卵巣がんの診断方針
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卵巣がんの検査・診断は、概ね「腫瘍の存在確認」「画像診断」「血液検査」「病理検査」「病期判定」のように行われます。
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腫瘍の存在確認
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腫瘍がある程度大きくなり、下腹部に圧迫感がある場合には、婦人科診察だけでも腫瘍の有無、それが卵巣の腫瘍か子宮筋腫かなどが分かります。
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画像診断
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内診で腫瘍の存在が疑われる場合には、超音波やX線CT検査、MRI検査などの画像診断によって、卵巣腫瘍か、子宮の腫瘍か、腫瘍の大きさ、腫瘍の内部の構造、がんの進行度、転移の有無などを詳細に調べます。
しかし、がんの直径が1cm以下の小さなものでは明確にわからない場合もあります。
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血液検査
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卵巣腫瘍が両性の腫瘍か悪性の腫瘍かを区別するために、腫瘍マーカーという血液検査の方法があります。血液中に存在する「CA125」などの糖たんぱく質が主な腫瘍マーカーで、これらが異常な高値を示す場合には悪性がんの可能性が高くなります。検査結果が出るまでには1~2週間くらいかかります。
腫瘍マーカーの「CA125」は、進行した明らかな卵巣がんでは高い陽性率を示しますが、早期がんでは陽性率が低いこと、若い女性の場合に卵巣がんでなくても軽度陽性の人もいることから、卵巣がんの早期発見用としてはあまり有用ではありません。
このマーカーは、卵巣がんの治療中や治療後に繰り返し測定することで、治療効果の判定や経過観察には有用な指標となります。
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病理検査
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腫瘍マーカーで調べてもはっきりしない場合、開腹して腫瘍細胞の一部を採取して、細胞検査・組織検査を行うことがあります。特に、腹水や胸水が溜まっている場合には、生体組織による検査が有用です。
最終診断は、病理検査で、良性腫瘍か悪性腫瘍か、がんの組織型が診断されます。
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病期判定
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卵巣がんと診断された場合、治療方針を定めるためにも、がんがどの程度進行し、転移しているかなどを検査しなくてはいけません。がんの進行程度・拡がり程度を「病期」と呼び、「I期」~「Ⅳ期」まであります。
腹膜播種のような転移の状況を画像診断だけで発見することは困難なので、病期の確定は手術所見によって決められます。手術時の転移状況の直接的観察と、摘出物の検査で行います。
病期がI期~Ⅱ期の場合には、卵巣がんは完全に切除可能ですが、病期がⅢ期~Ⅳ期になると「進行がん」といわれ、手術だけで完全に除去することはできません。
I期 |
がんがあるが、片側、あるいは両側の卵巣内にだけにとどまっている状態。
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Ⅱ期 |
がんが卵巣の周囲の卵管や子宮、直腸、膀胱などの腹膜に転移している状態。
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Ⅲ期 |
がんが卵巣の周囲の腹膜だけでなく、上腹膜にも転移している、あるいは後腹膜リンパ節に転移している状態。
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Ⅳ期 |
がんが腹腔外に転移しているか、あるいは肝臓に転移している状態。
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