再建外科では、外傷や炎症に限らず腫瘍など様々な原因から生じる組織欠陥に対して、機能的かつ整容的な手術を行います。手術の対象となる部位は、大きくは頭頚部や四肢、体壁などとなりますが、これに限らず全身いずれの部位も再建手術の対象となります。
眼瞼形成術 (Blepharoplasty)
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外傷などで変形した眼瞼(まぶた)を再建するのが眼瞼形成術です。眼瞼形成術は、顔面部位の再建、修復であり、最大限のきめ細かさと複雑さを要求される手術ですが、美容整形においても重要なテーマとなっています。
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頸部形成術 (Cervicoplasty)
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頸部形成術では、頸部にできる良性腫瘍および悪性腫瘍(がん)を扱います。頚部は飲食部や声帯部があるため、機能の温存をはかることが重要になります。進行がんが存在する場合でも、拡大手術で病巣部分を切除し、皮膚や筋肉・腸管などの遊離組織を用いて、再建手術を行います。がんの部位によっては、放射線や抗がん剤化学療法も組み合わせて治療することもあります。
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化学的表皮剥離法 (Chemexfoliation)
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古代エジプトでは、ケミカルピーリングとして知られる化学的表皮剥離法を用いて肌の若返りを行っていたといいます。化学的表皮剥離法では、最初に皮膚を洗浄し、アセトンなどを用いて余分な脂質の除去、脱脂をします。
その後、フルーツ酸の一種であるグリコール酸やサリチル酸などの薬剤を塗り、表皮の古くなった角質を化学的に融解して剥離、除去して肌を生まれ変わらせ、にきびやしみ、小じわ、くすみ、毛穴の開きなどの肌のトラブルを改善します。
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皮膚切除術 (Dermabrasion)
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皮膚切除術は、いろいろな疾患のために皮膚そのものを切除しなければならない場合と、皮膚移植用の皮弁を採取するためのものなどがあります。
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組織再生誘導法 (Guided Tissue Regeneration)
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〔組織再生誘導法(GTR:Guided Tissue Regeneration)〕は、歯周組織再生療法のひとつです。GTR法では、歯周病で破壊された部位にメンブレンを挿入し、失われたセメント質などの硬組織を新生させ、喪失した付着の回復はかる歯科の治療法です。
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患肢温存術 (Limb Salvage)
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以前には四肢に悪性骨腫瘍(がん)が出来た場合、四肢の切断が行われることが多かったのですが、最近では化学療法や放射線療法などでの集学的治療体系の確立も進み、CTやMRIなどの画像診断機器の進歩もあり、患肢温存手術が標準的術式になりつつあります。
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脂肪吸引術 (Lipectomy)
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痩身治療では、腹部など脂肪が極度に集積している部位より、脂肪そのものを吸引して除去する方法が確立され広く使用されるようになりました。脂肪吸引法はメスを使わないなどの優れた面もありますが、一方で、太ももなどを脂肪吸引した場合に左右の足の痩せ方にアンバランスができたりするなどの問題が起こる可能性もあります。
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乳房形成術 (Mammaplasty)
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乳房形成術は、乳がんで切除された乳房を再建する手術です。下腹部の皮膚と皮下脂肪を栄養成分血管や筋肉も含めて切り取り、この栄養成分血管を胸部の血管と吻合して乳房を再建します。
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鼻形成術 (Rhinoplasty)
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鼻の形成術は、事故などで変形したり失われた鼻の再建をする手術であり、一般的には3種類の方法があります。ひとつ目は挿入物を入れた鼻の形を整える方法、二つ目は鼻の骨や軟骨などを削ったり部分除去したりして鼻の形を整える方法、そして三つ目は鼻骨を細くして鼻の形を整える方法です。
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しわ取り (Rhytidoplasty)
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しわ取りというと、美容外科的に美しくなることを目標にした手術が主体ですが、再建外科でいうしわ取りは、病気や怪我などで生じたしわを元の状態に戻すことが主眼となります。
以前にはしわ取りといえば、メスを入れるものが主体でしたが、最近ではメスは一切使わず、コラーゲンやヒアルロン酸などを用いて肌や体に負担をかけないで再建ができるようになりました。
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強膜形成術 (Scleroplasty)
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強膜は、いわゆる〔白眼〕のことで、眼球の外壁の後方大部分を形成し、前方で角膜に繋がる膜です。強膜は丈夫な膜で眼球のいちばん外側を覆っていて眼を守っています。強膜のすぐ下には血管が走っています。
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組織拡張法 (Tissue Expansion)
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組織拡張法は、Tissue Expansion法であり、広範囲な皮膚や軟部組織の欠損の修復に使用される移植技術です。大きな禿や傷、火傷による脱毛部分への有毛部皮膚修復、口唇などの粘膜修復、顔面の広範囲な傷や皮膚欠損部の修復など、他の部位では代替できない特殊組織を必要とするものに適用されます。
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