〔痔ろう・あな痔〕 |
消化器官の最終部分は大腸ですが、大腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、そして最後に肛門へと繋がっています。 |
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肛門の「肛」は、お尻の穴を意味し、「門」は、出入り口を意味します。 体内で消化・吸収された食物の残りかすを排泄するデリケートな器官です。 |
肛門にかかわる重要な病気に〔痔〕があります。痔には、典型的な三つの症状があります。
・痔核
ほとんどの痔核や裂肛は生活習慣を改善すると症状が軽減されます。 |
〔痔ろう〕は〔あな痔〕とも呼ばれ、肛門が化膿して膿が流れ出てくる、あるいは膿が滲み出てくる状態の痔であり、痔としては最も治療困難な病気です。 |
◆「痔ろう・あな痔」とは、一体どんな病気なのかの説明です。 |
肛門とは |
消化器官の最終部分にある器官です。肛門はデリケートな器官で、長さは約3cmあります。肛門の周囲は、「内肛門括約筋」と「外肛門括約筋」という二つの筋肉が取り囲んでいます。これらは排便時以外は閉じていて、肛門から便が漏れ出ることはありません。 |
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痔ろう・あな痔とは |
何かの原因で肛門の内側や外側で炎症が起こり、その部位から化膿して膿が発生し、それが外に流れ出たり滲み出るような状態が痔ろうです。 |
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痔ろう・あな痔の分類 |
痔ろうは、病巣の発生部位が浅いか深いか、ろう管の通り道などによりI型~Ⅳ型に分類されています。
痔ろう・あな痔は、その型により重症度が異なるだけでなく、重症度が増すにつれて手術の難易度も高くなります。ごく軽症の痔ろう・あな痔は自然治癒の可能性もなしとはしませんが、多くの場合に自然治癒は期待できず、一般に手術は不可欠です。 |
◆「痔ろう・あな痔」の症状の説明です。 |
痔ろう・あな痔の症状 |
痔ろうはごく初期の段階ではたまに膿が滲みでるだけで痛みはないですが、ある程度進行して「肛門周囲膿瘍」と呼ばれる段階まで至ると、痔ろうの典型的症状として、肛門部からの膿の流れ出しや滲み出しがいつまでの止まらないことと、それにともなう発熱や激痛が走るようになります。 |
◆「痔ろう・あな痔」の原因や発症の仕組みの説明です。 |
痔ろう・あな痔の原因 |
痔核・いぼ痔や裂肛・切れ痔の原因は、便秘や下痢などで頻繁に力んだり、頻繁にトイレに通ったりして肛門に負担を掛けることで起こります。また、妊娠後期で子宮が左右の腸骨静脈を圧迫して分娩時に力むと内痔核になることがあります。 |
◆「痔ろう・あな痔」の検査方法や診断方法の説明です。 |
痔ろう・あな痔の診断 |
通常、すべての痔の検査は「触診」と「観察」で行われます。患者は、横向きに寝て、膝を曲げ、医師に対してお尻を突き出した格好をします。医師は薄手の手袋をして、肛門に指を入れてグリグリして肛門内部の様子を探ります。 |
◆「痔ろう・あな痔」の治療方法の説明です。 |
痔ろう・あな痔の治療方針 |
痔ろうの治療方針ははっきりしています。痔ろうが発症している場合には肛門内部で激しい炎症が起こっているために、ろう穴がいつになっても塞がることなく、膿が滲みだしつづけます。 |
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痔ろう・あな痔の手術療法 |
痔ろうの手術法には「ろう管切開開放術」と「括約筋温存術」という二つの方法があります。
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