〔注意欠陥・多動性障害〕は、「多動性」「不注意」「衝動性」などの症状を特徴とする発達障害もしくは行動障害のひとつです。小学校入学後にじっとしていなければならない社会的状況(学業)に遭遇したとき、それが出来ないで動きまわるなどの症状によって発見されることが多いです。
この障害は、英語で「Attention Deficit / Hyperactivity Disorder」と呼ばれることから〔ADHD〕と表記されることがあります。
この障害では、注意力を継続して維持することが困難なほか、時間間隔がずれていたり、さまざまな情報を集約することなどに困難を伴うなどの特徴があります。
この障害の原因は、遺伝的原因があるとされたり、脳障害的要因も強いも考えられていて、躾や本人の努力だけでは、これらの症状に対処するのは困難とされます。重度になると日常生活に支障を来たす場面もありますが、適切な治療や環境整備により症状は緩和されます。
この疾患は、3%ほどの小児にみられ、男児の方が女児よりもおおむね5倍ほど多く発症する特徴があります。小児期にADHDと診断された人では、高校・大学時代に約7割ほど、成人してからも半数近くが何らかの症状を残しているとされます。
一卵性双生児の一方がADHDを発症した場合、もう一方も発症する割合は、一卵性ではない兄弟や姉妹の場合の11~18倍になるとの報告があります。(コロラド大学 Jacquelyn J. Gillisら)
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