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心の病気

コミュニケーション障害


コミュニケーション障害とは 表出性言語障害
受容−表出混合性言語障害 音韻障害
吃音症 特定不能のコミュニケーション障害

 〔コミュニケーション障害〕は、〔コミュ障〕とも呼ばれる傷害で、脳や聴覚の器官には特別な問題がないにも拘わらず、失語症などの言語障害、音韻障害、どもり症、声の障害、言語発達の遅れなどが現れる障害です。

 うまく表現する言葉が見つからないなどの問題がある状態です。これらの障害は、主に幼児期・小児期・青年期に発症します。

 このように、〔コミュニケーション障害〕は、話す能力や、自分の意思や態度を伝達する能力が年齢相応に備わらず、発音が幼稚だったり、言葉の間違いが多かったり、オウム返しを繰り返すなどの症状がでる心の病気です。

 人がコミュニケーションする場合には、次のような5つのステップを踏んで意思の伝達が行われます。〔コミュニケーション障害〕は、これら5つの段階のどれかに何らかの問題が生ずることで起こります。

コミュニケーションの段階
言語学的レベル  伝達したいことを大脳で思考し、言語化する段階。
生理学的レベル
(出力系)
 大脳が言語化した情報内容を「話し言葉」として表現するために、運動神経を通じて、声帯・舌・唇などの器官に対して運動命令を発する。これらの器官は指令に従って運動し、音声として表出する段階。
音響学的レベル  発せられた音声が、音波として空気中を伝播し、聞き手、および話し手自身の耳に伝達される段階。
生理学的レベル
(入力系)
 聞き手の耳に到達した音波が、内耳で電気信号に変換され、感覚神経を経由して聞き手の大脳に伝達される段階。
言語学的レベル  大脳で音声情報を解読し、意味を理解する段階。

 現在、「言語聴覚士」というリハビリテーション国家資格があります。この資格を持つプロが、このような障害を持つ人たちの検査を行い、原因の解明と障害の程度を判定し、適切な治療指針を示してくれます。


どんな病気ですか? ◆〔コミュニケーション障害〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
どんな病気ですか?  コミュニケーション障害は、言語以外の能力に比して、言語で表現する能力が標準者に対して著しく低い状態となる疾患です。会話時に使用できる語彙が著しく限定され、時制の誤りをおかします。

 会話に必要な単語を思い出すことが困難となったり、意思伝達に必要な適切な長さと複雑さを持つ文章を作ることが困難となります。

 社会生活の根本であるコミュニケーションが順調に行えないために、本人は心理的にも社会的にも想像以上に大きな苦痛やダメージを受けるようになります。

 身体的な障害とは異なり、コミュニケーション障害は、外見上は分かりづらい性格の疾患であることや、この障害を持つ本人は、自分の苦しみを言葉で訴えることが困難なことから、的確な対応を難しくする面があります。

 このように、言葉をうまく操れないという障害が、学業や職業的成績、対人関係などの障害となり、日常生活を送る上で支障をきたします。




どんな症状ですか? ◆〔コミュニケーション障害〕の症状をご説明します。
コミュニケーション障害の症状  コミュニケーション障害では、会話しようとしても口からうまく言葉が発声できない、相手の話している言葉を、意味のある音声として理解できないなどの症状がみられます。また、適切な情緒の交換が困難であったり、話の文脈を読み取り理解することが困難であったりします。

 会話時に見られる特徴として、ある話題を話しているのに、話題がそれてしまい、全く別のことについて話し始めてしまうなど、話題を維持していることが困難になったりします。

 このような現象は、多くの場合「失語症」や「痴呆」と呼ばれます。


原因は何ですか? ◆〔コミュニケーション障害〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
コミュニケーション障害の原因  人がコミュニケーションする場合には、次のような5つのステップを踏んで意思の伝達が行われます。コミュニケーション障害は、この5つの段階のどれかに何らかの問題が生ずることで起こります。

コミュニケーションの段階
言語学的レベル  伝達したいことを大脳で思考し、言語化する段階。

生理学的レベル
(出力系)
 大脳が言語化した情報内容を「話し言葉」として表現するために、運動神経を通じて、声帯・舌・唇などの器官に対して運動命令を発する。これらの器官は指令に従って運動し、音声として表出する段階。

音響学的レベル  発せられた音声が、音波として空気中を伝播し、聞き手、および話し手自身の耳に伝達される段階。

生理学的レベル
(入力系)
 聞き手の耳に到達した音波が、内耳で電気信号に変換され、感覚神経を経由して聞き手の大脳に伝達される段階。

言語学的レベル  大脳で音声情報を解読し、意味を理解する段階。


 このような障害を発症する原因には、いわゆる失語症と呼ばれる疾患や、痴呆があります。いずれも何らかの理由で脳に損傷を受けたりすることが原因となります。

 失語症についてはリハビリテーションでかなりな改善が望めますが、痴呆に関しては現時点では根本的な治療は困難となります。

 この他にも、頭部外傷などにより脳に損傷を受けた結果、記憶の低下、思考、知能の低下などを来たすこともあります。頭部外傷により、人柄が全く別人のようになってしまった例が報告されています。

 先天的、高齢化、脳の病気、あるいは交通事故などによる外傷が、脳の発達を遅らせたり、脳に損傷を与えたり、あるいは脳の機能を低下させることで、コミュニケーション障害が発症します。現実的には障害を受けた脳の部位や、時期などにより障害の現れ方は異なってきます。

 幼少児などの言葉の遅れであれば、難聴など聞こえの障害によるもの、脳性まひなどによる脳の損傷によるもの、先天的な知的発達障害によるもの、自閉症などの対人関係障害によるものなどが起こります。

 成人であれば、交通事故などによる脳の損傷、脳卒中などによる脳の損傷により失語症として発症することが多くあります。失語症では、次のような現象が起こります。

失語症の特徴
喚語困難  伝えたい意味を表すべき単語が思い出せない現象。

錯語  自分が言おうと思う言葉とは別の言葉が発声されてしまう現象。例えば、鉛筆と言おうとしているのに、ボールペンと言ってしまう。

失文法  単語を組み合わせて正しい文章を組み立てることができなくなる現象。

プロソディ障害  プロソディ障害とは、強弱、抑揚、速度、滑らかさといった音声の特徴的な要素を意味し、通常、吃音(きつおん:ドモリ)を意味する現象。



診断はどうなりますか? ◆〔コミュニケーション障害〕の検査方法や診断方法をご説明します。
コミュニケーション障害の診断  コミュニケーション障害の診断は、患者の言語活動・症状や行動を総合的に把握し、健常者のデータと比較することで行われます。

 患者の診断結果と患者の背景情報(誕生以降の主な出来事など)に基づき、この障害が発生しているメカニズムについて仮説を形成してゆきます。

 診断に用いられる情報は、患者の言語症状の特徴、背景情報などで、その情報を分析し解釈して行います。幼小児であれば、正常発達の各種データと対比し、成人であれば、 健常者のデータと対比します。

コミュニケーション障害の診断要素例
会話中  会話中に、その年齢、その地域の言葉を適切な発達段階に応じて音声で話せるか。

 <例>
 ・音声の産出、使用、表現、構成が適切か。
 ・ひとつの音を別の音で代用していないか。
 ・最後の子音の発音を省略していないか。

日常生活の支障  会話の音声産出の困難が、学業的または職業的成績を低下させる原因となっていないか。また、対人的コミュニケーションを妨害していないか。

精神遅滞などの問題  精神遅滞、言語運動または感覚器の欠陥、または環境的不備が存在し、これらが会話を通常より著しく困難にしていないか。

吃音症  正常な会話の流暢さが確保されているか。下の項目のひとつあるいはそれ以上が頻繁に起こっていないか。

 ・音と音節の繰り返し
 ・音の延長
 ・間投詞
 ・単語が途切れること(例:一つの単語の中の休止)
 ・聞き取れる、または無言の停止(音を伴ったあるいは伴わない会話の中止)
 ・遠回しの言い方(問題の言葉を避けて他の単語を使う)
 ・過剰な身体的緊張とともに発せられる言葉
 ・単音節の単語の反復(例:「あーあーあーあいたい」

 言葉の流暢さに障害があり、それが学業的、職業的成績、あるいは対人的コミュニケーションを妨害していないか。

 言語を発する運動、あるいは感覚器に欠陥があるために、通常伴うよりも過剰に会話を困難にしていないか。

特定不能のコミュニケーション障害  会話時の音程、音量、音質、抑揚(音調)、あるいは共鳴の異常など、上記にあげた原因以外の特定不能な音声的異常などがないか。



治療はどうやりますか? ◆〔コミュニケーション障害〕の治療方法をご説明します。
コミュニケーション障害の治療  人口の高齢化などに伴い、コミュニケーション能力の改善を必要とする人の数は増加しています。平成9年12月に「言語聴覚士法」が成立し、平成11年春以降には、国家試験が実施されるようになりました。

 言語聴覚士は、聴覚障害、ことばの遅れ、失語症、声・発音の障害などに障害を持ち、コミュニケーション能力の向上が必要な人に対して、その人に必要な問題点を体系的に評価し、それぞれの問題に応じた援助やリハビリテーション、訓練・指導を行ってくれます。

 通常行われる訓練や指導の対象は、次のようなものです。

言語聴覚士による訓練、指導対象
知的障害児  コミュニケーション障害を持つ個々の人に対して、文字を含む言語、数、空間、順序などの概念や実用の学習をします。

 発音障害のある児童などには、発音や発話リズム改善のための訓練などを行います。

自閉症児
学習障害児
脳性麻痺児
口蓋裂児(手術後)
吃音児

 言語聴覚士は、病院などの医療機関や、老人保健施設、身体障害者福祉センター、言語聴覚障害児の通園施設、補聴器関連企業など幅広い分野で活躍しています。

 コミュニケーション障害の多くは、失語症であり、多くの場合、上記のような言語訓練により相当程度に回復を期待できますが、原因が高齢化や認知症の場合には、回復困難な場合も多々起こります。