糖尿病の基本的な治療法は、食事療法です。これにより肥満を防ぐことが何より大事だからです。
糖尿病腎症では、食事療法はとても複雑になります。糖尿病に対する食事療法と、慢性腎不全などに適応する食事療法の両方を行わなければなりませんが、これらは互いに矛盾する面があるため、複雑になるのです。
日本腎臓学会が定め推奨する各病期ごとの「ガイドライン」があるので、その一部を抜粋して表に示します。表中の総エネルギーやたんぱく質の計算に用いている [kg] とは標準体重のことです。
病期区分 |
総エネルギー [kcal/kg/日] |
たんぱく質 [g/kg/日] |
食塩 [g/日] |
カリウム [g/日] |
第1期 腎症前期
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25~30 |
- |
制限せず |
制限せず |
第2期 早期腎症
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25~30 |
1.0~1.2 |
制限せず |
制限せず |
第3期A 顕性腎症前期
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25~30 |
0.8~1.0 |
7~8 |
制限せず |
第3期B 顕性腎症後期
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30~35 |
0.8~1.0 |
7~8 |
軽度制限 |
第4期 腎不全期
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30~35 |
0.6~0.8 |
5~7 |
1.5 |
第5期 透析療法期
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維持透析患者の食事療法に準じた特別な食事療法
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尚、食事療法とは限りませんが、〔糖尿病性腎症〕の治療には、生活習慣の改善も絶対的に重要です。次のような点にも十分注意して日常生活を行いましょう。
・減塩食を心がける。
・暴飲暴食しない。
・夜食は避ける。
・脂肪分の多い料理を控える。
・原則禁酒・禁煙とする。
・適度な運動を継続する。
・肥満にならないよう注意する。
・ストレスをためない。
・たんぱく質の摂取を医師の指示に従って制限する。
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