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依存性人格障害 |
著しい性格的な偏りが幼児期や青年期から長期間続いていて、その性格のために社会生活に支障をきたし、本人も悩み社会的にも問題を起こすのが〔パーソナリティ障害〕あるいは〔人格障害〕です。 |
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〔依存性人格障害〕は、他者への心理的依存がある〔人格障害〕です。いわゆる「甘えが強い性格」で、重要なことでも自分で決めることが出来ず他人の判断にゆだねます。 仕事や日常生活の場面では、どんなことにも非常に受身的で、人並みはずれて従順であり、自分自身の欲求があっても他人の欲求に合わせてしまいます。自分から率先して何かをすることなどできず、いつも周囲から励まされたり、世話をしてくれる人がいなければ何もすることができません。 自分自身が判断をしなくてはならないような独立する事態を避けるために、どのようなことでも服従的に従います。そのようにしてでも自分をかまって欲しいと過剰な欲求を抱くのです。 〔依存性人格障害〕は、比較的末っ子に多く、特に女性に多く見られます。母親が過度に干渉的で、子供が自立して何かをやろうとすると、危険だからと叱りつけ、従順だと溺愛することでこのような人格が出来上がるともいわれます。 DSM(精神障害の診断と統計の手引き)では、〔依存性人格障害〕を「過剰に面倒をみてもらいたい(構ってもらいたい)欲求があり、まとわり付く行動を取り、分離することを恐れる」と定義しています。 〔依存性人格障害〕は次の診断基準のような症状があるかどうかで診断されます。 ・他者からの過剰のアドバイスがなければ、物事を決定できない。 ・責任を負うために、他者を必要とする。 ・他者の賛同を失うことを恐れ、反対意見を述べることができない。(この恐怖は、現実的な評価を超えたものである) ・自ら物事を開始することができない。(これは自信の無さに起因する) ・他人の保護を得るために、不愉快なことまでを行う。 ・自らを保護することができないという肥大化した恐怖により、精神不安または無力感を覚える。 ・他者との密接な関係が終わると、過剰に不安になり、保護を得られる新しい者を探しだす。 ・保護してもらえなくなるという非現実的な恐怖に囚われている。 |