一般的に、1歳を過ぎて離乳するころには、最初の意味のある言葉、初語を話し始め、語彙数は急速に増えていきます。2~3歳くらいまでには2語文を話し、3~4歳では4語文くらいを話せるようになります。
4歳を過ぎれば、語彙数も急速に増えて、大人と会話ができるようになります。
乳児期から小学校入学時までの標準的な言葉の獲得状況を表で示しますが、言葉の発達段階は人によりかなりの差異がありますので、あくまでもひとつの例としてご覧ください。
0歳代
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「アーウ」「クー」「あっあっ」「えっえっ」「あうー」「ほげ」「あぎゃ」「うぎゃ」などのクーイングを発するようになります。
やがて簡単な喃語を話すようになり、身近な人の声の調子や言葉を真似するようになります。
生後10か月を過ぎると、喃語は減り始め、発声と身振りで意思を伝えられるようになります。
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1歳代
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1歳前後になると初めて意味のある言葉を言いはじめます。これを「初語」とか「始語」などと呼びます。
周囲の人の言葉を盛んに真似し始める時期になり、初語を話すようになりますが、どの子もよく話し始める言葉は、「ママ」「パパ」「ワンワン」「ブーブー」などです。
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2歳代
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言葉とその意味を関連付けられるようになります。聞いて理解できる語彙数も200~400語くらいに増えます。それまで「ブーブー」だったものが「パトカー」とか「バス」などに変化してきます。
簡単な指示に従えるようになります。
2歳代には「なに?」「どこ?」「だれ?」などの疑問句を話せるようになり、2語文~3語文が話せるようになります。
・ママ だっこ
・たまちゃん どこ?
・ねこ かわいい
・おかし ちょうだい
・おおきい ニャンニャン きた
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3歳代
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3歳代になると、理解できる言葉の語彙が飛躍的に増え、400~800語にも達します。意思の伝達や欲求ができるようになり、自己主張も強くなります。
「いつ?」「どうして?」「どんな?」などの疑問詞を理解できて、主な助詞の使い方も使えるようになります。とはいえ、この段階では、その場の状況的手がかりなしでは、まだ理解できない場合も多いです。
・おにいちゃんが ぼく ぶった
・タマちゃん おちっこ ちた
また、「○○と」や「そして」などの接続語も使って、3~4語文以上の長い文章が使えるようになるものの、発音的には「オイチイ」とか「チャムイ」「チャンチャイ」などのような幼稚な表現が目立ちます。
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4歳代
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4歳頃になると、その場の特別な状況的な手がかりなしでも、それなりに脈絡のある話ができるようになります。話し言葉がそれなりに完成する時期になります。
3~4語文以上のやや複雑な文を使えるようになります。
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5~6歳代
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5~6歳にもなると、相手や話題に合わせて、筋の通った話しができるようになります。平仮名の五十音を書けるようになり、自分の名前を書いたり、発音と文字との対応も取れるようになります。
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小学校入学時
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幼児期を過ぎて小学校に入学する段階では、単語の音節分解のような複雑なことが出来るようになり、言語を文章に綴ることも無理なくできるようになります。
この段階では、「比喩」による文字通りではない語句や文章を理解できるようにもなります。
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