標準体重より概ね20%以上体重が超過していれば、肥満といってもいいかと思われるものの、この定義ではいろいろな不確かさが残ります。
そこで、現在、成人の体重による肥満診断には、BMI値(ボディマスインデックス)による方法が用いられています。「日本肥満学会基準2000年」では、BMI値による肥満の定義を次の式のように定めています。
〔BMI値〕 = 〔現在の体重(kg)〕/〔身長(m)*身長(m)〕
例えば、体重70kg、身長165cmの人の場合のBMI値は次のように計算して 25.7 となります。
〔BMI値〕 = 〔70(kg)〕/〔1.65(m)*1.65(m)〕 = 25.7
肥満度 |
BMI |
備考 |
低体重 |
17.9以下 |
やせ気味 |
正常 |
18.5以上~25未満 |
この範囲が最も理想的 |
肥満1度 |
25以上~30未満 |
やせる努力が必要 |
肥満2度 |
30以上~35未満 |
努力以外の治療が必要かも |
肥満3度 |
35以上~40未満 |
治療が必要
|
肥満4度 |
40以上 |
直ちに治療開始しなくては危険 |
BMIでの評価は身長と体重から単純に計算できる便利さがあり、肥満の目安にはなりますが、この値だけでは筋肉質なのか脂肪過多なのか、更に皮下脂肪型肥満なのか内蔵脂肪過多肥満なのかの判定は全く出来ないという欠点があります。
従って、このBMI値法は、普通の体形の人には有効な方法であるものの、特別な体形(骨太、足長、骨細、筋肉質)の人には必ずしも正しくはありません。
BMI(ボディ・マス・インデックス=肥満指数)の統計的な調査結果から、BMI=22という状態が最も健康な状態であることが分かっています。これを用いて身長ごとの標準体重を計算すると、最も好ましい標準体重が分かります。その標準体重を20%以上超えると、肥満と呼ばれることになります。
身長〔cm〕 |
標準体重〔kg〕 |
これより上は肥満〔kg〕 |
140 |
43.1 |
51.7 |
145 |
46.3 |
55.5 |
150 |
49.5 |
59.4 |
155 |
52.9 |
63.4 |
160 |
56.3 |
67.6 |
165 |
59.9 |
71.9 |
170 |
63.6 |
76.3 |
175 |
67.4 |
80.9 |
180 |
71.3 |
85.5 |
|