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せん妄 |
〔せん妄〕は、意識混濁に加えて幻視や幻覚、錯覚、精神運動興奮、不安などの症状が加わった特殊な意識状態をいいます。 |
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また、この症状は大手術後の患者やアルツハイマー病患者などにもみられます。 〔せん妄〕を発症させる誘因的要素として、さまざまな心理的ストレスや社会的ストレス、常態的不眠、感覚遮断、感覚刺激の過多、極度な運動不足、身体的活動の欠如などがあるとされます。 〔せん妄〕になると、意識の極度の混濁がみられ、その程度は著しく変化したり動揺したりします。意識の混濁が軽度の場合には、せん妄の体験を部分的には思い出すことができますが、ある程度を越えると、その体験を全く想起できなくなります。 脳波で検査すると、徐波が認められることが多く、見当識障害と呼ばれる症状も認められます。多くの場合、幻視や錯覚がみられ、現実には存在しない天使や人物、動物などが動き回るのが見えたり、絨毯の汚れや壁のしみが動物や人などに見えたりします。 精神運動興奮状態がみられるようになり、徘徊や激越などの症状が現れ、思考が錯乱しまともな会話が成り立たないことが多くなります。このような症状は日内でも大きく変動し、特に夜間に症状が悪化することが多くなります。 |