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体の病気

 

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〔身体の病気〕

◇女性の病気◇

子宮筋腫


 女性性器の中で重要な役割を果たす子宮は、その中心部にある「子宮腔」を子宮壁によって取り囲む構造になっています。

 そして、子宮壁は「子宮内膜」「子宮筋層」および「子宮外膜」という三層構造から成っています。

 子宮の最内部は子宮腔で、妊娠するとここで胎児が育ちます。子宮腔に接している「子宮内膜」に受精卵が着床して妊娠します。


 子宮内膜の厚みは、女性ホルモンの働きに応じて1~10ミリ位に変化します。月に一度くらいの割合で全て剥がれ落ちる、「月経」という生理現象があり、また新たに生成されます。

 子宮筋層は、妊娠や陣痛のときに伸縮する役割を果たします。子宮外膜は薄い腹膜の一種で「漿膜」とも呼ばれています。

 〔子宮筋腫〕は、子宮壁をつくっている「子宮筋膜」の子宮筋肉の一部が異常に増殖して、腫瘍ができる病気です。


 腫瘍の大きさや数はさまざまで、顕微鏡で見るほどの小さいものから直径10センチ以上にも及ぶ大きなものまであります。

 子宮筋腫は、腫瘍ではあっても良性腫瘍であり、いわゆるがんではありません。子供が生める性成熟期に達した女性の大半が子宮筋腫をもっているといわれる、ごく一般的な病気です。

 しかし、子宮筋腫が大きくなると下腹部の痛みや腰痛、便秘、頻尿などの症状がでてきます。


どんな病気ですか? ◆「子宮筋腫」とは、一体どんな病気なのかの説明です。
どんな病気ですか?

 上の図でご覧いただいたように、子宮を膣の方向から見ていくと、子宮は子宮入り口となる子宮頚部と、その上部にある袋状の子宮体部とから成っています。子宮腔を取り巻く最外部の漿膜は薄い腹膜であり、その内側に平滑筋でできた厚い層である子宮筋層があります。更にその内側には、子宮腔と接する柔らかい粘膜組織である子宮内膜があります。

 子宮筋腫は、子宮を取り囲んでいる三層の膜のうちで、子宮筋層にできる大小さまざまな腫瘍をいいます。子宮筋腫は性的に成熟した大部分の女性にできる良性の腫瘍で、その大きさは目で見えないほどの微細なものから、極端な場合はバスケットボールほどの巨大なものまでさまざまです。


どんな症状ですか? ◆「子宮筋腫」の症状の説明です。
子宮筋腫の症状

 子宮筋腫はその発生する部位によって、主に「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」および「粘膜下筋腫」という三つの種類があり、それぞれにより症状は異なります。子宮頚部に発生することもありますが、これは稀です。

子宮筋腫の種類と症状
筋層内筋腫

 筋層内筋腫は、子宮筋層の部分にできる筋腫で、子宮筋腫の中で最も多い種類です。筋層内筋腫の数や大きさはいろいろで、通常複数個できます。

 筋腫が小さいうちは自覚症状は特にありませんが、大きくなると、子宮の内側を覆っている子宮内膜が引き伸ばされるため、下腹部を触るとしこりを感じるようになり、月経痛や月経時の出血量が多くなります。

漿膜下筋腫

 漿膜下筋腫は、子宮の外側を覆う漿膜の下にできて、外側に向かって大きく育っていく筋腫です。

 この筋腫は子宮の表面部にコブのようにできる場合と、茎ができ、その先にキノコ状にできるものとがあり、個数はほんの数個の場合と、すずなりに多くできる場合があります。

 漿膜下筋腫は、相当大きくなっても症状が出にくく、肥ったと勘違いすることもあります。

粘膜下筋腫

 粘膜下筋腫は、子宮内膜にできる筋腫で、子宮腔に向かって生育する筋腫です。茎ができてその先にぶら下がってできるものもあり「有茎粘膜下筋腫」と呼ばれています。

 粘膜下筋腫は、比較的症状が激しく筋腫が小さいうちから、月経多過や不正出血などの症状が現れるので、早い段階から気づきます。極端な場合は、有茎粘膜下筋腫が成長し外子宮口から膣内に飛び出してしまうこともあります。このような場合は筋腫分娩と呼ばれています。


注意すべき自覚症状

 上記のように、子宮筋腫の自覚症状などはその種類によっても多少異なるのですが、いずれも筋腫が大きくなると、同様な症状を呈するようになります。

 一般的な症状は、月経多過や不正出血、月経痛、下腹部の痛み、貧血、動悸、息切れなどが現れます。また、頻尿や便秘などに悩まされることも多くなります。放置すると不妊症の原因になるとの説もあります。ここで典型的な自覚症状を記しておきますので、これらの自覚症状があるときは、医師の診察を受けることをお勧めします。

子宮筋腫の注意すべき自覚症状
月経時

・月経時の出血量が多量になる。
・月経時にレバーのような塊が出る。
・月経時に下腹部の痛み、張り、下痢や便秘が起こる。
・月経期間が長く、しかも次の月経までの間が短い。

通常時

・おりものが多くなり、水様の黄色く透明なおりものが出る。
・月経時以外のときにも少量の不正出血がある。
・性交時にも出血する。
・未だ若いのに頻尿や尿失禁が起こる。
・最近疲れやすく、息切れしたり、貧血気味だと感じる。
・脚がよく痛む。



原因は何ですか? ◆「子宮筋腫」の原因や発症の仕組みの説明です。
子宮筋腫の原因

 子宮筋腫の原因ははっきりとはしていません。一説によれば全ての女性が生まれたときから未分化の「子宮筋腫の芽」を持っていて、それがあるとき突然に生育を始めるのではないかといわれています。このような観点では、全ての女性は子宮筋腫になる可能性があると考えられます。

 両親や姉妹に子宮筋腫の経験者がいる女性では、子宮筋腫を発症することが多いともいわれ、遺伝的要素も関係しているのかも知れません。

 子宮筋腫は、月経が始まる前の十代女性や、閉経後以降の女性ではほとんど見られない病気なので、子宮筋腫の生育には月経のメカニズムに関係の深いエストロゲンという女性ホルモンが関係していると考えられます。そのためか、月経がきちんとあってエストロゲンの分泌が最も盛んな20代~40代の女性に子宮筋腫が多く発症します。


診断はどうなりますか? ◆「子宮筋腫」の検査方法や診断方法の説明です。
子宮筋腫の診断

 子宮筋腫は何らかの自覚症状がでるようになると相当大きく生育していることが多く、その診断方法は「触診」「超音波検査」「CT断層撮影」および「MRI検査」などで行われます。

子宮筋腫の検査・診断
触診

 子宮筋腫の触診での診断は「双合診」という検査方法で行われます。通常、この方法は産婦人科では「内診」と呼ばれている診断方法です。

 患者は仰向けになって両脚を大きく開いた姿勢をとります。医師は一方の手に手術用の薄手の手袋を着用し、指を患者の膣内奥深くに挿入し、もう一方の手を患者の下腹壁上において、内臓器を前後左右上下に挟みながら、子宮や卵巣、膣などの各部の腫れや硬さ、弾力性などを、患者と医師とで自覚的、他覚的に診断する方法です。

 膣内に手指を挿入することが好ましくない場合などでは、膣内ではなく、肛門から直腸内に手指を挿入する方法が取られます。

超音波検査

 超音波検査は「エコー検査」などとも呼ばれる方法で、調べたい部分に超音波をあてて、そこから反射してくるエコー信号を解析する検査方法です。

 子宮筋腫の場合の超音波検査方法には、お腹の外側から超音波をあてて、内部の画像を描き出す方法と、膣の中に超音波発信器具を挿入して、身体内部から直接写し出す「膣エコー方式」とがあります。

 膣エコー法の方が鮮明な画像を得ることができるので優れていますが、膣内に機器を挿入することが好ましくない場合には、外部から超音波をあてる方法が取られます。

CTコンピュータ断層撮影検査

 CTコンピュータ断層撮影検査は、X線を検査部位に当てて、身体内部の状況を詳細に画像解析する技術です。子宮筋腫の場合にも子宮周辺部の詳細の断層画像を見ることができます。

 X線を使用するので、妊娠の可能性があるときなどは勿論、そう頻繁に使用することはできません。

MRI磁気共鳴画像装置検査

 MRI磁気共鳴画像装置での検査は、CT断層画像解析技術と同様にコンピュータを用いて身体内部の詳細の画像を得ることができる装置ですが、この装置ではX線は使わず、磁気力の特性を使用して測定を行います。

 この方法は、放射線を使用しないので、妊婦などでも使用することが可能です。



治療はどうやりますか? ◆「子宮筋腫」の治療方法の説明です。
子宮筋腫の治療

 子宮筋腫は、一般に良性腫瘍なので、症状が比較的軽度で日常生活に特別な支障がない場合には、とりあえず定期的に経過を観察するだけの場合があります。何らかの治療が必要な場合でも、症状が軽度であれば「薬物療法」や「対症療法」により対応します。

 一方、筋腫が握りこぶし大以上に大きく生育していたり、数が非常に多くなっていて、症状が激しくなっている場合には「手術療法」が行われます。その他、日常生活・食生活の改善なども重要となります。

 子宮筋腫はがんではないので、たとえ月経多過などのような不快な症状があったとしても、緊急を要する病気ではありません。このため、閉経まじかの女性では、薬物療法を続けて腫瘍を小さくし、そのまま閉経を待ち、手術をしないで済ますという手段もあります。

子宮筋腫の薬物療法

 子宮筋腫の薬物療法は症状が比較的軽い場合の処置で、通常「ホルモン療法」および「対症療法」があります。

子宮筋腫の薬物療法
ホルモン療法

 子宮筋腫のホルモン療法では、飲み薬の服用や注射などで女性ホルモンの分泌を抑制する療法です。処方されるのは「プセレリン」や「タナゾール」などの医薬で、子宮内膜症の治療にも用いられる合成ホルモン剤です。

 これらの医薬は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌を抑制して、人工的に一種の閉経状態を作り、子宮筋腫を縮小させようとする方法です。

対症療法

 対症療法というのは、症状に応じてその症状を緩和したり、無くすことを目的とした処置です。これらの処置はあくまでも症状を一時的に停止する療法なので、薬の使用を中止すると症状は再発しやすいです。

 対症療法は、子宮筋腫の大きさが比較的小さく、症状も軽い人や、更年期の女性などに適した療法です。一般に、閉経以降の女性では加齢とともに筋腫は萎縮し小さくなる傾向があるので、処方を中止しても再発しないこともあります。

子宮筋腫の対症療法
止血剤

 月経過多、不正出血などの症状を和らげます。

鎮痛剤

 月経痛の症状を緩和します。

増血剤・鉄剤

 出血多過による貧血の症状を抑えるために鉄分の補給をします。



子宮筋腫の手術療法

 子宮筋腫が想像以上に大きく生育していて、それにより周囲の臓器を圧迫したり、多くの症状や苦痛が現れている場合には、手術療法が必要なことがあります。

 症状が激しい場合や、月経多過による出血や貧血、激しい月経痛、不妊症、早産、流産などが心配されるときに、手術療法は女性としてのQOL(Quoliry of life:生活の質)向上のためにも必要です。手術するにあたり、事前に薬物療法により筋腫を小さくしておいてから手術する場合もあります。

 手術療法には「筋腫核手術」および「子宮全摘出手術 」とがあります。

子宮筋腫の手術療法
筋腫核手術

 これは子宮筋腫のみを摘出する手術です。筋腫のみを摘出するので、将来妊娠を希望する女性、妊娠の可能性のある女性には適しています。

 しかし、実質上は、筋腫核を完全に切除することは不可能なので、目に見えないような小さな筋腫がある場合、数年後に再び手術しなければいけないことも起こります。

子宮全摘出手術

 これは子宮をすべて取り去ってしまう手術です。妊娠や出産を終えた女性で、今後妊娠を希望しないかその可能性がない女性に適した手術です。

 この手術は子宮自体を取り去るという根治療法であり、それまで辛かった月経に伴う多くの症状から完全に解放され、再発もありえません。また、子宮がなくなることから、子宮がんに罹る可能性もなくなります。

 子宮全摘出手術の方法には「腹式全摘出術」「膣式全摘出術」という二つの方法があります。

子宮全摘出術の方法
腹式全摘手術

 この手術の方法は開腹して筋腫を切除するものです。開腹しての手術なので、筋腫の状態を直接的に観察しながら手術ができるメリットがあります。また、他の臓器への癒着などの観察もできるのも利点となります。

 開腹するために、手術後の回復には時間がかかり約2週間の入院加療が必要です。

腟式全摘手術

 この手術は、膣から子宮を引き出して摘出する手術方法です。

 開腹しないで手術するので、手術後の回復も早く3~7日程度の入院加療で済みます。



日常生活の改善など

 月経多過などの症状があると、貧血になることがあるので、そのようなときは、鉄分を多く含む食品などを多めに摂取します。レバー、赤身の魚(カツオ・マグロなど)、貝類、海藻類、肉類、小魚、緑黄色野菜(ニンジン)などが適しています。