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概日リズム睡眠障害とは |
多くの動物と同じように、人間の生体リズムは「体内時計」によって調節されています。 |
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このずれを調整するために、毎朝明るい太陽光線を受けることで体内時計はリセットされ、地球の24時間自転速度に同期しています。 朝、起床すると目から入ってくる強力な太陽光を受けて、体内時計は「いまが朝である」と認識しリセットされるのです。体内時計がリセットされると、その信号は身体の各器官に伝達され、その後の14~16時間のあいだ身体を活発な活動に適した状態に維持します。 その後、身体を活発な状態に維持した後には、メラトニンという物質の分泌が開始されます。今度は体内時計はメラトニンを分泌することで、身体を睡眠に適した状態へと変化させるように指令を出し、これにより夜間の睡眠を誘います。 体内時計は、起床直後に非常に強力な光線を浴びると進みます。逆にいつもより遅くまで活動していて強力な光を浴びると遅れる特性があります。 最近の研究では、体内時計は脳内の視交叉上核だけに存在するのではなく、肝臓や筋肉、肺、心臓などのような身体各部の臓器にも存在します。このため、視交叉上核の体内時計を「主要時計」、その他の臓器などにある体内時計を「抹消時計」と呼んでいます。 通常は主要時計が抹消時計に指令を出して作用していますが、たとえば、胃腸にある抹消時計は、食事を開始してから機能するのではなく、それよりちょっと前の段階から活性化して消化の準備を整える必要があり、これを抹消時計が行っているのです。 約24時間の周期で変動する生理現象を「概日リズム(Circadian rhythmサーカディアン・リズム)」と呼んでいて、〔概日リズム障害〕は何らかの原因によりこのリズムに狂いが生じ、安定した睡眠がとれなくなる障害です。 〔概日リズム障害〕には、〔睡眠相前進症候群〕〔睡眠相後退症候群〕などいくつかの種類があります。 |