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〔再建外科〕


 〔再建外科〕は、外傷や先天性変形、後天性組織欠損、あるいは主として腫瘍で切除された身体の変形を自家組織移植や人工物の埋め込みによって、機能と形態を復元する外科医療です。

 再建外科は、顕微鏡を用いた組織移植を中心に、骨や筋の移植も行います。

 また、〔形成外科〕の重要な位置にある分野であり、〔整容外科〕とも深い関係にあります。




再建外科の対象分野
外傷  怪我の形成、傷跡の形成
あざ  あざの形成
先天性異常  口唇裂・兎唇(上唇裂)・口蓋裂の形成
腫瘍手術後など  乳がん手術と形成など
 外傷や主に腫瘍により失った身体部位や、本来、存在すべき身体組織が生まれながらにして無かったり、変形していた場合などに、外科手術によって元に戻そうとするのが再建外科であるわけです。

 対象となる治療には左の表で示すようなものがあります。

どんな美容術ですか? ◆〔再建外科〕とは、どんな美容術なのかご説明します。
再建外科の美容術

 再建外科は、形成外科の一分野で、英語では〔reconstructive surgery〕と呼ばれる外科医療です。先天性および後天性外傷や腫瘍切除などで発生する身体部位の変形や欠損に対して、主に自分自身の組織を移植することで、その部位が本来有すべき機能や形態を復元します。

 場合によっては、自家組織移植に限らず、人工物を体内に埋め込む方法もとられることがあります。

 再建外科では、その性格からして、健康保険が認められる場合があります。保険が適用される条件は、簡単に言えば、「その症状により、日常生活に著しい支障を来たす状態であること」といえます。この点、〔美容外科〕が「美しく、あるいは綺麗になりたい」という目標を持つのに対して、再建外科では「普通の生活がしたい」という目標を持つからです。


美容術の由来・歴史 ◆〔再建外科〕の由来・歴史についてご説明します。
再建外科の由来・歴史

 再建外科の歴史は極めて古く、紀元前2000年頃すでに始まっていたとの記録もあります。紀元前800年にインドでは既に再建外科が行われたとされますが、その後の進化は遅々たるものでした。

 しかし、近代の本格的な再建外科の歴史はごく最近になって始まり、急速に進化してきたというのが現実です。

 19世紀末期に、再建外科はアメリカで始まりました。ジョン・マッタウアー博士は、1827年に、自らデザインした手術器具を用いて、口蓋裂の修復手術をしました。

 第一次世界戦争の時代、多くの負傷兵が出現するにつれて、彼らの戦傷を修復するために多くの再建外科技術が進化しました。

 そして、近代の再建外科は1960年代、1970年代になって進化しました。それ以降、非常に多くの手法が開発され実用化され、ノーベル賞受賞者も出現しています。この次期に開始された皮弁手術の臨床的応用と顕微鏡下で行う微小血管吻合術の連携が行われるようになり、再建外科は急速な進歩を遂げました。

 その後、1990年前後より、日本において新しい穿通枝皮弁の概念が確立され、同時に超微小外科手術が開発され始め、2000年以後、各種穿通枝皮弁技術が更なる進歩を果たしつつあります。


美容術の方法 ◆〔再建外科〕の方法についてご説明します。
再建外科の方法

 再建外科では、外傷や炎症に限らず腫瘍など様々な原因から生じる組織欠陥に対して、機能的かつ整容的な手術を行います。手術の対象となる部位は、大きくは頭頚部や四肢、体壁などとなりますが、これに限らず全身いずれの部位も再建手術の対象となります。

再建外科の手術対象部位
頭頚部 頭蓋骨、頭蓋底、口腔、舌、食道、顔面骨、顔面など
四肢 手・上肢、足、下肢、腱など
体壁 胸壁、腹壁乳房、外陰、褥瘡部など

 再建方法としては、自分自身の体から採取する皮膚や皮下組織、神経、骨、腱、筋肉などの自家組織を用いるのが主体となります。しかし、症例に応じて、必要となればシリコンや人工骨、人工腱などの人工物も併用されます。

 最近の再建外科では、顕微鏡下で血管や神経を接続するマイクロサージャリーを用いた自家組織移植による形成術や再建術が盛んになってきています。マイクロサージャリーによる再建手術の例としては、切断肢指の再接着、慢性骨髓炎の治療、悪性腫瘍切除後の再建、筋肉移植による機能再建などがあります。

 マイクロサージャリ-とは、手術用の顕微鏡下で行う手術のことで、1ミリほどの太さの血管を接続することもできる優れた技術です。

 再建外科で使用される手術法には次のようなものがあります。

再建外科での外科手術法
眼瞼形成術
(Blepharoplasty)
 外傷などで変形した眼瞼(まぶた)を再建するのが眼瞼形成術です。眼瞼形成術は、顔面部位の再建、修復であり、最大限のきめ細かさと複雑さを要求される手術ですが、美容整形においても重要なテーマとなっています。

頸部形成術
(Cervicoplasty)
 頸部形成術では、頸部にできる良性腫瘍および悪性腫瘍(がん)を扱います。頚部は飲食部や声帯部があるため、機能の温存をはかることが重要になります。進行がんが存在する場合でも、拡大手術で病巣部分を切除し、皮膚や筋肉・腸管などの遊離組織を用いて、再建手術を行います。がんの部位によっては、放射線や抗がん剤化学療法も組み合わせて治療することもあります。

化学的表皮剥離法
(Chemexfoliation)
 古代エジプトでは、ケミカルピーリングとして知られる化学的表皮剥離法を用いて肌の若返りを行っていたといいます。化学的表皮剥離法では、最初に皮膚を洗浄し、アセトンなどを用いて余分な脂質の除去、脱脂をします。

 その後、フルーツ酸の一種であるグリコール酸やサリチル酸などの薬剤を塗り、表皮の古くなった角質を化学的に融解して剥離、除去して肌を生まれ変わらせ、にきびやしみ、小じわ、くすみ、毛穴の開きなどの肌のトラブルを改善します。

皮膚切除術
(Dermabrasion)
 皮膚切除術は、いろいろな疾患のために皮膚そのものを切除しなければならない場合と、皮膚移植用の皮弁を採取するためのものなどがあります。

組織再生誘導法
(Guided Tissue Regeneration)
 〔組織再生誘導法(GTR:Guided Tissue Regeneration)〕は、歯周組織再生療法のひとつです。GTR法では、歯周病で破壊された部位にメンブレンを挿入し、失われたセメント質などの硬組織を新生させ、喪失した付着の回復はかる歯科の治療法です。

患肢温存術
(Limb Salvage)
 以前には四肢に悪性骨腫瘍(がん)が出来た場合、四肢の切断が行われることが多かったのですが、最近では化学療法や放射線療法などでの集学的治療体系の確立も進み、CTやMRIなどの画像診断機器の進歩もあり、患肢温存手術が標準的術式になりつつあります。

脂肪吸引術
(Lipectomy)
 痩身治療では、腹部など脂肪が極度に集積している部位より、脂肪そのものを吸引して除去する方法が確立され広く使用されるようになりました。脂肪吸引法はメスを使わないなどの優れた面もありますが、一方で、太ももなどを脂肪吸引した場合に左右の足の痩せ方にアンバランスができたりするなどの問題が起こる可能性もあります。

乳房形成術
(Mammaplasty)
 乳房形成術は、乳がんで切除された乳房を再建する手術です。下腹部の皮膚と皮下脂肪を栄養成分血管や筋肉も含めて切り取り、この栄養成分血管を胸部の血管と吻合して乳房を再建します。

鼻形成術
(Rhinoplasty)
 鼻の形成術は、事故などで変形したり失われた鼻の再建をする手術であり、一般的には3種類の方法があります。ひとつ目は挿入物を入れた鼻の形を整える方法、二つ目は鼻の骨や軟骨などを削ったり部分除去したりして鼻の形を整える方法、そして三つ目は鼻骨を細くして鼻の形を整える方法です。

しわ取り
(Rhytidoplasty)
 しわ取りというと、美容外科的に美しくなることを目標にした手術が主体ですが、再建外科でいうしわ取りは、病気や怪我などで生じたしわを元の状態に戻すことが主眼となります。

 以前にはしわ取りといえば、メスを入れるものが主体でしたが、最近ではメスは一切使わず、コラーゲンやヒアルロン酸などを用いて肌や体に負担をかけないで再建ができるようになりました。

強膜形成術
(Scleroplasty)
 強膜は、いわゆる〔白眼〕のことで、眼球の外壁の後方大部分を形成し、前方で角膜に繋がる膜です。強膜は丈夫な膜で眼球のいちばん外側を覆っていて眼を守っています。強膜のすぐ下には血管が走っています。

組織拡張法
(Tissue Expansion)
 組織拡張法は、Tissue Expansion法であり、広範囲な皮膚や軟部組織の欠損の修復に使用される移植技術です。大きな禿や傷、火傷による脱毛部分への有毛部皮膚修復、口唇などの粘膜修復、顔面の広範囲な傷や皮膚欠損部の修復など、他の部位では代替できない特殊組織を必要とするものに適用されます。



美容術の効果・効用 ◆〔再建外科〕の主な効用・効能についてご説明します。
再建外科の効果・効用

 再建外科は、身体組織の異常や欠損、変形、あるいは見た目の悪さなどに対して、様々な手法、手技を用いて、機能を回復したり、形態的に本来の姿に復元する外科領域であり、強いて効果・効用といえば、身体組織に発生した異常や変形を修復して〔生活の質:QOL(Quality of Life)〕を向上することにあります。

 再建外科で対象とする身体部位には次のようなものがあります。

再建外科の対象身体部位
頭部 ・頭部外傷や脳腫瘍摘出手術後の頭部の陥没などの修復手術など。

・毛髪の欠損の改善
顔面 ・外傷や先天性異常、顔のあざ、変色、変形などの治療
・顔面神経麻痺
・眼瞼下垂、さかまつげなど眼瞼の異常の治療
・耳の変形や異常の修復
・鼻の変形や異常の修復
・頬の変形や異常の修復
・顎関節疾患(反対咬合、上顎前突、顎関節症など)の治療
・口唇口蓋裂などの先天異常の修復
・口腔腫瘍(がんなど)の治療
・口腔粘膜疾患(扁平苔癬など)の治療
・外傷(裂傷、歯の脱臼、顎顔面骨骨折など)の治療
・炎症(顎骨炎、蜂巣炎など)の治療
・手術後の変形の修復

四肢(手・足) ・手指、足趾(足の指)や爪などの変形、欠損、機能障害の修復
・先天異常、上肢、下肢のリンパ浮腫などの治療

胸・腹部・背中 ・乳がん手術後の乳房再建
・先天性乳房発育不全(低形成)に対する乳房再建
・乳房の術後変形や異常の修復
・腹壁瘢痕ヘルニアの修復
・漏斗胸の修復

皮膚 ・あざの修復
・皮膚腫瘍の治療
・ガングリオン(結節腫)の治療
・熱傷後の引きつれの修復
・手術後の引きつれの修復
・外傷後などのひきつれの修復
・拘縮の治療
・醜形の修復
・ケロイドの修復
・皮膚難治性潰瘍の組織移植による治療再建
・褥瘡の治療
・糖尿病性壊疽の治療
・難治性偽関節の治療
・慢性骨髄炎の組織移植による治療再建



料理のコツ ◆〔再建外科〕の副作用や注意点についてご説明します。
再建外科の副作用・注意点

 再建外科手術の中で乳がん後の乳房の再建はいくつかの困難を伴います。乳房再建手術には2種類があって、〔1期手術〕と〔2期手術〕と呼ばれています。

乳房再建手術
1期手術  1期手術とは、乳がんの手術と同時に乳房再建手術も行ってしまう手術法をいいます。

 1期手術では、手術回数が1回で済むという利点はありますが、一方で、乳がん告知後の精神的動揺の中でここまで考え決心するのは容易なことではありません。

 特に大きな問題は手術費用の点にあります。乳がんの手術は保険がききますが、再建手術は保険のきかない自由診療扱いなのです。

 実は、健康保険では、保険診療と自由診療を組み合わせた診療は認められておりません。このため、乳がん手術と乳房再建手術を同時に受けるとその全ての費用が自由診療扱いとなってしまうのです。

 このように、1期手術では、自由診療扱いとなります。手術費用は全て自己負担となり極めて高額の費用が掛かります。

2期手術  2期手術では、乳がんの手術と乳房再建手術とは全く別の手術として分けて行います。

 手術を2回受けなければなりませんが、乳がんが治癒してから改めて決心して行いますので気持ちの面でも安定感があります。乳房再建手術には、手遅れはありませんからいつでも手術を受けられるわけです。

 2期手術の場合、乳がんの手術は健康保険で受けられます。そして、乳房再建手術は自由診療となります。