心臓病の検査は、日常の予防的健診などで行う一般的な検査と、発作などの発生によって緊急に行うものとがあります。検査そのものは、身体に直接針を刺したり、管を入れたりしない非侵襲性検査と、身体に針を刺したり、管を入れたりする侵襲性検査とがあります。通常は非侵襲性検査を行い、何らかの異常が発見されれば侵襲性検査も行われます。
心臓病の検査では、まず医師による問診や聴診が行われます。高血圧などが心臓病の原因の一つですから、血圧測定が行われます。
心臓の現在の状態を知ることと、血圧降下剤などの薬の効果を判定するためのデータとなります。これらに異常が認められれば、心電図検査へと進みます。
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左図は、正常な状態での心臓刺激伝道系での信号の流れる順序を示したものです。
心電図検査では、P波、QRS波、T波という3つの波形が測定されます。
P波は心房の電気的な興奮を示し、QRS波は心室の電気的な興奮を示します。T波は心室の電気的興奮が回復するときの波形です。
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心臓に何らかの異常があると、その異常特有の波形が現れるので、医師が心電図をみれば心臓の病気やその進行状態などを判断することができます。(図は国立病院大阪医療センター政策医療循環器病のHPより転用し一部を追加改変)
狭心症などの虚血性心疾患の診断には、定められた運動をし心臓に負担を掛けながら、運動負荷心電図検査と呼ばれる測定をします。ベルトコンベアーの上を歩いてもらうような軽い運動をしながら心電図を測定します。
心筋梗塞にまで至っていない、狭心症であっても、胸痛がない静かな状態での心電図測定では特別な変化がないように見えますが、運動負荷心電図では、心筋梗塞の前駆段階である狭心症特有のパターンが現れるので、狭心症の正しい診断ができます。
通常のクリニックなどで行える心臓病の検査は以上のようなものですが、これら以外にも次のような検査方法もあります。
・心エコー図検査(心臓超音波検査)
・胸部X線検査
・心臓カテーテル検査
・冠動脈造影検査
・心臓核医学検査
・CT
・MRI測定
現実に心筋梗塞の発作が起こった場合などには、これらの検査が複数行われることがあります。
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