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〔内分泌・代謝の病気〕

痩せ症


 〔痩せ症〕は、次のような様々な呼び名で呼ばれる病気の総称あるいは仮称で、多分に精神疾患的要素を持つ病気です。

 ・神経性食欲不振症
 ・摂食障害
 ・神経性無食欲症
 ・神経性食思不振症
 ・思春期痩せ症
 ・アノレクシア・ネルヴォーザ


 痩せ症には、このような精神疾患性のものではなく、何らかの肉体的疾患があって、それが原因で痩せる場合があります。次の二つがその典型的な疾患となります。

  ・糖尿病
  ・バセドウ病

 また、いわゆる〔体質的な痩せ症〕と呼ばれるものもあります。こちらの場合は、検査などでは特別な病気なども見当たらない、本当は太りたいのに太れないという深刻なものとなります。


 このような、太りたいのに太れないタイプの痩せ症を持つ人たちは、それなりに食欲もあり普通に食事もしているのにどうしても太れない、食べているのに痩せてしまうという悩みを抱えている人たちです。

 病院でいろいろ検査してもらっても原因が分からないことがほとんどです。

 自分の痩せ症がどのような原因によるものか突き止めて治療をすることが最善ですが、原因不明の場合には、生活習慣を正しくすることも改善の切欠になりますので、諦めずに治していきましょう。病気なら適切な生活習慣や適切な治療によりきっと治せます


どんな病気ですか? ◆「痩せ症」とは、一体どんな病気なのかの説明です。
どんな病気ですか?

 既にお話したように、痩せ症には「精神疾患性の痩せ症」「何らかの肉体的疾患のある痩せ症」および「原因不明で体質的と呼ばれる痩せ症」があります。

 痩せ症の定義というものは特にはないのですが、自分の身長や体重から計算される「標準体重」より15%以上も少ない場合には、痩せ症と考えてよいかと思われます。いわゆる肥満症の逆です。

 身体が痩せていても、3~5年以上もの長期間に亘ってそれが安定的に続いているなら、特別に問題にする必要はないのですが、1年以内くらいの短期間に急激に痩せ始めた場合には、何らかの原因があるとみて病院で診断してもらうことが必要です。

 また、精神的な問題もなく、身体的な疾患もないなど、どうしても原因が分からない場合の痩せ症では、生活習慣を正しくすることが太るための一番の早道かも知れません。

痩せ症の三つのタイプ

 このように、痩せ症には大きく分けて、三つの種類がありますが、このページでは仮に「精神疾患型痩せ症」と「肉体疾患型痩せ症」および「体質型痩せ症」と呼ぶことにします。体質型痩せ症は「原因不明型痩せ症」と呼ぶ方が適切かも知れません。

痩せ症の分類
精神疾患型痩せ症

 若い女性などでは思春期の痩せ願望から、きちんとした食事も摂らず無理なダイエットに挑戦する人がいます。食事をしても、無理やり吐き出したりする異常行動に走る少女なども増えています。

 美人タレントなどに憧れて自分もスリムで美しい身体になりたいという羨望が強いあまり、行き過ぎたダイエットを繰り返し、本当はもう十分にスリムな身体になっているのに、まだ太っていると思い込むタイプです。

 際限なく、もっと痩せたいと願望するようになり、十分な食事を摂らなくなるときは、摂食障害という精神疾患の可能性が強い痩せ症です。

 このタイプの痩せ症は、「摂食障害」や「拒食症」などの精神疾患として治療しなくてはなりません。

肉体疾患型痩せ症

 特に中年以降の年代の人で、非常に短期間に痩せはじめた場合には、がんを代表とする肉体的疾患が進行しはじめた可能性が大です。このような場合には、早期に病院での診断を受けなければなりません。

 慢性的に胃腸の調子が悪かったり、入れ歯の具合が悪くて食べ物が十分に咀嚼できないような場合にも、食べたものが胃腸で十分に消化吸収できなくなって、カロリー不足を招くことで痩せることもあります。このようなときは、胃腸病の治療や歯の治療をしなければなりません。

 身体的疾患で最も深刻なのは、糖尿病やバセドウ病がある場合です。これらの病気になると、短期間に急激に痩せる症状などが現れますが、その辺りのことは症状のところでご説明します。

体質型痩せ症

 本当は太りたいのにどうしても太れないというタイプです。食事だって毎日三食きちんと摂り、栄養バランスにも十分に気をつけているのに、どうしても太れないというタイプの痩せ症です。

 この痩せ症は、体質的なものであり、身体的な検査などを繰り返してもなかなか原因がつかめないタイプです。正しい生活習慣の維持、改善が大切で、これにより太ることができることもあります。

 「毎日三食」をモットーとし、良質のたんぱく質を含んだバランスのよい食事をすること、時間を掛けてよく噛むことが第一です。肉類だけでなく、魚や野菜、海藻類なども摂取しなくてはなりません。

 次に、散歩など適度な運動を行うと体調も整ってきます。万歩計を付けて、毎日少なくとも5000歩は歩くように努めます。軽い運動を継続すると適度な筋肉もついて体重も増えてきます。



どんな症状ですか? ◆「痩せ症」の症状の説明です。
痩せ症の症状

 痩せ症の症状は、「精神疾患型痩せ症」と「肉体疾患型痩せ症」および「体質型痩せ症」とでは、その症状も異なりますので、ここではそれらを区別してご説明します。

痩せ症の症状
精神疾患型痩せ症

 精神疾患型痩せ症の典型的なものは、「摂食障害型」あるいは「拒食症」とも呼ばれる痩せ症です。この型の痩せ症では、ダイエット願望が余りにも強く、本当は食欲があるのに食物を摂取することを嫌悪したり拒み続けたりします。拒食症の人は、ダイエットにこだわるあまり、極端な痩せ願望を抱くのです。

 もう十分に痩せているのに、自分はまだ太りすぎていると信じ込んだり、顔や下腿など身体の特定部分がひどく膨らんでいると感じたりします。このため、体重の増加に対する極端な嫌悪感、恐怖感を抱き、ますます食事を摂らなくなるのです。

 結局、拒食症になると健康を維持する為の適切な食事を摂ることが出来ず、食べても嘔吐したり、下剤で出してしまうといった症状が見られます。

 このような症状は、三十歳以下の若い女性に多く発症します。女性タレント並みのスマートな体形に憧れてのダイエットから始まることが多い病気です。

 外見上、拒食症の人はとても活発で、仕事も学業も普通以上にこなします。しかし、継続的な栄養不足のために、心臓や他の臓器、血液などには多くの障害が現れ、最終的には全身がボロボロの状態になってしまいます。

 拒食症になると、持続的な摂食拒否、摂食嫌悪などの結果、高度の痩せ、夜の不眠、低体温、胃もたれ、便秘、手足のむくみ、低血圧、女性の無月経など多くの症状が認められるようになります。

 この状態では、十分な栄養分が摂取できないために、生命の危険に晒され、極端な場合には餓死してしまいます。信じがたいことですが、拒食症での餓死率は4~5%にも及びます。

肉体疾患型痩せ症

 何らかの身体疾患が原因で痩せ症の症状が出る場合がありますが、その典型的なものは「糖尿病」と「バセドウ病」の二つです。これらの場合の症状は次のようなものとなります。

身体疾患による痩せ症の症状
糖尿病

 糖尿病が本格的な発病段階になると、食事を摂取してもインシュリンの量が不足するために消化吸収がうまくできません。そのために食物を食べても栄養として活用することができず、極端に痩せが進行してしまいます。

バセドウ病

 バセドウ病は、甲状腺の働きが異常に高まり、身体の新陳代謝を休むことなく加速し続けます。このため、常にジョギングしているような亢進状態が続き、エネルギーを急激に消費してしまうので、太ることができません。

 バセドウ病では、脈拍が早くなり、動悸が強くなり、汗をかき、微熱がでるようになります。そして特徴的なのが異常な食欲があるのに、体重が減少します。精神的にも不安定でイライラや不眠にも悩まされます。

 この病気が進行すると、顔つきもきつくなり、眼球突出という目が飛び出すような特有な症状も現れます。女性の方が男性の3~5倍くらい多い確率で発症します。

 この病気は、検査で容易に診断できますので、疑いのある人はすぐに医師の診断を受けることが大切です。バセドウ病であれば、薬物療法で確実に改善もできます。

 甲状腺機能に関連する詳しい説明は「バセドウ病」を参照して下さい。


体質型痩せ症

 体質的な痩せ症の人では、食事も普通に摂取しカロリーも十分摂っているのに太れないという悩みがつきまといます。いろいろな身体の検査も受けるのですが、原因が分からないことがほとんどです。

 このような人では、しばしば慢性的で原因不明の下痢をすることがあります。牛乳が苦手で、牛乳を飲むとすぐに下痢をします。プリンなどミルク入りの食品やお菓子類を食べるとすぐに気分が悪くなり、見るのも嫌と思うようになります。また、胃下垂気味の人が多いようです。

 体質型の痩せ症でも、しばしば摂食障害での痩せ症と共通的な現象が見られます。ダイエット願望型の人では、極端に拒食が続くと今度は反動で過食に転じてしまい、大食してそれをすぐに吐き出してしまいますが、体質型の人では、太りたいという焦りがつのり、何でも大量に食べようとします。そして、やはり食べ過ぎて吐き出してしまうのです。



原因は何ですか? ◆「痩せ症」の原因や発症の仕組みの説明です。
精神疾患型痩せ症の原因

 いわゆる摂食障害の痩せ型(拒食と過食の繰り返し)は、精神的な病気です。心の病気が原因で起こる摂食障害では、「食事拒絶」と「無茶食い」という二つの症状があり、多くの場合にその両方を交互に繰り返します。

摂食障害での痩せ症
食事拒否

 このタイプ(あるいは症状の期間)では、無茶食いもせず、吐き出したりもしないのですが、食事の量を極度に減らすようになり、栄養不足やカロリー不足で痩せてきます。

無茶食い

 このタイプ(あるいは症状の期間)では、規則的に無茶食いをし、食べたものをすぐに排泄してしまうために太れません。自己誘発的に喉の奥に指を入れて吐き出したり、下剤を飲んだり、利尿剤を服用したり、浣腸を使って排泄したりします。このような行動を何度でも繰り返します。食べてもすぐに吐き出してしまうので栄養不足となり太れません。


肉体疾患型痩せ症の原因

 痩せ症の明確な原因疾患が分かっている場合には、肉体疾患型痩せ症と考えることができます。既にご説明したように、典型的な病名には、糖尿病やバセドウ病がありますが、これらはそれぞれの病気を正しく治療することで痩せ症も自然に改善することができます。

 脳の視床下部の病変や脳下垂体の機能不全、あるいは副腎皮質ホルモンの産生不足などがあると、極度の痩せ症が出現することもあるとされます。

体質型痩せ症の原因

 体質型の痩せ症では、食事は毎日三食きちんと摂っているのに太ることができません。体質的なものが主体で、真の原因はよく分からないのが普通ですが、いくつか原因と考えられるものがあります。

体質型痩せ症の想定される原因
消化器系疾患

 体質的に胃腸など消化器系が弱い人や胃下垂などの人、胃から腸への食物の移動速度が速すぎる人では、たとえ十分な食料を食べても、胃腸での消化不良のために栄養分が十分に吸収できず、痩せ型の原因となります。

拒食・過食繰り返し

 摂食障害と同様に、無茶食いと強制排泄を繰り返すような場合にも、栄養不足となり太れません。

生活習慣

 食べた食物がしっかり吸収されて血となり肉となり骨となるためには、十分に消化されなくてはいけません。生活が不規則であったり、偏食が強かったり、早食いであったりすると、栄養分は十分に吸収されなくなります。

 早食いすると、よく噛まなくなり、唾液が食物と十分に混ざることなく胃へ入ってしまいます。よく噛み、唾液が食物とよく混ざっていれば、栄養分の吸収がよくなるのですが、早食いすると、唾液量の不足で消化も悪くなり、太ることができません。

 偏食は、栄養バランスを欠くのでこれも太るためには致命傷となります。お菓子類の食べ過ぎ、野菜不足などは駄目です。良質なたんぱく質の摂取も不可欠です。

 更に、生活習慣が悪く、不規則な生活で一日三食が摂取できなかったり、時間間隔がまちまちだとやはり消化不良を起こしてしまい太れません。また、喫煙習慣は太るためには致命的に悪影響があります。



診断はどうなりますか? ◆「痩せ症」の検査方法や診断方法の説明です。
痩せ症の診断

 痩せ症の診断は簡単です。基本的には標準体重などに対して大きく乖離(かいり)していれば痩せ症と診断されます。ただし、痩せ症と診断されても原因が分かったことにはなりません。精神疾患的な原因なのか、何らかの肉体的な病気が原因なのか、持って生れた体質的な問題なのか、あるいは悪い生活習慣が原因なのかを見極める必要があります。

痩せ症の診断基準
体重乖離

 年齢と身長に対応した標準体重の最低限以下であれば痩せ症です。

 それ以上の体重を維持しようとしないで、正常体重の85%以下の体重が続いたり、体重減少があったりする場合も痩せ症です。

 更に、成長期間中に期待される正常な体重の増加がなく、期待される体重の85%以下となっている場合も痩せ症です。

恐怖心の存在

 体重が明らかに不足しているのに、体重が増えること、または太ることに対して強い恐怖がある場合は痩せ症です。

認知障害

 自分の体重や体型に対しての感じ方に異常がある場合、たとえば体重が十分痩せているのにまだ太っていると感じたり、顔や下腹部などの特定部位の体型が本当は普通なのに、過剰に太っていると感じる場合は痩せ症です。

 更に、現在の低体重に対して重大さを大したことはないと否認するなら痩せ症です。

月経不順

 初潮後以降の女性で、月経周期が連続して、少なくとも3回以上の無月経状態が起こるようなら、痩せ症です。

 女性ホルモンのエストロゲン剤などを投与後にだけ月経が起きる場合にも無月経とみなされます。



治療はどうやりますか? ◆「痩せ症」の治療方法の説明です。
痩せ症の治療

 精神疾患型痩せ症と肉体疾患型痩せ症、体質型痩せ症では、治療法も異なりますが、共通的なことも多々あります。

 精神疾患型の中の摂食障害型の治療では、一般に精神疾患としての治療法が必要です。それなりの努力は必要ですが、摂食障害型の痩せ症も一種の病気ですから、適切な治療を根気よく続けることで治癒できます。諦めないことが大事です。

 肉体的な病気がある場合には、その治療に専念することで、病気の治癒と併行して痩せ症も改善されるはずです。

 体質型の痩せ症の人では、必ずしも適切な治療法がないこともありますが、重要なことは、少なくとも生活習慣を正しくすることです。

痩せ症によい生活習慣
食事習慣

 基本的に、一日三食を原則とし、規則正しい時間に食事をすることが大切です。

 栄養のバランスに注意し、良質なたんぱく質の他、野菜、果物、海藻類などをバランスよく摂取します。

 食事時には、よく噛み唾液を食物と混ぜることが、胃腸での栄養分の吸収を高めるので大切です。お菓子類は、糖分の過剰摂取でビタミン類を破壊しやすくなり、筋肉が減少し脂肪分だけが付くようになるので要注意です。過剰なお菓子類の摂取は、栄養分の吸収を悪くするので、適量を守りましょう。

 最近、注目されている五穀米や発芽玄米も良いかも知れませんが、これらは必ずしも消化がよくないので、しばらく続けてみてかえって調子が悪くなるようなら、すぐに止めにします。人により効果には個人差がでてくる食品だからです。

運動

 毎日、簡単な運動をするように心がけます。万歩計をつけて、あるいは携帯電話の万歩計機能を用いて、少なくとも毎日5000歩は歩くようにします。10000歩以上では、エネルギーを消耗しすぎて逆効果になることもあるので、やり過ぎには気をつけます。

 継続的な運動で体調がよくなってくれば、栄養分の吸収がよくなり、太るようになってくるはずです。

書籍

 いろいろな努力を続けてきたのに、なかなか効果が得られないときには、掛かりつけの病院で医師の話を聴いてみることが大切ですが、その前に、下記に示すような書籍を参考にするのもよいでしょう。