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心の病気

 

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〔心の病気〕

◇幼児期・小児期・青年期障害◇

広汎性発達障害

(アスペルガー障害)


 〔PDD:広汎性発達障害〕と呼ばれる一連の発達障害は、生まれつきの脳の器質的異常により発症します。

 一般的に〔広汎性発達障害〕の特徴は、「対人関係の異常」「コミュニケーションの異常」および「特徴的なこだわり」という三つの特徴を有する障害です。

 〔アスペルガー障害〕はその中のひとつで、この障害は〔アスペルガー症候群〕と呼ばれることもあります。


 この障害に限らず〔広汎性発達障害〕は、子供の育て方によって発症する障害というものではありません。


広汎性発達障害の特徴
対人関係の異常  他人と視線を合わせることもなく、友達関係ができない、他人と興味を共有できない、感情を伝えあうこともない。

言葉やコミュニケーションの異常  言葉の遅れがあったり、まともな会話が成立しない。オウム返しのような特有な応答をする。また、遊びのルールや役割を理解できない。

特徴的なこだわり  非常に限定されたものにのみ興味を示し、周囲から見ると意味の無い習慣に極度にこだわる。体をくるくる回るなどの常同的行動を行う。


 〔アスペルガー障害〕は、コミュニケーション能力の発達の遅れ、対人関係の異常があり、物や遊びや行動に対する独特で強いこだわりといった三つの特徴を呈する障害です。更に、異物を口に含んだり、落ち着きがなく、運動障害や学習障害などの症状もみられます。

 〔アスペルガー障害〕の示す特徴は、いずれもいわゆる〔自閉性障害(自閉症)〕と共通していることから、〔自閉症〕のひとつと考えられています。別の言い方をするなら、〔アスペルガー障害〕は、〔自閉症〕の中で知的障害を伴わず、言葉を使うことができるものということができます。

 普通の〔自閉症〕と〔アスペルガー障害〕との境界を明確に定めることには多くの困難があるとされていますが、行動パターンなどをよく観察して診断されます。

 〔アスペルガー障害〕を持つ人は、とても難しい言葉や表現を用いることができますが、その言葉や表現の意味理解についてはかなり狭い範囲に限定されている特徴があります。そのため、自分が理解している意味合い以外の表現法でその言葉が使われると、内容を理解できなくなってしまいます。

 話し相手の気持ちを察したり想像することは苦手で、その場面の状況に合った言葉遣いをすることがとても困難なことがあります。そして、自分が理解していることを一方的に話し続けることがしばしば起こります。

 日常生活では、宇宙のこと、乗り物のこと、映画のこと、猫のこと、お祭りのことなど自分の興味があることに熱中し、極めて詳しい知識を持つようになり、宇宙博士とか猫博士などと呼ばれるほどになります。また、ごく限られた分野で特殊な技能を発揮することがあります。

 〔アスペルガー障害〕が幼少期に発見された場合、早期治療が有効とされます。治療法は薬物療法や教育・訓練などによって行われます。

 尚、〔アスペルガー障害〕の英語での表現は〔AS:Asperger syndrome)〕となっています。