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〔心臓・血管の病気〕

心筋梗塞


 心臓病を大分類として示すだけでも、その種類は次のように多岐にわたります。

・狭心症 ・心筋梗塞 ・高血圧
・心不全 ・不整脈 ・肺塞栓症
・解離性大動脈瘤 ・本態性低血圧 ・閉塞性動脈硬化症
・下肢静脈瘤


 中でも生活習慣と関連性の深い心臓病として特に重要で注目されているのは狭心症と心筋梗塞です。このページでは、心臓・血管の病気の中でも特に重要な心筋梗塞について説明しています。

 心臓を働かせるための専用の血管が心臓を取り囲むようにあり、冠動脈とか冠状動脈と呼ばれています。

 狭心症は、心臓自体に血液を供給する冠動脈が狭くなったり、詰まってしまい、心臓を働かせている筋肉や心筋に十分な血液が流れなくなる状態をいいますが、心筋梗塞は、この狭心症の状態が更に悪化し、心筋に酸素や栄養分を送り込む血液の流れが完全に止まってしまった状態です。

 酸素や栄養が供給されないので細胞は壊死し、非常に強い発作的痛みを伴います。


 心筋梗塞の直接的原因は、冠動脈の著しい動脈硬化や血液の塊(血栓)などが冠動脈を完全に詰まらせてしまうことです。動脈硬化の原因には、老化の影響も確かにあるのですが、一番重要な原因は不適切な生活習慣にあります。

 心筋梗塞は、以前は日本人には少なかったのですが、食生活や生活様式の欧米化に伴い増加しています。動脈硬化の原因には、老化の影響も確かにあるものの、一番重要な原因は不適切な生活習慣にあります。

 日本での心筋梗塞の患者発生数は年間15万人で、そのうちの30%が死亡していて、女性よりも男性に起こりやすい病気です。日本人の病気別死亡順位の第2位は心臓病で、その中でも心筋梗塞によるものが最も多いです。


どんな病気ですか? ◆「心筋梗塞」とは、一体どんな病気なのかの説明です。
どんな病気ですか?

 心臓自体も一つの重要な臓器ですので、他の臓器と同様に酸素と栄養分とを必要としています。この心臓を機能させる心筋に酸素と栄養分とを供給する血管があり、これを冠動脈と呼んでいます。

 冠動脈に問題があって十分な酸素と栄養分とが送られない病気は虚血性心疾患と呼ばれます。

 血流の不足状態が酷くなく、最低限の機能を果たしている状態であれば狭心症と呼ばれます。しかし、虚血性心疾患が重症状態になれば、血管や心筋は壊死してしまい、この状態が心筋梗塞と呼ばれる病気です。

 心筋梗塞の前駆段階である狭心症の発作は、冠動脈に動脈硬化がある人が急激な運動や強いストレスを受けた場合や熱い風呂での入浴などで、心臓に急激あるいは過度な負担をかけたときなどに起こります。

 最初は心臓部の軽い痛みから始まり、締め付けられるような痛みとなり、強い圧迫感を感じることもあります。痛みや圧迫感は、軽い場合なら10秒以内、長くても15分程度で消滅します。よほど酷いときでも30分を超えることはありません。

 狭心症の発作だけであれば、直接生命の危険は少ないのですが、狭心症の症状が何度も繰り返していると心筋梗塞に発展し、細胞が壊死して極めて危険な状態となります。

 日本人の三大死因は、次の三つとされ、心疾患はそのひとつとなっていて、日本での年間発症数は15万人、死亡率30%となっています。

 ・悪性新生物(がん)
 ・心疾患(虚血性心臓疾患:狭心症・心筋梗塞症)
 ・脳血管疾患


どんな症状ですか? ◆「心筋梗塞」の症状の説明です。
心筋梗塞の症状

 心筋梗塞になると、発作的に前胸部中央、心臓部に締め付けられるような激痛が走ります。痛みは狭心症よりもはるかに強く、持続的で数十分~数時間に及びます。

 冷や汗が出て顔面蒼白となるほか、やがて心臓機能不全症状として、不整脈、呼吸困難、むくみ、発熱などの症状が現れます。病状が一旦落ち着いても、1~2か月の間に、再び発作が起きることが珍しくありません。

 心筋梗塞の前駆段階である狭心症の発作であれば、その持続時間は長くても15分以内です。しかし、もしも痛みがそれ以上続く場合には、単なる狭心症ではなく、心筋梗塞や心室細動を引き起こす危険が極めて大となります。

 特に、激しい頭痛、動悸や不整脈、呼吸困難、嘔吐などの症状を伴う場合には、生命の危険がさし迫っていますので、緊急に救急車を呼んで病院に行かなくてはなりません。


原因は何ですか? ◆「心筋梗塞」の原因や発症の仕組みの説明です。
心筋梗塞の原因

 心筋梗塞の直接の原因は、冠動脈硬化ですが、これを誘引するのは、高血糖、高脂血症、家族にそういう人がいる家系、および特殊な性格などの危険因子などです。

 特殊な性格の人とは、自信家、几帳面、仕事熱心、負けず嫌い、成功欲や支配欲が強く気性の激しい人、すぐイライラして怒りやすい人などのタイプの人です。いつも強いストレスや緊張に晒される人、酒、タバコ中毒の人なども危険です。

 動脈硬化は加齢によっても進行しますが、偏った食生活や運動不足など悪い生活習慣が長く継続したときに起こりやすくなります。血管内にアテロームという粥状物質が沈着して血管の内壁を狭くしたり、動脈硬化を促進します。

 動脈硬化が進行するとアテロームの表面膜が破れて、そこに血栓ができます。この血栓が心臓の血管を完全に詰まらせると心筋梗塞となります。

 動脈硬化を促進させる危険因子には、高血圧、高脂血症、糖尿病のほか、肥満や運動不足、腎不全などの病気があります。また、強いストレスや喫煙習慣は、心筋梗塞の発作のトリガーになることがあります。


診断はどうなりますか? ◆「心筋梗塞」の検査方法や診断方法の説明です。
心筋梗塞の診断

 心臓病の検査は、日常の予防的健診などで行う一般的な検査と、発作などの発生によって緊急に行うものとがあります。検査そのものは、身体に直接針を刺したり、管を入れたりしない非侵襲性検査と、身体に針を刺したり、管を入れたりする侵襲性検査とがあります。通常は非侵襲性検査を行い、何らかの異常が発見されれば侵襲性検査も行われます。

 心臓病の検査では、まず医師による問診や聴診が行われます。高血圧などが心臓病の原因の一つですから、血圧測定が行われます。

 心臓の現在の状態を知ることと、血圧降下剤などの薬の効果を判定するためのデータとなります。これらに異常が認められれば、心電図検査へと進みます。

心電図上にデルタ波出現

 左図は、正常な状態での心臓刺激伝道系での信号の流れる順序を示したものです。

 心電図検査では、P波、QRS波、T波という3つの波形が測定されます。

 P波は心房の電気的な興奮を示し、QRS波は心室の電気的な興奮を示します。T波は心室の電気的興奮が回復するときの波形です。

 心臓に何らかの異常があると、その異常特有の波形が現れるので、医師が心電図をみれば心臓の病気やその進行状態などを判断することができます。(図は国立病院大阪医療センター政策医療循環器病のHPより転用し一部を追加改変)

 狭心症などの虚血性心疾患の診断には、定められた運動をし心臓に負担を掛けながら、運動負荷心電図検査と呼ばれる測定をします。ベルトコンベアーの上を歩いてもらうような軽い運動をしながら心電図を測定します。

 心筋梗塞にまで至っていない、狭心症であっても、胸痛がない静かな状態での心電図測定では特別な変化がないように見えますが、運動負荷心電図では、心筋梗塞の前駆段階である狭心症特有のパターンが現れるので、狭心症の正しい診断ができます。

 通常のクリニックなどで行える心臓病の検査は以上のようなものですが、これら以外にも次のような検査方法もあります。

 ・心エコー図検査(心臓超音波検査)
 ・胸部X線検査
 ・心臓カテーテル検査
 ・冠動脈造影検査
 ・心臓核医学検査
 ・CT
 ・MRI測定

 現実に心筋梗塞の発作が起こった場合などには、これらの検査が複数行われることがあります。


治療はどうやりますか? ◆「心筋梗塞」の治療方法の説明です。
心筋梗塞の治療方針

 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の予防的意味では、節度のある日常生活を心がけ、食べすぎ、飲みすぎを避け、バランスのよい食事を摂り、禁煙し、適度な運動を行うこと、また、十分な休養と睡眠をとることが必要です。

 しかし、心筋梗塞の発作や症状が起こったら緊急的に適切な治療が必要です。治療方法には、症状や段階に応じて「薬物療法」「カテーテルによる治療」、および「外科手術」などとなります。

 心筋梗塞や狭心症と思われる発作が起こったときには、ためらうことなく救急車を呼び、CCU(冠動脈疾患の集中監視と治療体制を備えた設備)がある緊急病院へ搬送してもらい、手当てをうけることが大切です。早ければ早いほど救命率が上がります。

薬物療法

 薬物療法としては、血管を拡張して血液の流れをよくする血管拡張剤、血圧を下げて心臓の負担を軽くする血圧降下剤、血液の粘度を下げ血液をサラサラにする抗血小板剤、尿が多量にでるようにして心臓の負担を軽減する利尿剤、心臓の働き自体を強くする強心剤、脈の乱れを正常にする抗不整脈剤などの医薬が、症状に合わせて使用されます。

 狭心症や心筋梗塞の緊急特効薬は、血管拡張剤としての硝酸薬(ニトログリセリン錠)やカルシウム拮抗薬です。中でも硝酸塩の舌下錠は即効性があり狭心症や心筋梗塞の発作時には特効的に効果をあらわします。発作が起きそうなときに直前に用いることもできます。

 皮膚に貼って、皮膚から薬効成分を吸収させる貼付薬・経皮吸収剤というものもあります。これらはあくまでも予防薬であり、発作止めにはなりませんが、効き目の持続性があり就寝前に貼っておけば、早朝の発作を防止する効果はあります。

 貼付薬は、お腹の上部や胸、上腕部などで皮膚の柔らかい部位に貼りますが、皮膚への刺激を避けるため、毎回、少しずつ貼る場所を変えて貼ります。

 尚、この貼付薬には、眩暈(めまい)やふらつき、立ちくらみ、血圧低下を起こし易い副作用があるとされます。長時間貼付し続けると激しい頭痛が起こることもあります。急に立ち上がったり、激しい動作は危険ですし、車の運転なども注意が必要です。副作用が出る場合には、すぐに主治医に相談してください。

カテーテルによる治療

 カテーテルによる治療方法は、狭心症や心筋梗塞の直接原因である傷んで狭くなった冠動脈の病変部内部に直径2~4ミリ、長さ20ミリくらいの小さな風船を挿入し膨らませて、冠動脈を内側より拡張する方法です。

 このカテーテルによる方法は、比較的軽症の患者に適用されます。風船は血管を広げた後で縮ませて抜き去ります。この他にも、ステントと呼ばれる小さな筒状の金網を血管の内部に入れて膨らませ、そのまま入れておく方法もあります。

外科手術

 更に重症の患者には冠動脈バイパス手術という、大掛かりな外科治療が必要となります。この方法では、狭くなった血管部分や、閉塞した病変部の先に、別の血管を繋いで血液の流れをよくする血液のバイパス路をつくる方法です。

 以前には、人工心肺を使いながら心臓を完全停止させてこの手術は行われましたが、最近の医学の進歩で、現在では心臓を停止させることなく手術することが可能となっています。とはいえ、いずれにしても極めて高度な設備とテクニックが必要な手術に違いはありません。