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心の病気

 

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〔心の病気〕

◇幼児期・小児期・青年期障害◇

注意欠陥および破壊的行動障害

(特定不能の破壊的行動障害)


 〔注意欠陥および破壊的行動障害〕と呼ばれる〔精神障害〕の中で、破壊的な行動を繰り返し行い、それにより生活に支障を来たす障害として〔破壊的行動障害〕があります。

 この障害には、〔行為障害〕と〔反抗挑戦性障害〕とがあり、一般社会では、いわゆる〔非行〕と呼ばれたりしています。


 このコーナーの別のページでご説明しているように、〔行為障害〕にも〔反抗挑戦性障害〕にも、そうと判定される基準があるのですが、それらの基準は満たさないものの、明らかな異常行為や拒絶的で反抗的、挑戦的行動や態度の持続があるとき、これを〔特定不能の破壊的行動障害〕と呼んでいます。

 〔行為障害〕や〔反抗挑戦性障害〕の基準は満たさないものの、その状態が社会的、学業的または職業的機能面で著しい支障を引き起こしている場合が該当します。

 〔行為障害〕とは、反社会的、攻撃的、反抗的な行動を持続的に反復し、年齢相応の社会規範や規則を大きく逸脱しているものをいいます。その診断基準は次の4つの項目の全てを満たし、それが6か月間持続した場合、行為障害と診断されます。

行為障害の診断基準
人や動物に対する攻撃性  しばしば人と喧嘩したり、脅迫したり、威嚇したり、動物に対して残虐な仕打ちをする。
所有物の破壊  他人の所有物の破壊 放火など。
嘘をつくことや窃盗  繰り返し嘘をついたり、盗みを行なう。
重大な規則違反  学校のズル休みや、家出など。

 これらの項目が存在する場合で、6か月未満しか続かない場合には〔行為障害〕とは診断されませんが、〔特定不能の破壊的行動障害〕には該当します。

 一方、〔反抗挑戦性障害〕についても同様な考え方が適用されます。

 次のような診断基準の中で、4つ以上の項目を満たし、しかも生活に支障をきたしているときには〔反抗挑戦性障害〕と診断されますが、これらの項目を4つ未満しか満たしていないが、生活に支障を来たしている場合には〔特定不能の破壊的行動障害〕と診断されます。

 逆にいえば、これらの項目を4つ以上満たしていても、生活に支障をきたしていないなら、〔反抗挑戦性障害〕とは診断されませんし〔特定不能の破壊的行動障害〕とも診断されません。

 4つ以上の項目が該当していても、本人も周囲の人も何も困っていないなら、〔反抗挑戦性障害〕にも〔特定不能の破壊的行動障害〕にも診断はされることはありません。

反抗挑戦性障害の診断基準
1  しばしば癇癪を起こす。
2  しばしば大人と口論をする。
3  しばしば大人の要求、または規則に従うことに積極的に反抗または拒否する。
4  しばしば故意に他人をいらだたせる。
5  しばしば自分の失敗、不作法を他人のせいにする。
6  しばしば神経過敏または他人からいらいらさせられやすい。
7  しばしば怒り、腹を立てる。
8  しばしば意地悪で執念深い。