インフルエンザに感染して早期に診断されれば、薬による治療が可能ですが、インフルエンザの症状を無くすような薬はありません。現在、使用されている薬は、インフルエンザの激しい症状が続く期間を1日程度短くするくらいの効果しか期待できないのが現状です。
インフルエンザに罹らないような予防も含めて、インフルエンザの治療方法をまとめてみると下表のようになります。
ワクチンによる予防 |
ワクチンはインフルエンザの予防に有効ですが、毎年流行するインフルエンザの型は変異するので、その年に流行の兆しのあるワクチンでないと効果はありません。また、ワクチンは接種後、効果がでるまでに2週間は必要なので、感染の2週間前以前に接種しないと効果はでません。
ワクチンは、特に60歳以上の高齢者において顕著な効果を発揮しますので、流行の兆しがあれば、高齢者の接種は好ましいことです。
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抗ウイルス薬 |
A型インフルエンザに対して、発病後2日以内に塩酸アマンタジンという薬を用いれば、症状のでる期間を約1日短縮する効果があります。
A型、B型インフルエンザに対して、発病後2日以内にザナミビル水和物、リン酸オセルタミビル(タミフル)という薬を用いれば、症状のでる期間を約1日短縮する効果があります。
しかし、タミフルを用いると、突然、裸で外に飛び出すとか、ベランダから飛び降りるなど奇行が起こるとの報告が多数あり、子供などが服用する場合には、保護者が四六時中にわたって監視するなどの覚悟が必要です。
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薬による対症療法 |
インフルエンザにより現れる症状を緩和するために対症療法薬が使用されます。対症療法薬には、主に総合感冒薬、消炎鎮痛剤、鎮咳剤などでが使用されます。
子供に対するインフルエンザ治療薬としての解熱鎮痛薬は、慎重に選定されます。解熱剤のアセトアミノフェン(商品名アンヒバ、アルピニー、カロナールなど)は安全性が高い薬で解熱目的に使用されます。
しかし、非ステロイド抗炎症薬のボンタール、ボルタレン、およびサリチル酸系のアスピリンなどは、解熱目的としては使用しないことになっています。これらの薬は急性のインフルエンザ脳症を引き起こす可能性が大きいからです。
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栄養摂取など |
インフルエンザを早く治すためにも体力の維持は必要です。できるだけ消化のよい食べ物で栄養を摂るようにします。また、十分な水分の摂取も欠かせません。
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家庭内での養生 |
苦しい症状をともなうときは、できるだけ安静にしていることが絶対的に必要です。室内の空気が乾燥しているなら、加湿器で湿度を調節したり、蒸気吸入をすると症状が緩和されます。
寒気があるときは、身体を温めます。発熱があり体温が上がったときは着衣や布団を薄めにして熱を逃がすようにします。
微熱程度でならば、お風呂に入ることはできますが、高熱があるときは控えた方がよいでしょう。
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外出 |
他のヒトにインフルエンザを移さないためにも、できるだけ外出しないことがいいのですが、仕方なく外出する場合でも人混みは避けるようにします。また、外出から帰ったときは、うがいや手洗いをします。
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