一般に、悪性腫瘍の病期分類には「TNM分類」が用いられます。TNM分類は、「UICC(国際対がん連合)」によって定められた、癌の国際的分類法で、身体の28部位における「がん」について、3つの要素から、悪性腫瘍の進展度を詳細に分類しています。舌がんにおけるTNM分類は次のようになっています。
T 原発巣の大きさと進展度 |
原発巣の大きさと進展度を表す。T1~T4までの4段階に分けられる。
T1:最大径が2cm以下
T2:最大径が2cmを超えて4cm以下
T3:最大径が4cmを超えて6cm以下
T4:舌の周囲やあごの骨にまで広がっている
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N 所属リンパ節の状態 |
所属リンパ節への転移状況を表す。N0~N3までの4段階に分けられる。
N0:頚部リンパ節転移を認めない
N1:3cm以下の頚部リンパ節転移を1個認める
N2:それ以上の広がりをもつ頚部リンパ節転移を認める
N3:それ以上の広がりをもつ頚部リンパ節転移を認める
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M 遠隔転移の有無 |
遠隔転移の有無を表す。
M0:遠隔転移なし
M1:遠隔転移を認める
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TNM分類を指標として、舌がんの病期は、次のように、I期~Ⅳ期に分類されます。病期の表示方法は、例えば「Ⅲ期」の病期のひとつは「T3N1」のように表記されます。
この意味は、「原発巣の大きさと進展度」がT3(最大径が4cmを超えて6cm以下)であり、「所属リンパ節の状態」がN1(3cm以下の頚部リンパ節転移が1個)ということを意味しています。
I期 |
T1N0
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Ⅱ期 |
T2N0
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Ⅲ期 |
T3N0、T1N1、T2N1、T3N1
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Ⅳ期 |
T4N0、T4N1、T4N2、T4N3
T1N2、T2N2、T3N2
T1N3、T2N3、T3N3
M1
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