免疫強化作用
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人体内では、スクワレンは、リンパ節、骨髄、副腎、肝臓などの免疫機構に関与する多くの細胞に分布します。生体で免疫力を発揮する重要な主役物質である、Tリンパ球・Bリンパ球・マクロファージの活性を促進します。
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浸透作用
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スクワレンの分子は非常に小さく、皮膚や髪への強い浸透作用があります。
通常の場合、ヒトの皮膚はバリアゾーンで防御されているため、薬剤を湿布しても深部まで到達されるのは困難です。しかし、スクワレンには毎秒2mmほどの浸透力があり、湿布薬にスクワレンを併用すれば、深部まで容易に浸透させることができ、薬の効果を増大させます。
内服したも、スクワレンは細胞膜の浸透性を高めるので、併用薬の効果は大きくなります。
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細胞賦活作用
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スクワレンには賦活作用があります。これは、細胞や皮膚の肉芽の発育を促進し新陳代謝を活性化させる作用で、賦活作用が強ければ身体は活き活きしてきます。
スクワレンは、コレステロールやステロイドの前駆物質です。60兆個もあるというヒトの細胞の表面細胞膜はコレステロールからできています。コレステロールは室温で単離すれば白色~微黄色の固体ですが、生体内ではスクワレンからラノステロールという物質段階を経て生合成されます。
コレステロールは生体内の代謝過程で主要な役割を果たしていますが、ステロイド(副腎皮質ホルモン・性ホルモン)合成の出発物質となっています。
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浄化作用 (抗酸化作用)
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スクワレンには、細菌類から皮膚を守り、清潔に保つ作用があります。
不飽和脂肪酸が酸化すると過酸化脂質となるのですが、これは人体にとっては有害でビタミンを破壊したり、ホルモンの効果を妨害したりします。
スクワレンの化学構造に含まれる6個の二重結合を持つ不飽和炭化水素は、体内で重要な役割を果たします。余分に酸素と結合している過酸化脂質から、酸素を奪い取って、もとの不飽和脂肪酸に戻してくれるのです。
過酸化脂質が血液中のリボタンパクと結合してできるリボフスチンは老化の原因物質であり、一度できてしまうと細胞内に留まってしまいます。老化現象は、このリボフスチンが脳や内臓細胞などに付着して起こります。
特に脳では、他の臓器よりも多くの脂質量があり、リノール酸などの不飽和脂肪酸が多く存在します。これが酸化され過酸化脂質となると、リボタンパクと結合しリボフスチンとなり、老人ボケの原因ともなります。
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鎮痛作用
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スクワレンの分子式は 「C30H50」であり、これは「(C5H8)*6+H2」と書くことができ、ハイドロ基を持っています。このハイドロ基には鎮痛作用があり、痛みや痒み、火傷の薬となります。
漢方では、スクワレンは鮫玉として利用されています。
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殺菌作用
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スクワレンは、化学的にテルペンを基本骨格としています。このテルペン属には殺菌作用があります。大腸菌、赤痢菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、鷲口蒼カンジタ菌、白癬菌などに対して、発育を完全に阻止したり、抑制する力があります。
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