夜尿症・おねしょの治療方針
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通常の小児がおねしょをすることは普通のことなので、特別な治療法はありませんし、特別に治療する必要もありません。
おねしょを心配するお母さん方が、夜間、眠っている子供を起こしてトイレに連れていこうとすることがありますが、これはあまりよいことではありません。夜間にトイレに行くと、抗利尿ホルモンの分泌量が減少して、夜間の尿量が増加します。
おねしょの対処では「起こさない」「あせらない」そして「怒らない」が3大原則です。
しかし、小学校高学年(11歳以降)になっても毎晩おねしょしたり、おねしょの量がパンツやパジャマばかりかシーツが濡れるほどの多量だったりする場合には、夜尿症という病気として、成人の場合の尿失禁と同様な治療をしなければいけないこともあります。もしも、夜尿症という病気だったとしても、それが病気なら、適切な治療により必ず治りますので焦らずに治療してください。
ここでは、参考までに成人の場合の尿失禁の治療法を示しておきます。尿失禁の発症原因により異なります。通常、行われる治療法には「骨盤底筋体操」「薬物療法」「電気刺激療法」および「外科的療法」があります。
尿失禁の型に応じて、これらの治療法を単独あるいは併用して治療を行うことになります。
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骨盤底筋体操
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「腹圧性尿失禁」の治療で絶大な効果があるのは、「骨盤底筋体操」と呼ばれる方法です。この体操を始めると、大部分の人に、1~3か月くらいで目に見える効果がでてきます。
肛門と膣の「締める」→「緩める」→「締める」というパターンを繰り返します。これを行う動作は、椅子に座って、机に手をついて、仰向けにねて、立ち上がっている状態でなど自由ですが、5秒間「締め」たら、次に5~10秒間「緩め」、これを最低でも10回くらい繰り返します。苦しいですが、20回くらい頑張れるなら最高です。
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薬物療法
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腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁の治療に使われる医薬には、「抗コリン剤」「βアドレナリン受容体刺激薬」および「αアドレナリン受容体刺激薬」などがあります。
薬物療法は、尿失禁に適した医薬を正しく使用しないと、逆に症状が悪化したり、思わぬ副作用がでることがあるので、医師の指示に厳密に従わなくてはなりません。
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電気刺激療法
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膀胱のある部分の骨盤表面に電極を貼り付け、電圧と周波数と時間を調整しながら一定のパルスはを送り、これを一回の処方で20~30分くらい続けます。これにより、骨盤底筋群を鍛える効果が生まれます。
この療法は、切迫性尿失禁や腹圧性尿失禁の治療に効果があります。また、この刺激により膀胱が過敏に収縮するのが抑制できるとの報告もあります。
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外科的療法
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腹圧性尿失禁に対して、外科的な手術を行う療法です。例えば、開腹して膀胱と尿道の部分を恥骨の裏側に縫い付けて、後ろに落ちないように固定するなどの手術です。このような外科的療法には、「MMK法」「膀胱頚部つりあげ術」「スリング法」および「コラーゲン注入法」があります。
また、切迫性尿失禁の外科的療法として「膀胱拡大術」があります。膀胱自体を大きく作り直す外科手術ですが、治療効果が確実かどうか疑問も残ります。
外科的療法では、深刻な合併症が起こるとの情報もあるので、安易には行わない方がよいでしょう。
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