結膜下出血の診断は、目視だけでも十分分かるのですが、スリットランプ(細隙灯顕微鏡)を用いて容易に診断できます。この装置はどの眼科医にも必ず装備されている眼科検査法の基本的な検査機器です。
結膜下出血だけの診断であれば、白目表面だけを診ればよいのですが、眼球内の症状がないかどうか詳細に調べるにはスリットランプが強い武器となります。
通常、散瞳検査といって、目薬で瞳を開かせ、眼球内を検査します。
・瞳を広げる目薬を点眼します。
・20~30分くらいで効果が現れ、瞳が広がります。
・瞳が広がった状態で目の内部を診察します。
開いた瞳の内部に非常に幅の狭い細い隙間から出される光線を角度を変えながら照射して、双眼立体顕微鏡で眼球全体の状態を調べます。スリットとは幅のせまい光線のことです。
目の内部全体を明るく照らしてしまうと、透明な水晶体の異常は見えにくいのですが、幅の狭いスリット光線を照射すると、濁りなどが鮮明に見えるようになるのです。水晶体などの目の組織は透明ではあってもまったく無構造というわけではないので、スリット光線を当てると組織の断面が見えるようになります。映画館の光線の中に空気中のチリが見えるような現象です。
この検査法では眼底や水晶体の隅々まで詳細に調べることができます。散瞳検査は眼の病気を早い段階で発見するための優れた機器です。
白目の出血が繰り返し起こるような場合には、眼球内を含めた眼の病気の可能性や、更に結膜下出血の誘因となる全身的疾患が潜んでいる可能性もあるので、血液検査や内科的検査などが必要となることもあります。
|