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〔CT:コンピュータ断層撮影法〕

 CT(コンピュータ断層撮影法)は、医用画像診断装置の一種です。

 MRI(核磁気共鳴画像法)と同様に、人体を切り開くことなく、体内にある臓器の状態などを立体的に観察することが出来る装置です。

 CTという言葉は、コンピュータ断層撮影法の英語表示「Computed Tomography」の略号です。




 CTは、身体の内部にあるがんやいろいろな病気などを発見し、その部位の確認や進行状態などを詳しく調べることができる技術です。

 このCTは、X線を利用する点ではレントゲンと同様な装置ですが、レントゲンでは平面二次元画像しか見られないのに対して、CTでは、任意の三次元断層影像をみることができます。
 CTでは非常に多くのデジタルスライス画像情報を高さ方向に積み上げて、コンピュータ処理により任意の断面画像として見ることができるからです。

 CTの根本にある基本原理は、レントゲンと同じくX線による身体の透過による影像撮影です。しかし「物体を複数多数の方向から透過させ、得られる投射情報をコンピュータにより再構成すれば、物体の立体構造を知ることができる」という原理に基づいて、より詳細な体内情報を描き出すことができるのがCTなのです。

CT(コンピュータ断層撮影法)の装置 ◆〔CT(コンピュータ断層撮影法)〕の装置はどのようなものかご説明します。
CTの装置
CT装置の写真画像  CTの装置は結構大型の機械という感じのする装置です。

 左の写真のように全身を横たえて、丸い穴のあいた装置の中に入り込むようになっています。測定画像の精度を上げるために、身体は軽く固定されます。

 CTは、X線を使用して、人体のあらゆる部分の断層画像を描く方法です。

 最近のCT機器の進歩はめざましいものがり、マルチスライスCTや、ヘリカルCTなど短時間に精緻な画像を作成できるシステムが実用化されています。

 撮影時間が短縮されたことで、乳幼児のように呼吸を停止できないような場合にも測定できるようになりました。また、詳細なスライス画像により、人体内の内臓などの詳細な構造が見えたり、病変部が明確に見えるようになりました。

CT(コンピュータ断層撮影法)の長所と短所
長所 ・測定時の騒音や閉塞感が少なく、検査時間も短いので救急対応に優れる。

・測定に痛みや苦痛はない。

・多くの医療機関に普及していて安価に利用できる。

・空間解像度が高く鮮明な画像が得られる。

・磁気を使用しないので、身体内に心臓ペースメーカー等の金属を埋め込んでいる患者に対しても適用することができる。

・体内の病変、出血巣、骨、肺の内部構造などを明確に描き出せる。

・人体部位での微小なX線吸収差を検出して、軟部組織(頭部、頚部、胸部、腹部、四肢)の構造が描出できる。

短所 ・X線を使用するので、基本的に放射線被曝がある。

・造影剤を使用した場合、副作用がでやすい。

・軟部組織の組織学的変化があまり反映されない。

・脳底部や下顎などのように骨で囲まれた部位では、「アーティファクト」と呼ばれる、実際には無いものが画像上に出てしまう現象が発生する。



CT(コンピュータ断層撮影法)の画像 ◆〔CT(コンピュータ断層撮影法)〕による画像はどのようなものか示します。
CTによる頭部の様子
脳のCT写真画像  通常のレントゲン写真が横断面のみの画像を出すのに対して、CTでは画像再構成の技術により、任意の体内断面の輪切り画像を描き出すことができます。

 体内の骨をはじめ、臓器や血管、水分、空気などを、X線が透過する際の微妙な透過率の差異を分析することで、身体の任意の断面での鮮明な画像を描くことが可能です。

 しかし、CTは通常のレントゲン写真と同様に、影像に骨が見えてしまいます。

 このため、頭蓋骨内のような骨が複雑に入り組む脳底部の撮影にはちょっと不向きな面もあります。



CT(コンピュータ断層撮影法)の技術 ◆〔CT(コンピュータ断層撮影法)〕の技術についてご説明します。
測定原理

 通常のCT撮影装置は、機械本態はドーナツ型をしていて、検査を受ける人はこの中央部に配置されているスライド式の台上に乗せられます。この台はドーナツ型筒内に入り、検査の体制が整います。

 X線を放射する線源とセンサーが、検査を受ける人の周囲を回転しながらX線を照射します。照射されたX線はその人の体内に向かい、一部は吸収されて減衰しますが、大くは透過して、X線の線源と反対側にあるX線検出装置に到達して記録されます。

 このようにして、CT装置では、検査を受ける人の周囲を360度にわたってX線照射し、身体内部で一部吸収され減衰された度合いを示す情報として記録されます。このデータ情報をコンピュータ処理することで、画像を再構成して表示します。

 断面画像を作成する方法は、巨大な連立一次方程式を解く問題として処理されます。たとえば、一つの断面を1024ピクセル四方に分割し、身体の各部位におけるX線の吸収率を未知数とし、その合計値が実際に観測された吸収量と等しいと置くことで巨大な連立方程式が作られます。この方程式は常識的には極めて巨大で人間では容易に解くことができませんが、最近のコンピュータでは優れたハードとアルゴリズムの進化により瞬時に解が得られます。

CTの適応

 CT検査は人体内部の病変などを調べる優れた手段ですが、がん等の病変の画像化には得意とするものと、不得意なものとがあります。

 多くはX線を使用するという原理的特性や、検査薬の特性に基づく影響などで、うまく映像化できるものとそうではないものがでてくるのです。CT検査も決して万能ではありません。

CTの得手・不得手
得意とするがん 頭頸部がん、肺がん、乳がん、食道がん、大腸がん、膵がん、転移性肝がん、子宮がん、卵巣がん、悪性リンパ腫

不得意ながん 早期胃がん、腎がん、前立腺がん、膀胱がん、肝細胞がん、胆道がん


CTの副作用

 CT検査は、多くの大病院には普及している検査機器であり、日常的に使用されていますが、副作用もあることを知らなければいけません。

 副作用の主なものは、X線を使用するためにX線被爆があること、造影剤によるものなどです。

CTの副作用
放射線照射による副作用  CT検査では、その測定原理からしてX線を使用するために、放射線被爆の問題があります。

 通常のX線撮影(レントゲン撮影)では、X線は使用するものの、自然界からうける被爆量の2日分程度の被爆量しかありません。

 しかし、CT検査では、人体は360度の周囲から繰り返しX線照射を受けるために、自然放射線の数年分の被爆量となります。

 がんなどの詳細撮影を意図してスライス撮影を繰り返す場合には、さらに多くの被爆量となってしまいます。

 CT検査は、がん(悪性腫瘍)の検査には便利で有用ですが、X線被爆自体が新たながんの発生原因になる可能性もあり、安易に使用するのは危険です。特に、若年者がCT撮影を受ける場合は、適応部位などは極めて慎重に選ぶ必要があります。

ヨード造影剤による副作用  ヨード造影剤を使用する場合には、数%の患者において、軽い吐き気や皮膚の痒みがでることがあります。

 稀に、治療が必要なほどの呼吸困難やアレルギー反応を示すこともあります。

 また、極めて稀ながら、ヨード造影剤によるアナフィラキシー(じんましんや紅潮などの皮膚症状、呼吸困難、めまいなどの症状)や急性腎不全などの重篤な副作用がでることもあるとされています。

医療機器への影響  心臓ペースメーカー使用者へのCT検査は、心臓ペースメーカー自体や埋め込み型の徐細動器に影響を与えないとは言い切れません。

 そのため、万が一のためにも、これらの機器へのX線照射はしないようにした方がいいとされています。

その他  CT検査の所要時間はかなり短時間であり空間的圧迫感も少ないですが、閉所恐怖症の患者などでは、パニック障害を起こす可能性もあります。そのような症状のある方への適用はできません。