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体の病気

 

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〔身体の病気〕

◇生活習慣病の病気◇

エコノミー症候群


 〔エコノミー症候群〕は、〔エコノミークラス症候群〕とか〔エコノミーシンドローム〕などとも呼ばれる病気ます。

 飛行機などの乗り物で窮屈な姿勢で長時間座っていた人の足の血管内に血液の塊、血栓ができてしまう病気のことで、正式名称は〔静脈血栓塞栓症〕といいます。


 長時間同じ姿勢で座り続けていると、血管内の水分が血管の外にしみ出てくるため、足がむくんだりします。水分を補給して血液中の水分を補充すればまだよいのですが、水分の代わりにアルコールを飲むと、血液中の水分はますます減少してしまい、ますます危険になります。

 一旦血栓ができてしまった後で急に立ち上がって歩き回ろうとすると、血栓が血流に乗って移動し、肺にある細い血管を詰まらせてしまう危険性が増大します。特に、肥満の人は静脈が圧迫されやすく危険だとされています。


 エコノミー症候群は飛行機だけに限ったものではなく、タクシー運転手などが発症し死亡した例もありますし、2004年に起きた中越地震の際には、自家用車内で夜を過ごした多くの方がこの病気で亡くなったと推定されています。


エコノミー症候群はどんな病気ですか? ◆「エコノミー症候群」とは、一体どんな病気なのかの説明です。
どんな病気ですか?

 エコノミー症候群は、飛行機などの乗り物で窮屈な姿勢で長時間座り続けていると足の血管内に血栓(血の塊)ができてしまう病気のことです。正式名称は静脈血栓塞栓症(肺血栓塞栓症と深部静脈血栓症)と呼ばれます。飛行機などの乗客に多く発生することから、エコノミークラス症候群、旅行者血栓症、ロングフライト血栓症などとも呼ばれます。

 エコノミー症候群は、下肢や上腕、大腿静脈内などに血栓(血の塊)が出来てしまう病気で、静脈が強く圧迫されやすい肥満型の人や、血液を固める作用を伴う経口避妊薬を飲んでいる人などが罹りやすいといわれます。

 飛行機の中では湿度が20%程度しかなく、体内の水分が失われ脱水症状が起こりやすく、血液が濃い状態になります。飛行機に限ることなく、乾燥した場所で十分な水分を摂取せずに、長時間にわたって窮屈な姿勢を続けると、足のももの裏側が圧迫されて、静脈内に血栓ができてしまうのです。


どんな症状ですか? ◆「エコノミー症候群」の症状の説明です。
エコノミー症候群の症状

 エコノミー症候群の怖いところは、静脈内に出来た血栓が、血流に乗って肺へ流れ込み、肺動脈を詰まらせる肺塞栓症になってしまうことです。

 肺動脈が詰まると、その先の肺胞に血液が届かないために、肺機能が失われ、呼吸困難、動悸、胸の痛みなどをきたします。また、肺の血管抵抗が増大して全身への血液循環に支障をきたすことにもなります。初期には胸焼けや発熱が現れ、もっと進行すると死にいたることもあります。


原因は何ですか? ◆「エコノミー症候群」の原因や発症の仕組みの説明です。
エコノミー症候群の原因

 エコノミー症候群は、非常に窮屈な姿勢を長時間続けることで、下肢や上腕、大腿静脈内などの血管内に血液の塊(血栓)ができ、それがちょっとした切欠で移動し、肺の細かい血管を詰まらせてしまうことで起こります。


診断はどうなりますか? ◆「エコノミー症候群」の検査方法や診断方法の説明です。
エコノミー症候群の診断

 次のような病気や症状を持つ人が長時間にわたり同じ姿勢を取ると、エコノミー症候群を起こしやすいとされています。

 ・肥満
 ・深部静脈血栓症の既往歴のある人
 ・下肢の手術をしたり、けがをしている人
 ・血液凝固能異常者
 ・下肢静脈瘤のある人
 ・悪性腫瘍のある人
 ・経口避妊薬の使用者
 ・妊娠中、出産後の人

 エコノミー症候群の診断とは異なりますが、自分のことをよく承知した上で、飛行機に搭乗するときなどには事前に対策をとることが必要です。飛行機での長時間旅行に出かける前には、あらかじめかかりつけのお医者さんに相談しましょう。


治療はどうやりますか? ◆「エコノミー症候群」の治療方法の説明です。
エコノミー症候群の治療(予防)

 エコノミー症候群は、飛行機内などで発症してしまうと十分な手当てを受けることもできないなど怖い病気ですが、あらかじめ原因が分かっているだけに、それなりに気をつければ予防は可能です。次のような点に注意しましょう。

飛行機などでエコノミー症候群にならないために
身体を動かす

 飛行機内などで、座ったままの姿勢が長く続くのはよくないので、手足を動かしたり、ときには歩き回るなどします。その場で立ったり座ったりするだけでも血液の循環がよくなり効果があります。座ったままでも足の位置を変えたり、足を上げ、足首を曲げ伸ばす運動をしましょう。

水分補給

 エコノミー症候群では、脱水症状が危険な状態を招きます。適度な運動はもちろん必要ですが、水分補給も忘れてはいけません。特に飛行機の中は非常に乾燥していて体内の水分が失われやすいのです。なるべく多めに水分を摂取しましょう。

 最近は機内にテロ対策のためにペットボトルが持ち込めませんが、アテンダントに水をお願いしてこまめに飲むようにするといいです。また、風邪薬などのアスピリンは血液の凝固を防ぐ作用があるので、飛行機に乗る前に少量服用するのも効果的です。

アルコールは控え目

 アルコールを飲むと尿のでがよくなり、それだけ血液中の水分が減少します。このままでは血栓が出来やすくなりますから、アルコールを飲む量は控え目にし、かつ水分の補給を下ならすしましょう。

服装はゆったり

 飛行機に乗り込んだら、正装ではなく、できるだけゆったりした服装になりましょう。ジーパンなどはあまりよくないでしょう。またネクタイも緩めるか外しましょう。

飛行機搭乗前に

 飛行機に搭乗する前には、スナックを食べたり、軽めの食事をしておくと血行をよくし血液凝固予防になります。また、アルコールは摂取せず、ミネラルウオーターなどを飲んでおきましょう。