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幼児期または小児期早期の哺育・摂食障害とは |
幼児期または小児期早期において少なくとも1か月以上の期間にわたって、特別な身体的な障害がないのに、身体発育に必要な十分な哺乳や食事が摂取できず、体重がほとんど増えないか、著しく減少してしまうのが〔哺育・摂食障害〕です。 |
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〔哺育・摂食障害〕は、貧困のために食物摂取が不足するためなどではないのは勿論、消化器系やその他の一般的身体疾患、あるいは何らかの精神疾患が直接の原因で起こるわけではありません。 幼小児期の子どもでは生理的に食欲不振になることはよくありますが、これは一時的なものであり〔哺育・摂食障害〕ではありません。 しかし、子どもが小食になって体重が増えないなどの不安を抱えた母親や養育者が無理やり食べさせようと強制することで逆に拒食反応を引き起こしてしまいます。〔哺育・摂食障害〕は、多くの場合一過性であり、母親などが強制的に食べさせようとするなどの態度を改めれば改善することが多くなります。 母親の病的な養育態度、特に虐待や無視などがあると、哺育・摂食障害にとどまらず、更に深刻な〔情緒障害〕や〔反応性愛着障害〕などを誘起することにもなりかねません。どちらが先かは分かりませんが、〔反応性愛着障害〕のある子供に〔哺育・摂食障害〕が起きやすいとされます。 乳幼児自身に咀嚼や嚥下困難などの身体的原因があっても摂食障害は起こりますので、そのような観点からもよく観察することが重要です。母親などが不適切な態度で養育しないことが最も重要で、この障害の克服には親子の信頼関係醸成が不可欠です。 |
哺育・接触障害によくある子どもの特徴 |
拒食 |
食事中にいらいらが強くなり、なだめてうまく食べてくれない。 |
退行 |
赤ちゃん返り的症状や無感情状態になる。 |
発達遅延 |
親子の信頼関係が不安定で、精神的身体的な発達遅延が起こる。 |