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心の病気

睡眠時間


 睡眠時間については、いろいろな議論があります。

 人間の健康や寿命に最も適した睡眠時間があるとか、長い睡眠時間をとった方が寿命が延びるとか、逆だとか、あるいはナポレオンのように短時間でも問題ないとかいった類の問題です。

 睡眠時間には個人差も大きいのですが、統計的な観点から科学的に調査したデータも全くないわけではありません。


 このページでは、睡眠時間の長さに対して健康や寿命がどのようになるかを解説しています。

 睡眠時間と寿命との関係については、日本で行われた注目すべき統計データがあります。それによれば、一日あたりの睡眠時間が7時間くらいの場合が最も長寿命になる確率が高く、それより長くても、短くても寿命にはよくないとされています。

 人間が必要とする睡眠で最も重要なことは、睡眠時間ではなく、起床時に熟睡できたか、爽快感をもって起きられたかという点です。現実的には、多くの条件が整わないと熟睡することはできないのです。ここでは熟睡の条件についても考えたいと思います。

 更に、睡眠障害の中でもっとも悩む人の多い〔不眠症〕については、睡眠の条件を整えただけではどうしても不眠を解消できない人も非常に多くいます。ある意味、最後の手段は「睡眠導入剤」や「睡眠薬」などの医薬の利用です。ですので、睡眠薬の効用についても考えます。

睡眠時間に関する注目点
理想の睡眠時間  健康的な生活を維持するためには、7時間睡眠が最適だとされます。うつ病などになる確率も低いです。

日本人の平均睡眠時間  20~30代の女性はやや長い睡眠時間ですが、40代以降は男性の方が長い睡眠時間となっています。

熟睡の条件  熟睡し快適な朝を迎えるためには、睡眠の条件を整えることが重要です。毎日、同じ時刻に起床することや朝日を浴び、きちんと食事することなどです。

睡眠薬の効用  以前には、睡眠薬は習慣性、中毒性があるとされましたが、最近の睡眠薬は非常に改善されてきました。注意点はありますが、安心して使える時代になっています。



理想の睡眠時間 ◆〔理想の睡眠時間〕などについてご説明します。
理想の睡眠時間  睡眠不足だったり、睡眠過多だったり、あるいはその他の睡眠障害があると、身体的な不具合がでるばかりでなく、精神活動が阻害され、気分が沈み、記憶力が低下し、集中力もなくなってしまいます。酷くなれば、うつ病などの精神疾患になってしまう人も出てきます。睡眠、特に睡眠時間には自ずから最適とされる範囲があります。

 文部科学省から研究費を受けて、名古屋大大学院の玉腰暁子助教授(予防医学)らの共同研究グループがこのような調査を行いました。

 この調査の対象者は、北海道から九州まで全国45地区の40歳から79歳までの男女11万人で、睡眠時間や飲酒、喫煙、運動の生活習慣、ストレス度などを問診票に記載してもらい、10年間追跡して行われました。

 死亡率が最も低かったのは、男女とも睡眠時間が7時間(6.5~7.4時間)と答えたグループで、睡眠時間がそれ以上長くても、短くても死亡率は高くなる結果がでました。

睡眠時間と死亡リスク:調査結果
睡眠時間と死亡リスク  グラフは、平均睡眠時間7時間(6.5~7.4時間)の人の死亡率を1.0とした場合の睡眠時間の区分ごとの10年間死亡率を示しています。

 これによると、睡眠時間が4.5~7.4時間の人たちは死亡率は低いですが、4.4時間以下の睡眠時間の人や7.5時間以上の睡眠時間の人では死亡率が高まります。特に、睡眠時間が9.5時間以上の人では、死亡率が2倍近くまで高くなることが分かります。

 死亡率の高まり方に男女差は認められませんが、長時間眠る人では女性の方がやや悪い状況となっています。

 このグラフでは表示されていませんが、4時間以下の睡眠時間のグループで、ストレスや病気、喫煙、飲酒などの影響を除外して調整すると、男性では死亡リスクが上昇しないが、女性では7時間睡眠に比べて約2倍にまで上昇するとのことです。


 この調査結果を単純に解釈すれば、7時間睡眠の人が最も長寿命だということになります。

 しかし、長生きする人の多くは7時間睡眠だということにはなりますが、7時間睡眠なら必ず長生きするということではありません。

 睡眠時間は、単純な生活習慣だけで決まるわけではなく、仕事や家庭の事情、社会における自分の立場やストレス、あるいは身体の病気や精神疾患などによって大きく影響も受けるので、そのような観点からも考える必要があります。

 少なくとも極端な短時間睡眠や極端な長時間睡眠は寿命にとって悪影響があるとはいえますが、もっと大切なことは、質のよい睡眠がとれているかどうかです。床に入ったら直ぐに入眠して、目覚めたときには疲れもとれスッキリ、爽快に起床できることが大事です。質のいい睡眠ができる環境を整えることがとても大切です。

日本人の平均睡眠時間  2009年11月9日に、厚生労働省より「2008年国民健康・栄養調査」の概要が発表され、その中に1日の平均睡眠時間が記載されています。

 これによると、20~30代では女性の方がやや長い睡眠時間であり、40代以降は逆転して男性の方が長い睡眠時間をとっていることが分かります。特に高齢男性では同年代女性に対してかなり長い睡眠時間となっています。

日本人の平均睡眠時間
年代 男性 女性 全体
20代 6.39 6.70 6.55
30代 6.41 6.59 6.50
40代 6.31 6.25 6.28
50代 6.61 6.32 6.47
60代 6.87 6.49 6.68
70歳以上 7.25 6.93 7.09
全体 6.72 6.57 6.65

熟睡の条件  熟睡するために一番大切なことは、日常の規則正しい生活にあります。生活の乱れはしっかりした睡眠を確保できないばかりか、心身の病気の原因ともなります。

 また、喫煙や深酒などの生活習慣も同様によいことはありません。健康な生活と快適な睡眠とは表裏一体といっても過言ではありません。

熟睡するための注意点
睡眠サイクル  熟睡するためには、毎日の就寝時刻や起床時刻をできるだけ規則正しくすることがとても重要です。

 最も大切なことは、毎日の起床時刻を同じになるようにすることです。このことが重要で、たとえ前日の就寝時刻が遅くても、起床時刻は同じにするのがよいのです。就寝時刻が遅かったからといって、遅くまで寝ていたのでは、正常な睡眠リズムを得ることはできません。

 週末には夜更かしして翌日は寝坊する人が多いですが、これは悪い習慣です。休日に寝坊すると、その晩の寝つきが悪くなってしまいリズムが狂います。休日といえども同じ時刻に起床するようにしましょう。

就寝前の習慣  就寝前の2時間ほどは、いくつか気を配るべきことがあります。それは一日の疲れを癒しリラックスこと、睡眠妨害物質を摂取しないこと、そして就寝までの習慣として一連の動作を行うことです。

就寝前に行うべきこと
リラックスタイム  社会生活をしている現代人には家族などの心配事もあり、仕事や人間関係がらみのストレスなどはつき物です。

 悲しいことや悔しいこと、そしていろいろなストレスを抱いたままで就寝しようとしてもなかなか寝付けない経験は誰にでもあります。

 このようなストレスをリセットするための良い方法は、自分の好きなことをやったり、考えたりすることでリラックスすることです。好きな音楽を楽しんだり、趣味の読書をしたり、ビデオやDVDで映画を鑑賞したりするのがよいです。ストレスで苦しんでいた心が自然と癒されます。

睡眠妨害物質  就寝前の1、2時間には、コーヒーやお茶、紅茶、チョコレートなどのカフェイン含有物質を摂取しない方がよいです。また、人にもよりますが、アルコールやニコチンのような刺激物もほどほどにしないと睡眠を妨害します。少なくとも、就寝直前のお酒やタバコはよくありません。

 適量以上のアルコールは睡眠後半での眠りを妨害するといわれ、夜中の内や早朝に目覚めてしまいます。

 また、タバコに含まれるニコチンには一種の覚醒作用があるため、入眠がうまくできなくなる危険性があります。

入眠習慣  就寝前には、毎日決まった同じ行動をする習慣づけをすると気持ちよく入眠できます。

 多くの人がやっていることを普通に行うだけですが、例えば、床につく直前には歯磨きや洗顔、着替え、目覚まし時計の設定などを行います。

 冬季であれば、ぬるめのお風呂で身体を暖めるとリラックスもし、自然な入眠も助けてくれます。

 当サイトの管理人である私の場合には、このような一連の動作のあと、布団に入ったら、しばらくのあいだ自分好みの静かな音楽を小さい音で流します。10分ほどで自動的に切れるようにしているのですが、最後まで聴くことはなく知らないうちに眠ってしまいます。


就寝環境  就寝環境は眠りの質に大きく影響を与えます。寝室の環境(光、音、気温など)、ベッドや布団、枕などに工夫が必要です。

就寝環境の整備
寝室環境  寝室の光が明るすぎると、身体は目覚めてしまい入眠を妨げます。真っ暗にするかおぼろげに物が見える程度に調整します。

 気温も暑すぎたり寒すぎないようにします。必要に応じて窓を開けたり、エアコンで調整します。寝室温度は夏季には25~26度C程度、冬季には15~18度Cくらいがいいとされます。難しいかも知れませんが、湿度は年間を通して50~60%程度がよいとされています。

 突然大きな音がすれば入眠できなかったり、中途覚醒してしまいます。静かな環境づくりもまた重要です。家族の協力も必要となります。

 ベッドや布団は、柔らかすぎたり硬すぎると例え眠れても熟睡感を妨害します。柔らかすぎる布団では身体が沈み込み、目覚めたとき肩こりや腰痛が起こります。ふとんについては、羽毛ふとんのように軽いものがよいです。

 枕も材質や形、大きさ、固さ、高さが睡眠の質の影響します。自分に合った枕選びをしましょう。枕が高すぎたりすると、肩こりの原因ともなります。

 寝室自体も睡眠の質に影響します。寝室はできるだけ就寝専用として、仕事などは持ち込まないのがよいでしょう。寝室の壁やカーテンなどは落ち着いた色合いがよいです。


起床したら日光  毎日、起床したら、日光を浴びると体内時計をリセットして活動的になることができます。心身が活動するためには光が必要不可欠なのです。

食事習慣  起床後には、洗面も済まし、一定の時刻に朝食を摂取します。規則正しい食事が生活のリズムを作るのに大切です。朝食抜きで学校や会社に出かけるのは心身にとってよいことがありません。

 就寝の4時間前までには夕食を摂取するとよいです。夜更けになっての食事や間食は睡眠を妨害します。

運動習慣  就寝の数時間前に入浴したり軽い運動をすると一時的に体温が上がりますが、就寝時には体温が低下し気持ちよく眠ることができます。

 基本的に昼間の運動は夜の自然な入眠を誘いますが、夜更けに運動すると逆効果です。夕食後に運動すると、循環器系などが刺激されて興奮状態となってしまうからです。


睡眠薬の効用  社会生活では、誰にでも、どうしても寝付けない夜があるものです。

 大きなストレスを受けて興奮状態が収まらなかったりしたら、誰だって寝付くことなどできません。また、翌日に旅行があるからといって、早寝しようと早めに床に入っても寝付けなかったり、夜中に目が覚めてしまったりするものです。

 このようなとき、無理に眠ろうとしない方がよいといわれます。読書したり、軽い音楽を聴いたりするのがよいといわれます。

 このようなやり方で自然と眠くなってくれればそれでOKですが、何をやってもどうしても寝付けないことも起こります。

 夜間に眠れないままでは、確実に翌日の活動に影響を与えてしまいますので、最後の手段として、睡眠導入剤や睡眠薬を使うことになります。

 以前なら、睡眠薬などは大きな副作用や、習慣性、依存性があるとされ、危険な物質とされてきましたが、最近では優れた睡眠薬が開発され、ほとんど副作用がなくなっていますし、依存性も問題ないようになっています。

 もちろん、睡眠薬系の医薬は常用してはなりませんが、どうしても寝付けないときの非常用として使用するのはよいことです。このような睡眠薬は、医師の処方箋によってしか入手できないので、自分の症状をよく伝えて処方してもらってください。

 尚、ハーブを主成分とした睡眠促進効果をもつサプリメントなどもあります。自分の症状に合うものが見つかるなら、それらを使うこともよいかも知れませんが、いわゆるサプリメントは無数の企業が製造販売していて、中には信頼のおけない商品もあります。特に、医薬品企業以外から発売される商品については注意も必要です。