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心の病気

 

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〔心の病気〕

◇幼児期・小児期・青年期障害◇

注意欠陥および破壊的行動障害

(注意欠陥・多動性障害)


 〔注意欠陥・多動性障害〕は、「多動性」「不注意」「衝動性」などの症状を特徴とする発達障害もしくは行動障害のひとつです。

 この障害は、略号では〔ADHD〕と表記されることがあります。

 〔注意欠陥・多動性障害〕の子供は、落ち着きがなく、ごく短い時間しか集中力を保つことができません。


 また、集団行動も苦手であり、しばしば過剰な行動、多動性がみられます。注意力を維持することが困難なほか、時間感覚がずれていたり、さまざまな情報を集約することなどに困難を伴うなどの特徴があります。

 DSM-Ⅳ-TR(アメリカ精神医学会発行の精神疾患の診断・統計マニュアル第4版)によるADHDの分類では、次の三つのタイプがあるとされています。

ADHDの分類
多動性・衝動性優勢型  「じっとしていられない」「お喋りがとまらない」「順番を待てない」などでのトラブルを起こしやすい。

不注意優勢型  「ぼんやりしていて他人の話を聞いていない」「会話中などでもすぐに気がそれてしまう」「忘れ物が多い」などで困ることがある。

混合型  不注意、多動性、衝動性の全てが合わせて認められる。


 〔注意欠陥・多動性障害〕の原因は、脳障害によるものと考えられていて、躾や本人の努力だけで症状に対処するのは困難とされます。重度になると日常生活に支障を来たす場面もありますが、適切な治療や環境整備により症状は緩和されます。

 この疾患は、3%ほどの小児にみられ、男児の方が女児よりもおおむね5倍ほど多く発症する特徴があります。小児期に〔ADHD〕と診断された人では、高校・大学時代に約7割ほど、成人してからも半数近くが何らかの症状を残しているとされます。

 この障害では、遺伝的要因は強いとされ、一卵性双生児の一方が〔ADHD〕を発症した場合、もう一方も発症する割合は、一卵性以外の兄弟姉妹の場合に比べて11~18倍も高くなるとの報告があります。


注意欠陥・多動性障害はどんな病気ですか? ◆〔注意欠陥・多動性障害〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
注意欠陥・多動性障害は
どんな病気ですか?

 〔注意欠陥・多動性障害〕は、「多動性」「不注意」「衝動性」などの症状を特徴とする発達障害もしくは行動障害のひとつです。小学校入学後にじっとしていなければならない社会的状況(学業)に遭遇したとき、それが出来ないで動きまわるなどの症状によって発見されることが多いです。

 この障害は、英語で「Attention Deficit / Hyperactivity Disorder」と呼ばれることから〔ADHD〕と表記されることがあります。

 この障害では、注意力を継続して維持することが困難なほか、時間間隔がずれていたり、さまざまな情報を集約することなどに困難を伴うなどの特徴があります。

 この障害の原因は、遺伝的原因があるとされたり、脳障害的要因も強いも考えられていて、躾や本人の努力だけでは、これらの症状に対処するのは困難とされます。重度になると日常生活に支障を来たす場面もありますが、適切な治療や環境整備により症状は緩和されます。

 この疾患は、3%ほどの小児にみられ、男児の方が女児よりもおおむね5倍ほど多く発症する特徴があります。小児期にADHDと診断された人では、高校・大学時代に約7割ほど、成人してからも半数近くが何らかの症状を残しているとされます。

 一卵性双生児の一方がADHDを発症した場合、もう一方も発症する割合は、一卵性ではない兄弟や姉妹の場合の11~18倍になるとの報告があります。(コロラド大学 Jacquelyn J. Gillisら)


注意欠陥・多動性障害はどんな症状ですか? ◆〔注意欠陥・多動性障害〕の症状をご説明します。
注意欠陥・多動性障害の症状

 注意欠陥・多動性障害の基本症状は、「不注意」「多動性」および「衝動性」の三つであり、それぞれ次のような特徴があります。

注意欠陥・多動性障害の基本症状
不注意  不注意とは、細かいことに注意を払えない、注意を持続できない、あるいはちょっとして周囲の刺激で気が散ってしまうなどの状態です。

 日常生活では、不注意が原因での間違いを冒しやすかったり、始めたことを完成できなかったり、他人の話を聞いていない、しばしば忘れ物や落し物をするなどです。

多動  多動とは、行動が異常に活動的で、絶え間なくせわしく動き回ったり、身体の一部をもじもじ動かしたりします。また、いつまででもお喋べりを続けたりします。たとえば、バス旅行中、疲れて眠っている時間以外は、バスガイドの話などに耳を傾けることもなく、一人で喋り続けたりします。

衝動性  衝動性とは、どうなるか結果を考えずに判断や行動をしてしまうことであり、結果として自分ばかりか他人を危険に晒したり、事物の破壊を招いたりします。

 行列でも順番を待つことができなかったり、人を押しのけ妨害し平気で邪魔もします。人の話が終わらないうちに出し抜けに話だしたり、答えたりします。


 この疾患に関する分類には多くの論争があり、決定的なものはありませんが、DSM-Ⅳ-TR(アメリカ精神医学会発行の精神疾患の診断・統計マニュアル第4版)では、基本症状のどの症状が特徴的に現われるかにより、具体的な症状として、「多動性・衝動性優勢型」「不注意優勢型」および「混合型」に分類しています。

DSM-Ⅳ-TRでの症状による分類
多動性・衝動性優勢型  特別な不注意は認められず、多動性や衝動性が強い場合です。その場の状況とは関係なく常に多動で、予測や考えなしに行動を起こしてしまいます。

 このため、「じっとしていられない」「お喋りがとまらない」「順番を待てない」などでのトラブルを起こしやすくなります。

不注意優勢型  不注意優勢型は、不注意が強く、多動性や衝動性が認められない場合です。ADHDとして扱われる「不注意優勢型」は〔ADD(Attention-Deficit Disorder)〕と呼ばれ、多動性が少ない特徴があります。

 極端な不注意が目立ち、無気力だったり活動性が乏しくなります。「ぼんやりしていて他人の話を聞いていない」「会話中などでもすぐに気がそれてしまう」「忘れ物が多い」などで困ることがあります。

 学童期までの発症率は1~6%ほどで、統計的には男子の方が多くなっています。女子では、目立たないために発見率が低いだけだとの説もあります。

混合型  混合型は、不注意、多動性、衝動性の全てが合わせて認められる場合です。


 また、他の精神障害と合併して、多くの問題が現われる場合もあります。たとえば、本人が学習障害を経験したり、不安や抑うつなどの症状を持ったり、時には反抗的行動、反社会的行動を引き起こすことも起こります。


注意欠陥・多動性障害の原因は何ですか? ◆〔注意欠陥・多動性障害〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
注意欠陥・多動性障害の原因

 従来、ADHDの原因は、脳障害説と環境要因説とがあったのですが、現在では脳障害説が有力となっています。頭部CTやSPECT、MRIなどによる画像診断技術の進歩により、ADHDの患者では、右前頭前皮質、大脳基底核の尾状核・淡蒼球、小脳虫部が健常児と比べて縮小していることが分かっています。

ADHDに関連が疑われる脳の部位
右前頭前皮質  我慢して注意すること、自意識、時間感覚に関連する部位です。健康な前頭前野は行動を注意深く選定する機能を果たしています。

大脳基底核の尾状核・淡蒼球  大脳基底核は、反射的な反応を抑制し、衝動性を押さえる働きを持っています。

小脳虫部  動機付けを行う部位です。


 また、遺伝的要因が強いことも分かっています。神経シナプスの刺激の伝達に関連するいくつかの遺伝子に何らかの異常があり、上記のような部位が萎縮しているのではと考えられています。

 しかし、前頭前部の縮小などが関与していることは分かっていても、その特定の部位や機能が損なわれる機序が完全に解明されるまでには至ってはいません。

 砂糖分を多く含むソフトドリンクの摂取量と多動性とが相関するとの研究報告や食品添加物の合成保存料の安息香酸ナトリウムと数種類の合成着色料が子どもにADHDを誘引するなどの研究結果も報告されています。合成着色剤のタール系色素(赤色40号、赤色102号、カルモイシン、黄色4号、黄色5号、キノリンイエローなど)は、好ましくはないと考えた方がよいです。

 更に、睡眠科学の研究結果では、睡眠の質がADHD関わっているとの説もあります。

 ADHDは、その他にも、脳の病気や脳の外傷など後天的な原因によっても発症することがあります。


注意欠陥・多動性障害の診断はどうなりますか? ◆〔注意欠陥・多動性障害〕の検査方法や診断方法をご説明します。
注意欠陥・多動性障害の診断

 ADHDの診断は、その他の精神疾患と同様に、面接、診察室での検査場面の観察所見、標準化された評価尺度などを総合的に判断して行われます。

 DSM-Ⅳ-TRでは、「不注意」および「多動性・衝動性」の症状を、それぞれ下記の表のように分類し、どちらも6項目以上が該当するとき、その症状があるとし、それに加えて次の条件を満たすとき、ADHDと診断されます。

 (1)年齢に不相応で、適応的でない。
 (2)6カ月以上続く。
 (3)7歳以前に始まる。
 (4)2つ以上の場面で現れる。
 (5)社会的、学業的機能に障害となる。
 (6)広汎性発達障害、その他の精神病の経過中に起こるものではない。

DSM-Ⅳ-TRでの「不注意」および「多動性・衝動性」診断
不注意 ・学業、仕事、またはその他の活動において、しばしば綿密に注意することができない、または不注意な間違いをする。

・課題または遊びの活動で注意を集中し続けることがしばしば困難である。

・直接話しかけられたときにしばしば聞いていないように見える。

・しばしば指示に従えず、学業、用事、または職場での義務を、反抗的な行動、または指示を理解できないためではなく、やり遂げることができない。

・課題や活動を順序立てることがしばしば困難である。

・学業や宿題のような、精神的努力の持続を要する課題に従事する事をしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う。

・課題や活動に必要なものをしばしばなくしてしまう。(例:おもちゃ、学校の宿題、鉛筆、本、道具など)

・しばしば外からの刺激によってすぐ気が散ってしまう。

・しばしば日々の活動で忘れっぽい。

多動性・衝動性 <多動性>
・しばしば手足をそわそわと動かし、またはいす上でもじもじする。

・しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる。

・しばしば、不適切な状況で、余計に走り回ったり高い所へ上ったりする。(青年または成人では落ち着かない感じの自覚のみに限られるかも知れない)

・しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない。

・しばしば「じっとしていない」または、まるで「エンジンで動かされるように」行動する。

・しばしばしゃべりすぎる。


<衝動性>
・しばしば質問が終わる前に出し抜けに答え始めてしまう。

・しばしば順番を待つことが困難である。

・しばしば他人を妨害し、邪魔する(例えば会話やゲームに干渉する)

・多動性―衝動性または不注意の症状のいくつかが7歳以前に存在し、障害を引き起こしている。

・これらの症状による障害が2つ以上の状況において存在する。(例:学校、または仕事と家庭において)

・社会的、学業的または職業的機能において、臨床的に著しい障害が存在するという明確な証拠が存在しなければならない。

・その症状は広汎性発達障害、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるもではなく、例えば気分障害、不安障害、解離性障害、または人格障害など他の精神疾患ではうまく説明されない。



注意欠陥・多動性障害の治療はどうやりますか? ◆〔注意欠陥・多動性障害〕の治療方法をご説明します。
注意欠陥・多動性障害の治療目標

 幼少期におけるADHDの治療目標は、この障害が将来に与える影響を最小限にし、本人が本来持っている能力を発揮し、自己評価を高め、自尊心を養うことにあります。適切な治療や訓練などによって、成長後の社会生活が円滑にできるようにすることが目標です。

 また、ADHDであることの発見が遅れ放置した場合には、成長後に反抗的になって社会的問題を起こしたり、不安や抑うつ症などの二次障害を起こすリスクも高まります。早期発見と適切な治療により、将来的な問題を回避することも重要な目標となります。

注意欠陥・多動性障害の治療法

 治療上の具体的な方法には、「薬物療法」「心理療法」「食事療法」「行動療法」および「家庭における配慮」などがあります。

注意欠陥・多動性障害の治療法
薬物療法  対症療法ではありますが、症状の発症を抑制するために、覚醒水準を引き上げることを目指して「中枢神経興奮薬」が用いられます。

 小児に対してのADHDの適応薬として、メチルフェニデートの徐放剤(商品名:コンサータ)が使用されています。

 更に、同じく小児に限定して、2009年4月にアトモキセチン塩酸塩製剤(商品名:ストラテラ)が認可され使用されています。

 現時点では、成人用の治療薬は存在していませんが、アトモキセチン塩酸塩製剤の成人への治験が行われています。

心理療法  薬物療法と併用する形で心理療法が使われることがありますが、この障害は脳機能障害的疾患であるため、心理療法はあくまでも生活の質を向上させる目的に留まります。

食事療法  薬物療法への拒否反応などから、食事療法なるものが使われることがありますが、効果のほどは定かでありません。

行動療法  行動療法とは、適切な行動目標を与え、目標が達成できたら褒めるなどの報酬を与え、出来なかったら報酬を与えない(あるいは罰を与える)という方法です。

家庭における配慮  家庭では、勉強しているときには気が散るような外的刺激を与えないようにするなどの配慮が重要となります。また、褒めることを中心にして親子の絆を強くすることに努めます。



注意欠陥・多動性障害の予後はどうですか? ◆〔注意欠陥・多動性障害〕の予後をご説明します。
注意欠陥・多動性障害の予後

 生来の性質は成人後も継続するのが普通であるが、ADHDであっても成長するに従って問題行動は目立たなくなる傾向があります。症状を軽減する習慣を習得することで社会環境などに適応できる場合があります。

 一方で、多くの場合、社会適応に失敗したり、あるいはうつ病などを発症することがあります。

 このような障害があると、得意分野では優れた能力を発揮し成功しても、他の分野ではそうはいかないことが多々あります。有名大学を優秀な成績で卒業しても、人間関係で問題を起こしたりする事例は頻繁にみられます。