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解離性障害の分類

 アメリカ精神医学会発行の「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM−W)」における分類方法の中の、解離性障害に関する詳細分類と診断基準を示しています。


 解離性障害は、心的外傷への自己防衛として、自己同一性を失う神経症の一種で、自分が誰か理解不能であったり、複数の自己を持ったりする障害です。

 解離性障害には、解離性健忘、解離性とん走、解離性同一性障害、離人症性障害、解離性昏迷、トランス、憑依(ひょうい)障害、解離性運動障害、解離性けいれん、解離性知覚麻痺・知覚脱失、解離性転換障害、ガンザー症候群など数多くの障害があります。

DSM−Wによる「解離性障害」の詳細分類
 DSM−Wによる「解離性障害」では、解離性健忘、解離性とん走、解離性同一性障害、離人症せい障害、および特定不明の解離性障害に分類されていますが、このコーナーではその他にも多く存在する病名を追加しています。

解離性健忘
解離性とん走
解離性同一性障害
離人症性障害
解離性昏迷
トランス
憑依(ひょうい)障害
解離性運動障害
解離性けいれん
解離性知覚麻痺・知覚脱失
解離性転換障害
ガンザー症候群
特定不能の解離性障害

DSM−Wによる「解離性障害」の診断基準
解離性健忘 1.優勢な障害は、重要な個人的情報で、通常外傷的またはストレスの強い性質をもつものの想起が不可能になり、それがあまりにも広範囲にわたるため通常の物忘れでは説明できないような、1つまたはそれ以上のエピソードである。

2.この障害は解離性同一性障害、解離性とん走、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、または身体化障害の経過中のみに起こるものではなく、物質(例:乱用薬物、投薬)または神経疾患または他の一般身体疾患(例:頭部外傷による健忘性障害)の直接的な生理学的作用によるものではない。

3.その症状は、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

解離性とん走 1.優勢な障害は、予期していないときに突然、家庭または普段の職場から離れて放浪し、過去を想起することができなくなる。

2.個人の同一性について混乱している、または新しい同一性を(部分的に、または完全に)装う。

3.この障害は、解離性同一性障害の経過中にのみ起こるものではなく、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(例:側頭葉てんかん)の直接的な生理学的作用によるものでもない。

4.その症状は、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

解離性同一性障害 1.2つまたはそれ以上の、はっきりと他と区別される同一性または人格状態の存在(その各々は、環境および自己について知覚し、かかわり、思考する比較的持続する独自の様式をもっている)。

2.これらの同一性または人格状態の少なくとも2つが反復的に患者の行動を統制する。

3.重要な個人的情報の想起が不可能であり、ふつうの物忘れで説明できないほど強い。

4.この障害は、物質(例:アルコール中毒時のブラックアウトまたは混乱した行動)または他の一般身体疾患(例:複雑部分発作)の直接的な生理学的作用によるものではない

注:子供の場合、その症状が、想像上の遊び仲間または他の空想的遊びに由来するものではない。

離人症性障害 1.自分の精神過程または身体から遊離して、あたかも自分が外部の傍観者であるかのように感じている持続的または反復的な体験。

2.離人体験の間、現実吟味は正常に保たれている。

3.離人症状は臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

4.離人体験は、精神分裂病、パニック障害、急性ストレス障害、またはその他の解離性障害のような、他の精神疾患の経過中にのみ起こるものではなく、物質(例:乱用薬物、投薬)またはその他の一般身体疾患(例:側頭葉てんかん)の直接的な生理学的作用によるものでもない。

解離性昏迷
トランス
憑依(ひょうい)障害
解離性運動障害
解離性けいれん
解離性知覚麻痺・知覚脱失
解離性転換障害
ガンザー症候群
特定不能の解離性障害 1.臨床状態が解離性同一性障害に酷似しているが その疾患の基準全てを満たさないもの。例としては

(a)2つ又はそれ以上の、はっきりと他と区別される人格状態が存在していない。
 または
(b) 重要な個人的情報に関する健忘が生じていない。

2.成人の現実感喪失で、離人症を伴わないもの。

3.長期間にわたる強力で威圧的な説得(例:洗脳・思想改造・人質になっている間の教化)を受けていた人に起こる解離状態。

4.解離性トランス状態:特定の地域および文化に固有な、単一の または挿話性の意識状態、同一性または記憶の障害、

 解離性トランスは、直接接している環境に対する認識の狭窄化、常同的行動 または動作で、事故のいしの及ぶ範囲を越えていると体験されるものに関するものである。

 憑依トランスは、個人としてのいつもの同一性感覚が、新しい同一性に置き変わるもので、魂・力・神または他の人の影響を受け常同的な「不随意」運動 または健忘を伴うものに関するものである。

 その例として、アモク(インドネシア)・ビバイナン(インドネシア)・ラター(マレーシア)・ピプロクトッタ(北極)アタク・ド・ナビオス(ラテン・アメリカ)及び憑依(インド)などがある。解離性障害またはトランス障害は、広く受け入れられている集合的文化習慣 または宗教行為の正常な一部分ではない。

5.一般身体疾患によらない意識の消失、昏迷、または昏睡。

6.ガンサー症候群:質問に対して大雑把な応答をすること(例:”2たす2は5”)で、解離性健忘または解離性遁走に伴ったものではない。