![]() |
特定不能のチック障害 |
顔面や頚部、四肢などの限定的筋群に突発的、反復的に現われる、急速で持続時間の短い、常同的な不随意運動をチックといいます。 |
|
多くの場合、チック障害は幼児期から18歳未満の年代に多く発症し、4週間以上持続しますが、一定期間内で消失します。 チック症状が発症し一年未満で消失した場合には〔一過性チック障害〕と呼びますが、これに対して一年以上継続する場合には、〔慢性チック障害〕と呼ばれます。 〔チック障害〕は、出生1000人当たりで4~6人に発症するとされ、発症のピークは5~8歳、症状のピークは9~12歳で、それ以降は減少します。また、女児よりも男児の方が発症率が3倍ほど高くなっています。 DSM-Ⅳ-TR(アメリカ精神医学会発行の「精神疾患の診断・統計マニュアル 第4版)では、〔トウレット症候群〕〔一過性チック障害〕および〔慢性チック障害〕が定義されていますが、それらの条件に該当しないものの、チック症状が発症している場合には〔特定不能のチック障害〕と呼んでいます。 例えば、チック症状が18歳以降で発症した場合や4週間未満の持続などの場合が相当します。 |
チック障害の種類 |
トウレット障害 |
単一または複数の運動チックと音声チックの双方が、一年以上にわたってほとんど毎日または間欠的に発症し、かつ3か月以上の間にチックがない期間がないとき。 |
一過性チック障害 |
運動チックまたは音声チック、またはその両方が少なくとも4週以上毎日生じるが、12か月連続することはないとき。 |
慢性チック障害 |
単発または複数の運動チック、または音声チックのどちらかだけが一年以上の期間を通して、1日に何回も、ほとんど毎日または間欠的に発症し、しか3か月以上の間チックが存在しない時期はないとき。慢性運動性チック障害と慢性音声チック障害の2種類がある。 |
特定不能のチック障害 |
チックは発症するが、トウレット障害にも一過性チック障害にも慢性チック障害にも相当しないとき。 |