内服薬
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薬の中で内服薬というのは通常「飲み薬」と呼ばれているものです。大部分の場合、この薬は小腸で吸収されます。内服薬には下に示すような概ね4つの種類がありますが、水さえあればいつでもどこでも簡単に服用できるのが利点です。しかし、消化液や食べ物の影響を受けやすく、胃を刺激するものもあるので、服用には処方箋薬であれば医師の指導が必要ですし、市販薬の場合には取り扱い説明書をよく読むことも必要になります。
散剤(顆粒)
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薬剤を細かい粒子状にしたもの。小さな薬包袋に入っているものが普通ですが、非常に細かい粉状のものと顆粒状のものなどいろいろあります。
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錠剤(裸剤)
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薬成分を乳糖などで増量し、固めたもの。形状や大きさ、色などはまちまちですが飲みやすい大きさになっています。
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口腔内崩壊錠
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錠剤の一種ですが、口の中で溶け、水なしでも飲めるように工夫されている錠剤です。錠剤、カプセル、粉薬といったお薬に一つとして最近登場しました。飲み込み障害のある人には嬉しいタイプです。
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カプセル錠
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散剤をゼラチン製の容器(カプセル)に充填したもの。薬が体内のどこで吸収されるかや吸収速度を調整するためにカプセルの大きさや厚みなどが工夫されています。
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水薬
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薬剤をシロップなどの液に溶かしたもの。甘く味付けなどしてあって、幼児などには飲みやすいのですが、飲むときの分量の調節がなかなか難しいものもあります。
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注射薬
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体が不調になったときなど、何といっても薬の即効性が大切です。そんなとき活躍するのが注射薬ということになります。また、内臓疾患などの場合で薬の内服が困難な場合には、注射薬以外の方法がないという場合もあります。注射薬は消化管を経由せずに直接体内に注入するため、即効性があり、効果も確実です。
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坐薬
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坐薬は、肛門から挿入するタイプの薬です。肛門の粘膜を通して非常にすばやく吸収され効果も短時間で現れる特徴があります。この点では注射薬と同様な効果が期待されます。鎮痛薬などのように内服薬で治療しようとすると、胃腸障害を起こしやすい薬剤の投与方法として用いられます。
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軟膏
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皮膚の表面にオデキができたり、虫にさされたり、湿疹ができたりした場合に、皮膚に直接塗布する薬を軟膏とかクリーム、ローションなどといいます。皮膚の表面に部分的に塗布するだけなので全身的な副作用が起こることがなく安心です。
通常、乾燥した皮膚には軟膏を使用し、湿潤した皮膚にはクリームやローションタイプが使われます。
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貼付薬 (ちょうふやく)
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貼付薬というのは、肩こりや筋肉痛、腰痛などで不快な気分になった場合、シップ薬として皮膚に貼り付けるタイプです。いわゆる貼り薬は皮膚の表面から緩やかに皮膚内部に浸透して長時間効果を発揮するのが特徴です。また、最近では狭心症発作を抑えるために心臓上部の皮膚に貼る薬なども登場しています。
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舌下錠 (ぜっかじょう)
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舌下錠は、舌の裏側に入れて唾液で溶かしながら、口内の粘膜から血液に吸収されるタイプの薬です。内服すると分解されて効果がなくなってしまう薬剤に使用されます。舌下錠はかならず舌の裏側から吸収させる必要があるのです。
舌下錠の例としては、ホルモン剤や、狭心症の治療薬として有名なニトログリセリンなどがありますが、これらの舌下錠は飲み込んでしまうと、消化液の影響を受けたり、肝臓での代謝作用を受けたりして、全く効果がなくなってしまいます。
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吸入剤
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吸入剤は、呼吸することにより息と一緒に肺まで吸い込むタイプの薬です。肺胞の毛細血管から吸収されて全身に行きわたります。耳鼻咽喉科では吸入器(ネプライザー)を用いて局所治療にも用いられることがあります。
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