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心の病気

 

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〔心の病気〕

◇幼児期・小児期・青年期障害◇

学習障害


 〔学習障害〕は、いわゆる「IQ:知能指数」が90以上もありながら、学習に関する中枢神経機能が障害されていて、集中力、記憶力、言語機能、視的空間認知力、時間・順序認知力などがうまく機能できない障害をいいます。

 文字を読む能力、算数の能力、文字を書き出す能力などが標準よりかなり不足する状態です。

 また、器用さともいわれる緻密な運動神経機能や概念形成、推理、創造性などの高度認知能力や社会的認知能力に問題をもっていることもあります。


 これらの機能の少なくとも一つ以上が障害されていることで、発達性語盲、発達性失語症などの状態が起こります。更に、読書や文字を書く能力にも問題が起こり、計算が困難であったり、注意欠陥多動障害と呼ばれる症状も呈することがあります。

 1995年3月に旧文部省の協力者会議では、〔学習障害〕を「全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す様々な障害をさす」と定義しています。

 ここでいう学習障害は、あくまでも知能指数が90以上もある場合であって、例えば、〔精神遅滞〕や〔難聴〕〔視力障害〕〔自閉症〕などのような、学習に関する中枢神経機能以外の原因による障害とは別のものです。同様に文化や不適当な教育に起因するもの、心理的や言語的要因などの環境要因が原因となって起こる障害とも別物です。

主な学習障害
読字障害  読みの正確さや理解力が年齢相応に期待されるよりも十分に低い。
算数障害  算数の正確さや理解力が年齢相応に期待されるよりも十分に低い。
書字表出障害  文章を書いたりする解力が年齢相応に期待されるよりも十分に低い。
特定不能の学習障害  読字、算数、書字表出の個々の能力はそへほど低くないが、全体として年齢相応に期待されるよりも十分に低い。


学習障害 ◆〔学習障害〕の種類や判定についてご説明します。
学習障害  読字障害・算数障害・書字表出障害・特定不能の学習障害は、次のように判定される。

学習障害の判定
読字障害 A.読みの正確さと理解力についての個別施行による標準化検査で測定された読みの到達度が、その人の生活年齢、測定された知能、年齢相応の教育の程度に応じて期待されるものより十分に低い。

B.基準Aの障害が読字能力を必要とする学業成績や日常の活動を著名に妨害している。

C.感覚器の欠陥が存在する場合、読みの困難は通常それに伴うものより過剰である。

算数障害 A.個別施行による標準化検査で測定された算数の能力が、その人の生活年齢、測定された知能、年齢相応の教育の程度に応じて期待されるものより十分に低い。

B.基準Aの障害が算数能力を必要とする学業成績や日常の活動を著名に妨害している。

C.感覚器の欠陥が存在する場合,算数能力の困難は通常それに伴うものより過剰である。

書字表出障害 A.個別施行による標準化検査(あるいは書字能力の機能的評価)で測定された書字能力が、その人の生活年齢、測定された知能、年齢相応の教育の程度に応じて期待されるものより十分に低い。

B.基準Aの障害が文章を書くことを必要とする学業成績や日常の活動(例:文法的に正しい文や構成された短い記事を書くこと)を著名に妨害している。

C.感覚器の欠陥が存在する場合、書字能力の困難が通常それに伴うものより過剰である。

特定不能の学習障害  このカテゴリーは、どの特定の学習障害の基準も満たさない学習の障害のためのものである。

 このカテゴリーには、3つの領域(読字、算数、書字表出)のすべてにおける問題があって、個々の技能を測定する検査の成績は、その人の生活年齢、測定された知能、年齢相応の教育の程度に応じて期待されるものより十分に低いわけではないが、一緒になって、学業成績を著名に妨害しているものを含めてもよい。