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心の病気

音韻障害

 脳や聴覚器官などに特別な異常が見当たらないにもかかわらず、その年齢相応な言語能力が発揮できない一連の障害の中に〔コミュニケーション障害〕と呼ばれる障害があります。

 〔音韻障害〕は、〔コミュニケーション障害〕の中のひとつで、脳や聴覚器官などの異常ではないのですが、その年齢相応の発音がうまくできない障害です。


 発音が上手にできないために、話し方が他の子どもたちより幼く聞こえてしまいます。

 通常、誰でも幼小児期には必ずしも発音がうまく出来ないことが多いですが、〔音韻障害〕の子では普通よりも更に発音がうまくできないのです。このため、文字が抜けたり、入れ替わったり、オウム返し的になったりする症状がでてきます。

音韻障害の典型的症状
音声の置換  「さ行」の音が「た行」の音になる。

音声の省略  「トランプ」が「ランプ」になるなど。

子音の脱落  「バナナ」が「アナナ」になる。
 「ダメダ」が「ダエダ」になる。
 「ピカピカ」が「イカイカ」になるなど。

音声の歪曲  「サンサイ」が「チャンチャイ」になるなど。

音声の転倒  「ワシントン」が「ワトンシン」になるなど。


 このような障害は、子どもの成長とともに解消してきて、通常は小学校入学までには自然に治ります。もしも、8歳を過ぎても極端に症状が残っている重度の場合には、「言語療法」などによる治療を行えば大丈夫です。

音韻障害はどんな病気ですか? ◆〔音韻障害〕とは、一体どんな病気なのかご説明します。
乳幼児の初語  通常、乳幼児は1歳前後の頃から簡単な「初語」をしゃべり始めるようになります。しかし、これは単なる自然現象ではなく、その子が置かれている環境から、ある種の学習によって話せるようになるのです。

 乳幼児には難しい発音は無理なので、お母さんたちは、幼い子どもが理解できるような幼児語で話しかけます。乳幼児はそれを聞き、学習するのです。

 その結果、子どもが最初に話すようになる言葉は、たとえば「パパ」「ママ」などから始まり、やがて「ブーブー」や「ワンワン」「ニャンニャン」となっていきます。

音韻障害は
どんな障害ですか?
 頭脳に大きな器質的差異はなくても、日本語学習が得意で早くしゃべれるようになる子もいたり、逆に日本語学習が苦手でしゃべり出すのが遅い子もいます。

 音韻障害というのは、いわゆるコミュニケーション障害のひとつですが、このコミュニケーション障害というのは、養育環境に特別な問題はなく、かつ脳や耳などの聴覚器官にも異常がないにも関わらず、言語能力が年相応にできない、同年齢の友達に追いついていない状態をいいます。


音韻障害はどんな症状ですか? ◆〔音韻障害〕の症状をご説明します。
音韻障害の症状  通常、乳幼児では、最初は初語からはじまり、必ずしも正しい発音ができませんが、成長するにつれて徐々に正しい話し方ができるようになり、やがて全ての発音ができるようになります。

 しかし、音韻障害を持つ子どもでは、年齢相応の発音が困難であり、その年齢としてはとても幼いような話し方をする症状がでてきます。また、焦って話そうとするあまりオウム返しになったり、どもったりするようになります。

 典型的な音韻障害のはとしては、既にこのページの上部で述べたように、「音声の置換」や「音声の省略」「子音の脱落」「音声の歪曲」、あるいは「音声の転倒」などの現象として現われます。

典型的な音韻障害の例
音声の置換  「さ行」の音が「た行」の音になるなど、音声が別の音に入れ替わる現象です。

音声の省略  音声の最初の一語が抜けてしまう現象です。

 ・「トランプ」が「ランプ」になるなど。

子音の脱落  子音が脱落してしまい、母音だけが残るような現象です。

 ・「バナナ」が「アナナ」に、
 ・「トマト」が「オナト」になるなど。

音声の歪曲  音声が幼い別の音声に入れ替わる現象です。

 ・「サンサイ」が「チャンチャイ」に、
 ・「バス」が「バチュ」に、
 ・「タマゴ」が「マタマ」に、
 ・「チイサイ」が「チイチャイ」になるなど。

音声の転倒  二つの特定の音声が入れ替わってしまう現象です。

 ・「ワシントン」が「ワトンシン」になるなど。




音韻障害の原因は何ですか? ◆〔音韻障害〕の原因や発症の仕組みをご説明します。
音韻障害の原因  音韻障害の原因は必ずしも明らかではありません。一般に脳の器質的・機能的な問題はないとされますが、ひとつの原因としては、口唇や奥舌の筋緊張が亢進するために起こることがあるとの報告があります。

 この障害をもつ子どもでは、多くの場合、両唇音である「m、p、b」の音が、省略されたり、あるいは「p、m、b、s、t、d、n」の音が「k、g」に変化してしまうような現象が起こります。

 例としては、「ダメダ」が「ダエダ」となったり、「ピカピカ」が「イカイカ」に、また「バナナ」が「アナナ」になどとなります。


音韻障害の治療はどうやりますか? ◆〔音韻障害〕の治療方法をご説明します。
音韻障害の治療  1~2歳ころの乳幼児で、初語を話す段階になっても発音や話し方に極端な違和感が見られる場合に、専門医により音韻障害と診断されることがあります。

 また、やや成長してから、同年代のお友達に比べて、極端におしゃべりができなかったり、幼い話し方をする場合に音韻障害と診断されます。

 一般的に多少の音韻障害は子どもの成長とともに自然に治るといわれています。

 しかし、小学校入学の頃になっても、極端な音韻障害が残る場合には、「言語療法」という治療法による治療が必要かも知れません。症状が更に重度な場合には、精神科的な治療が行われることもあります。

 言語療法は、「言語聴覚療法」や「言語訓練」あるいは「言語リハビリ」などとも呼ばれるもので、主に言語能力や聴覚能力の向上を目的とする訓練をいいます。言語療養士が上手にお喋りができない子ども一人ひとりに合った方法で話す訓練を行います。

 3歳を過ぎても、お喋りの進歩が特に遅れているようなら、専門の言語療養士による訓練を受けると安心です。

 尚、家族、特に母親が無理やり発音矯正などを行うのは逆効果であるばかりかとても危険で、精神的に悪影響を及ぼす場合があるとされます。焦って言葉を話そうとするあまり、どもりの障害が発症する可能性が大きくなります。


音韻障害の予後はどうですか? ◆〔音韻障害〕の予後をご説明します。
音韻障害の予後  乳幼児期に音韻障害があっても、小学校入学時点までには、ほぼ普通の子どもと同様なレベルまでお喋りができるようになり、普通に話せるようになるので、通常は予後に心配はありません。