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心の病気

心の病気の体系

 アメリカ精神医学会発行の「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM−W)」における分類方法の中の、心の病気に関する全体分類と診断基準を示しています。個別項目の診断基準などについては、下表に示す該当項目をクリックしてください。


 心や精神の病気の分類法には、古来より用いられてきた原因に基づく分類法があり、かつてはこの分類法が主流でしたが、最近ではあまり用いられなくなっています。原因に基づく分類法では、心の病気は「身体的な病気や障害が原因で起こる外因性精神病」「遺伝的な要因がかかわっているか、原因がはっきりしない内因性精神病」および「強いショックやストレスなどが原因で起こる心因性精神病」の3つに分類されていました。

 これに対して、最近になって、世界保健機関(WHO)発行の「国際疾病分類(ICD−10)」という分類方法、およびアメリカ精神医学会発行の「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM−W)」という分類方法が登場し、この二つが、心や精神の病気の分類法の世界標準となりつつあります。

 これら二つの分類法は、日本においてもどちらもよく使用されるようになりましたが、アメリカ精神医学会による「DSM−W」の分類法が主流となりつつあるようです。従って、心や精神の病気・疾患を分類しご説明するに当って、このコーナーでは、主に「DSM−W」の分類法に従うこととしました。その分類を下方の表で示しました。

 これにともない、従来から使用されてきた原因に基づく分類法による心や精神の病名表記が変化し、別の病名で呼ばれるものも出てきました。例えば、従来の「うつ病」は「大うつ病性障害」と呼ばれるなどです。このコーナーでは、基本的にDSM−Wの分類に従いますが、利用者の便宜のために従来の病名表記との関係も必要に応じて付記するようにしました。

 DSM−W分類での精神障害の診断基準は、専門知識を持ったプロが利用することのできるものですが、このようなものがあるという意味でご紹介しておきます。項目が多数あるので、それぞれ該当する専用のページを作成しました。

DSM−Wによる心の病気の分類
 DSM−Wによる分類方法は、アメリカ精神医学会発行の「精神疾患の診断・統計マニュアル」によります。この分類方法の特徴は、原因ではなくその症状から、心や精神の病気・疾患を分類しています。これにより診断基準が明確になっている点に特徴があります。

 尚、DSM−Wはやや古い基準となったため、最近その改良版の案が作成され、「DSM−W−TR」という版として発表されています。このページでは、基本はDSM−Wを使用していますが、個別の説明では、場合によってDSM−WーTR版を用いています。また、更に必要な場合には、その他の情報で一般的に使用されているアイテムも追加しています。

幼児期・小児期・青年期に診断される障害  ・精神遅滞
 ・学習障害
 ・運動機能障害
 ・コミュニケーション障害
 ・広範性発達障害
 ・注意欠陥および破壊的行動障害
 ・幼児期または小児期早期の哺育障害・摂食障害
 ・チック障害
 ・排泄障害
 ・幼児期・小児期・青年期の他の障害

せん妄・痴呆・健忘性障害および他の認知障害  ・せん妄
 ・痴呆
 ・健忘性障害
 ・他の認知障害

一般身体疾患による精神障害  ・一般身体疾患を示すことによる緊張病性障害
 ・人格変化
 ・特定不能の精神疾患

物質関連障害  ・アルコール関連障害
 ・アンフェタミン(あるいはアンフェタミン様)関連障害
 ・カフェイン関連障害
 ・大麻関連障害
 ・コカイン関連障害
 ・幻覚剤関連障害
 ・吸入剤関連障害
 ・ニコチン関連障害
 ・アヘン類関連障害
 ・フェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害
 ・鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬関連障害
 ・多物質関連障害
 ・他のまたは不明の物質関連障害

統合失調症および他の精神病性障害  ・統合失調症
 ・統合失調症様障害
 ・失調感情障害
 ・妄想性障害
 ・短期精神病性障害
 ・共有精神病性障害
 ・一般身体疾患による精神病性障害
 ・物質誘発性精神病性障害
 ・特定不能の精神病性障害

気分障害  ・うつ病性障害
 ・双極性障害
 ・他の気分障害

不安障害  ・広場恐怖を伴わないパニック障害
 ・広場恐怖を伴なうパニック障害
 ・パニック障害の既往歴のない広場恐怖
 ・特定の恐怖症
 ・社会恐怖
 ・強迫性障害
 ・心的外傷後ストレス障害
 ・急性ストレス障害
 ・全般性不安障害
 ・一般身体疾患による不安障害
 ・特定不能の不安障害

身体表現性障害  ・身体化障害
 ・鑑別不能型身体化障害
 ・転換性障害
 ・疼痛性障害
 ・心気症
 ・身体醜形障害
 ・特定不能の身体表現性障害

虚偽性障害  ・虚偽性障害
 ・特定不能の虚偽性障害

解離性障害  ・解離性障害
 ・解離性とん走
 ・解離性同一性障害
 ・離人症性障害
 ・特定不能の解離性障害

性障害および性同一性障害  ・性機能不全
 ・性嗜好異常
 ・性同一性障害

摂食障害  ・神経性無食欲症
 ・神経性大食症
 ・特定不能の摂食障害

睡眠障害  ・原発性睡眠障害
 ・他の精神疾患に関連した睡眠障害
 ・他の睡眠障害

他のどこにも分類されない衝動制御の障害  ・間欠性爆発性障害
 ・窃盗癖
 ・放火癖
 ・病的賭博
 ・抜毛癖
 ・特定不能の衝動制御の障害

適応障害  ・適応障害

パーソナリティ障害(人格障害)  ・A群パーソナリティ障害(妄想性・シゾイド・失調症)
 ・B群パーソナリティ障害(反社会性・境界性・演技性・自己愛性)
 ・C群パーソナリティ障害(回避性・依存性・強迫性)
 ・特定不能のパーソナリティ障害

臨床的関与の対象となることのある他の状態  ・身体疾患に影響を与えている心理的要因
 ・投薬誘発性運動障害
 ・他の投薬誘発性障害
 ・対人関係の問題
 ・虐待または無視に関連した問題
 ・臨床的関与の対象となることのある状態、追加