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〔広汎性発達障害とは〕

 〔広汎性発達障害〕は、生まれつきの脳の器質的異常により発症する発達障害であり、略号では〔PDD〕とも呼ばれます。

 この障害は、あくまでも先天的な脳の器質的異常で発症するものであり、子供の育て方によって発症する障害というものではありません。

 〔広汎性発達障害〕は、「対人関係の異常」「コミュニケーションの異常」および「特徴的なこだわり」という三つの特徴を有する障害です。


広汎性発達障害の特徴
対人関係の異常  他人と視線を合わせることもなく、友達関係ができない、他人と興味を共有できない、感情を伝えあうこともない。

言葉やコミュニケーションの異常  言葉の遅れがあったり、まともな会話が成立しない。オウム返しのような特有な応答をする。また、遊びのルールや役割を理解できない。

特徴的なこだわり  非常に限定されたものにのみ興味を示し、周囲から見ると意味の無い習慣に極度にこだわる。体をくるくる回るなどの常同的行動を行う。


 このような特徴的障害のどれがより強く現われるかなどによって、次に示すようないくつかの種類があります。


広汎性発達障害の種類
自閉性障害  自分の世界の中でのみ生き、他人に興味を示さない。

レット障害  女児にだけ起こる進行性の神経疾患で、知能や言語・運動能力の遅滞、特定の動作を繰り返す特徴がある。

小児期崩壊性障害  2歳くらいまで正常に発達していた小児が、徐々に社会性やコミュニケーション能力、想像力などを失ってしまう障害です。

アスペルガー障害  社会性・興味・コミュニケーションに特異性が認められる障害です。コンピューターや数学、天文学、地理、恐竜などのような特定分野へ強いこだわりを持ちます。

特定不能の広汎性発達障害  上記の障害と類似の症状があっても、それらの診断基準には当てはまらず、また他の疾患によるものでもないとき、特定不能と診断される。


広汎性発達障害はどんな病気ですか? ◆〔広汎性発達障害〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
広汎性発達障害は
どんな病気ですか?

 〔広汎性発達障害〕は、いわゆる〔自閉性障害〕と呼ばれる一連の障害の総称です。この障害は英語では〔Pervasive Developmental Disorders〕と呼ばれる障害であり、通常〔PDD〕と呼ばれます。

 広汎性発達障害は〔自閉症スペクトラム〕とも呼ばれるいくつかの種類がありますが、子供の育て方によって発症する障害というものではなく、いずれも生まれつきの脳の器質的異常により発症する先天性発達障害です。

 「自閉」という言葉のニュアンスからは、いわゆる「引きこもり」という症状を想起してしまいがちですが、それは広汎性発達障害の一側面にすぎません。

 広汎性発達障害は、「対人関係の異常」「コミュニケーションの異常」および「特徴的なこだわり」という三つの特徴を有する障害です。

広汎性発達障害の種類

 広汎性発達障害の特徴的症状は、「対人関係の異常」「コミュニケーションの異常」および「特徴的なこだわり」の三つですが、これらの特徴的障害のどれがより強く現われるかなどによって、広汎性発達障害の種類には、〔自閉性障害〕〔レット障害)〕〔小児期崩壊性障害〕〔アスペルガー障害〕および〔特定不能の広汎性発達障害〕などの種類があります。

 典型的な障害は、これら三つの障害をすべて持つもので、〔自閉性障害(自閉症)〕と呼ばれています。何事にも反応が鈍感で、コミュニケーション能力を欠き、同じ行動を何度でも繰り返したりします。自閉症には、〔小児自閉症〕や〔非定型自閉症〕などがあります。

 また、対人関係に異常があり、特徴的なこだわりだけを有するものは〔アスペルがー障害(アスペルガー症候群)〕と呼ばれています。

 更に、これらに分類されないものとして〔特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)〕と呼ばれるものもあります。

広汎性発達障害の種類
自閉性障害  〔自閉性障害(Autistic Disorders)〕の基本的特徴は、3歳くらいまでに、次に示すような三つ障害を呈するものをいいます。この障害は〔自閉症〕と呼ばれることもあります。

 ・対人相互反応の質的な障害
 ・意思伝達の著しい異常またはその発達の障害
 ・活動と興味の範囲の著しい限局性

 自閉性障害の発症率は、子どもの0.1~0.2%です。

レット障害  〔レット障害(Rett's Disorders)〕は、生後2~3歳くらいまでは正常に成長を遂げてきた子どもが、それ以降になって、進行性の脳障害を発症し最終的に重度の精神遅滞をともない、生涯にわたって車椅子での生活を余儀なくされる障害です。

 この障害の原因は、性染色体のX染色体上に存在する「MECP2遺伝子」の突然変異によって起こることが知られていて、女児だけにしか発症しません。

 MECP2遺伝子は重要な遺伝子で、少なくともひとつは正常でないと発生初期で死んでしまいます。

 従って、性染色体の型が「XY」である男子では、X染色体をひとつしか持たないため、ここに異常が起こると発生初期で死んでしまい誕生することがありません。

 一方、「XX染色体」を持つ女子の場合には、一方のX染色体に異常があっても、成育して生まれてきます。このため、レット障害は女児だけにしか発症しない特徴があるのです。

 レット障害の発症率は、女児10万人に対して6~7人程度とされています。

小児期崩壊性障害  〔小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorders)〕は、少なくとも2歳くらいまでは正常に成長してきた子どもが、その後になって、「対人反応障害」や「有意味語消失」と呼ばれるような精神発達が退行してしまう障害です。

 典型的な症状では、人との対応がうまく出来なくなることや、有意味語消失と呼ばれるように、意味のある言葉がなくなるのが特徴的です。特定の興味分野に執着したり、同じ行動を繰り返す「常同行動」をすることもあります。

 小児におけるこの障害の有病率は、ごく低く0.01%程度ですが、男児の方が多いです。

アスペルガー障害  〔アスペルガー障害(Asperger's Disorders)〕は〔アスペルガー症候群〕とも呼ばれる障害で、「社会性」「コミュニケーション」および「興味」について特異性が認められる障害です。

 症状としては自閉症的な面も持つが、多くの場合、知能指数(IQ)は知的障害領域にはなく、コンピューターや数学、天文学、地理、恐竜などのような特定分野へ強いこだわりを持ちます。

特定不能の広汎性発達障害  〔特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS:Pervasive Developmental Disorder - Not Otherwise Specified)〕は、〔自閉症〕や〔アスペルガー障害〕と類似の症状があるものの、〔自閉症〕や〔アスペルガー障害〕の診断基準には当てはまらない、広汎性発達障害と考えられる障害です。

 自閉症やアスペルガー症候群と特定不能の発達障害とを厳密に識別することは困難であり、診断上でも揺れがあると考えられます。

 しかし、広汎性発達障害の三つの主要要素「社交能力の欠如」や「コミュニケーション能力の乏しさ」「思考・想像力の欠如」の内、1つあるいは2つだけが該当するとき、PDD-NOSと診断されることがあります。

 ちなみに、DSM-Ⅳ-TR(アメリカ精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアル第4版)によると、特定不能の広汎性発達障害は、次のように定義されています。

 「対人相互反応に重症で広汎な障害があり、言語的または非言語的コミュニケーション障害や常同的で制限された興味や行動、活動を伴っているが、他の特定の広汎性発達障害や統合失調症、統合失調症型人格障害、回避性人格障害の基準を満たさない場合」



広汎性発達障害はどんな症状ですか? ◆〔広汎性発達障害〕の症状をご説明します。
広汎性発達障害の症状

 広汎性発達障害の基本的症状は、次に示すような三つの領域における質的異常を特徴としています。これらの異常は、幼児期早期から家庭内ばかりでなく社会生活場面において広く現われます。

 これらの異常のうち、どの異常が主体として現われてくるかなどによって、障害名が異なります。症状の具体的な出現状況は、年齢あるいは発達状態によって変化しますが、その特徴が消失することはありません。

 広汎性発達障害を有する大部分の幼児において、〔感覚過敏症状〕があり、特定の刺激に対して極度の苦痛や不快感を示して拒否したり回避したりします。

 たとえば、聴覚においては救急車やパトカーのサイレン音、雑踏の音、機械的な音、ピストルの音などが不快や苦痛のもととなります。味覚が異常になり結果として極端な偏食になることがあります。また、絵本の特定のページが好きになったり、抱かれたり、皮膚に接触することを嫌ったりします。

広汎性発達障害の基本的症状
対人関係の異常  他人と視線を合わせることもなく、友達関係がつくれない。

 他人と興味を共有できず、感情を伝えあうこともない。

 相手の気持ちが理解できない、その場の雰囲気に合った行動が取れないなど、対人的相互反応における質的障害が認められます。

言葉やコミュニケーションの異常  言葉の遅れがあったり、会話がつなげない、まともな会話が成立しない。

 言葉の使用に誤りがあったり、オウム返しのような特有な応答をする。

 また、遊びのルールや役割を理解できないなどコミュニケーション上の異常が認められます。

特徴的なこだわり  行動や興味、活動が非常に限定的で、周囲から見ると意味の無いような習慣に極度にこだわりを示します。

 身体の特定部位を回したりするなどの行動を、常同的に何度でも反復したりします。



広汎性発達障害の原因は何ですか? ◆〔広汎性発達障害〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
広汎性発達障害の原因

 広汎性発達障害は、先天的な脳の機能障害、あるいは中枢神経系の成熟上の異常など生物学的要因によって、乳幼児期や児童期に発症する障害であると考えられています。

 両親からの遺伝は発症に強く関係すると考えられますが、両親の育児の仕方や劣悪な養育環境などが発達障害の発症原因になることはありません。

 遺伝とは別の問題として、胎児性風疹、フェニルケトン尿症、結節性硬化症、染色体異常などの疾患や身体器質が原因になることがあるとも考えられています。


広汎性発達障害の診断はどうなりますか? ◆〔広汎性発達障害〕の検査方法や診断方法をご説明します。
広汎性発達障害の診断

 広汎性発達障害は、「DSM-IV-TR(米国精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアル第4版)」あるいは「ICD-10(世界保健機関の国際疾病分類第10版における広汎性発達障害」に準拠して診断することになります。

 診断においては、患者本人の問診や観察のほか、家族、幼稚園や学校の先生、保育者からの話も聴取して、広汎性発達障害の三つの基本領域での症状を確認します。


広汎性発達障害の治療はどうやりますか? ◆〔広汎性発達障害〕の治療方法をご説明します。
広汎性発達障害の治療

 この障害の基本的な治療方針は、子どもが障害をもちながら成長し、日常生活を営む上で必要となる適切な支援を行う療育をしていくこととなります。

 このような支援は、障害の特徴や程度によって適切に行われる必要があり、その方法などは年齢、発達段階などによって異なります。

 残念ながら、現在のところ広汎性発達障害の症状を改善する医薬は存在しません。しかし、この疾患に伴って発症する、てんかん症状や不眠、不安、恐怖などの情緒的問題を緩和したり、行動上の問題などを改善する対象療法としての医薬の使用は行われることがあります。

 障害について気づいたときには、乳幼児健康診断の担当保健師や地域の障害児童福祉の窓口である児童相談所の担当者に相談することをお勧めします。医療機関で診断をしてもらう場合は、発達障害に詳しい小児科医や小児神経科医などを受診することがよいでしょう。