不眠症
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〔不眠症〕とは、個人が睡眠困難を訴え、よく眠れない、熟睡できない状況をいいます。不眠症になると、入眠が困難だったり、一旦眠っても睡眠の維持ができなかったり、眠っても体力が回復できないなど、苦痛が1か月以上の長期にわたって続き、日常活動が障害される状態をいいます。
〔不眠症〕は、その症状により、〔入眠障害型〕〔中途覚醒型〕〔早朝覚醒型〕および〔熟眠障害型〕の4種類に分類されます。
入眠障害型
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入眠障害型の睡眠障害は、床に入っても1時間以上寝付けないような、寝つきが悪く、なかなか眠れない障害をいいます。
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中途覚醒型
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中途覚醒型の睡眠障害は、朝起きる時間までに、何度も目が覚めてしまう型です。中高年に多く発症します。
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早朝覚醒型
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早朝覚醒型の睡眠障害は、通常よりも2時間以上も早く目覚めてしまい、再度眠ることが出来ない型です。
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熟眠障害型
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熟眠障害型の睡眠障害は、睡眠時間は十分にとっているのに眠りが浅く、熟眠感が得られない、十分寝た気がしない型です。
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過眠症
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過眠症には、〔ナルコレプシー〕〔特発性過眠症〕〔反復性過眠症〕および〔薬剤性過眠症〕という四つの種類があります。
中でも〔ナルコレプシー〕は突発的に眠りが起こる症状から〔居眠り病〕とか〔過眠症〕とか呼ばれることもあり、社会生活上でも多くの問題点をもっています。
ナルコレプシー
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〔ナルコレプシー(narcolepsy)〕は、日中において場所や状況を選ばず起きる、強い眠気の発作を起こす睡眠障害です。自分の意思ではどうしても瞬間的な睡眠を止めることができず、重要な会議中でも、人との会話中でも発作的に眠ってしまいます。
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特発性過眠症
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特発性過眠症は、日中、持続的あるいは反復的に過度の眠気発作を呈する睡眠障害です。
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反復性過眠症
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過眠状態が昼夜を問わず数日間から数週間程度続く状態を不定期に繰り返す睡眠障害で、〔周期性傾眠症〕とも呼ばれます。
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薬剤性過眠症
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心身の疾患の治療薬として服用する薬の副作用として眠気を催す睡眠障害です。
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概日リズム睡眠障害
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概日リズム睡眠障害は、概日リズムの障害に基づく睡眠障害で、〔睡眠相前進症候群〕〔睡眠相後退症候群〕〔非24時間睡眠覚醒症候群〕〔不規則型睡眠・覚醒パターン〕などの種類があります。
睡眠相前進症候群
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睡眠相後退症候群
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睡眠相後退症候群は、とても遅い時間に眠りにつき、朝起きることが困難になる症候群です。一旦、眠りにつけば熟睡することができ、通常と同様な睡眠時間を必要とします。このため、特に起こされることがなければ昼まででも眠ります。
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非24時間睡眠覚醒症候群
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不規則型睡眠・覚醒パターン
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睡眠時呼吸障害
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睡眠中に一時的に呼吸が停止したり、血中酸素濃度が低下する睡眠障害です。〔睡眠時無呼吸症候群〕〔上気道抵抗症候群〕などの種類があります。
睡眠時呼吸障害では、呼吸が10秒以上停止するような「無呼吸状態」や換気量が50%以上低下するような「低呼吸状態」が現れます。
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睡眠時随伴症
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睡眠中に起こる望ましくないいろいろな症状を呈する睡眠障害です。〔覚醒障害〕や〔睡眠覚醒移行障害〕など多くの種類があります。
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睡眠時運動障害
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睡眠中に手や脚の筋肉に瞬間的なけいれんが発症したり、眠りが中断されるという睡眠障害です。〔むずむず脚症候群〕〔周期性四肢運動障害〕などの種類があります。
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身体的疾患関連睡眠障害
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内科的疾患により睡眠障害が発症することもあります。
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精神障害関連睡眠障害
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精神科的睡眠障害には、〔精神病〕や〔不安障害〕および〔うつ病〕などに伴って起こる不眠や過眠があります。
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薬物関連睡眠障害
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抗けいれん薬や抗不安薬、抗精神病薬の過量投与により日中に眠気が襲うような睡眠障害です。これら医薬の中断により反跳性不眠が見られることもあります。
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その他の睡眠障害
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不適切な睡眠衛生も睡眠障害の原因となります。
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