胸の痛みが突然襲ってくる病気で、呼吸困難となります。

 肺は膨張と収縮を繰り返して呼吸していますが、この病気になると、肺の表面から胸の中に空気が漏れ出すために、収縮したまま十分に膨らむことができません。原因には、自然気胸、外傷性気胸、医原性気胸の3つがあります。


呼吸不全
呼吸不全
急性呼吸不全・ARDS



慢性呼吸不全




その他の肺疾患
その他の肺疾患
気管支拡張症

 気管支拡張症は、気管支壁や気管支周囲組織が繊維化し、気管支が非可逆的に拡張をきたす疾患です。

 気管支の拡張により気管支の浄化作用が低下し、細菌などが増殖しやすくなり気管支炎や肺炎に進行する危険性が高まります。

 湿った咳とともに黄色~緑色の痰が出るのが特徴です。発熱し、血痰や喀血が出現することもあり、ひどくなると呼吸不全になります。

じん肺



原発性肺胞低換気症候群



過換気症候群

 過換気症候群は、精神的なストレスや不安感、緊張感などをきっかけとして始まる、発作的な異常に早い呼吸が続く状態をいいます。

 血液中の二酸化炭素が肺から排出され過ぎてしまうために、全身の病的状態が起こります。

 過換気症候群の発作がでると、手足の痺れや痙攣が起こり、重度になれば意識障害に陥ることもあります。緊急時には、紙袋などを口にあてて、自分の吐いた息を繰り返し吸い込むようにして、酸素の過剰供給を弱めます。

睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に一時的に呼吸が停止る疾患。10秒以上の気流停止を無呼吸と呼び、これが7時間の睡眠中30回以上、あるいは1時間あたり5会異常の場合が睡眠時無呼吸症候群。

リンパ脈管筋腫症

 リンパ脈管筋腫症(LAM)は、異常な平滑筋様細胞が、肺やリンパ節・腎臓などで増殖する疾患で、妊娠可能な女性に発症することが多い。肺が破れて空気が漏れる気胸や呼吸不全になりやすい疾患。

肺ランゲルハンス細胞ヒスチオサイトーシス

 結合組織や臓器などに存在するマクロファージ(組織球)の一種で、体内に侵入してくる異物を食べて、そんな異物化をリンパ球に伝える作用を持つ細胞が、ランゲルハンス細胞。このランゲルハンス細胞が肺や気管支壁で増殖し、組織の破壊や線維化、嚢胞形成を起こす病気が肺ランゲルハンス細胞組織球症。

肺移植