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保険介護保険介護全般健康保険介護保険老人福祉医療制度  
保険介護

〔日本の医療制度〕

 
 日本の医療制度は非常に多くの法律によって定められ運用されています。

 国民の健康を保障し適切な医療が受けられるように定めた、特に重要な法律について、その法律の意図することなどについてこのページでは概説しています。

 一般国民の健康を保障する制度として、医療保険制度が重要ですが、日本の医療保険制度には三つの優れた特徴があります。


日本の医療保険制度の特徴
国民皆保険制度  すべての国民は、公的な医療保険に加入することになっています。生活保護者は医療保険には加入しませんが、生活保護者医療扶助制度により同等な医療がうけられます。

現物給付方式  病気や怪我をしたら、安い費用で満足できる質の高い医療が受けられます。希望する医療がすぐに受けられ、その費用は健康保険組合などから医師に支払われます。

フリーアクセス  医療を受けたいと望む者は、健康保険証を提示することにより、特別な制限をうけることなく、誰でも、いつでも、どこでも、どこの医療機関でも、どこのお医者さんでも自由に診療してもらい治療を受けることができます。


 三つの制度とは左記に示す 〔国民皆保険制度〕 や 〔現物給付方式〕 〔フリーアクセス〕 です。

 中でも、日本で定着している 〔国民皆保険制度〕 は、世界でも特筆すべき優れた制度として運用されています。

日本の医療制度 ◆〔日本の医療制度〕についてその概要をご説明します。
国民健康保険法

 国民健康保険法は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする法律で、その総則には次のように定められています。

国民健康保険法
 第一章 総則
(この法律の目的)
第一条  この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。

(国民健康保険)
第二条  国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。

(保険者)
第三条  市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うものとする。
2  国民健康保険組合は、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うことができる。

(国及び都道府県の義務)
第四条  国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない。
2  都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導をしなければならない。

健康増進法

 健康増進法は、国民の健康増進の総合的な推進に関し基本的事項を定め、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とした法律です。

 国民は、生涯にわたって、健康の増進に努めなければならないと規定し、国、地方自治体、健康保険者、医療機関などに協力義務を課しています。

健康増進法
第一章 総則
(目的)
第一条  この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とする。

(国民の責務)
第二条  国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第三条  国及び地方公共団体は、教育活動及び広報活動を通じた健康の増進に関する正しい知識の普及、健康の増進に関する情報の収集、整理、分析及び提供並びに研究の推進並びに健康の増進に係る人材の養成及び資質の向上を図るとともに、健康増進事業実施者その他の関係者に対し、必要な技術的援助を与えることに努めなければならない。

(健康増進事業実施者の責務)
第四条  健康増進事業実施者は、健康教育、健康相談その他国民の健康の増進のために必要な事業(以下「健康増進事業」という。)を積極的に推進するよう努めなければならない。

(関係者の協力)
第五条  国、都道府県、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、健康増進事業実施者、医療機関その他の関係者は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。

(定義)
第六条  この法律において「健康増進事業実施者」とは、次に掲げる者をいう。
一  健康保険法 (大正十一年法律第七十号)の規定により健康増進事業を行う政府、健康保険組合又は健康保険組合連合会
二  船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号)の規定により健康増進事業を行う政府
三  国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号)の規定により健康増進事業を行う市町村、国民健康保険組合又は国民健康保険団体連合会
四  国家公務員共済組合法 (昭和三十三年法律第百二十八号)の規定により健康増進事業を行う国家公務員共済組合又は国家公務員共済組合連合会
五  地方公務員等共済組合法 (昭和三十七年法律第百五十二号)の規定により健康増進事業を行う地方公務員共済組合又は全国市町村職員共済組合連合会
六  私立学校教職員共済法 (昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定により健康増進事業を行う日本私立学校振興・共済事業団
七  学校保健法 (昭和三十三年法律第五十六号)の規定により健康増進事業を行う者
八  母子保健法 (昭和四十年法律第百四十一号)の規定により健康増進事業を行う市町村
九  労働安全衛生法 (昭和四十七年法律第五十七号)の規定により健康増進事業を行う事業者
十  老人保健法 (昭和五十七年法律第八十号)の規定により健康増進事業を行う市町村
十一  介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)の規定により健康増進事業を行う市町村
十二  その他健康増進事業を行う者であって、政令で定めるもの

高齢者の医療の確保に関する法律

 高齢者の医療の確保に関する法律は、国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るため、疾病の予防、治療、機能訓練等の保健事業を総合的に実施し、もつて国民保健の向上及び老人福祉の増進を図ることを目的とする法律です。

高齢者の医療の確保に関する法律

老人福祉法

 老人福祉法は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする法律です。

老人福祉法
第一章 総則
第一条  この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。

(基本的理念)
第二条  老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。

第三条  老人は、老齢に伴つて生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、又は、その知識と経験を活用して、社会的活動に参加するように努めるものとする。
2  老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする。

(老人福祉増進の責務)
第四条  国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する。
2  国及び地方公共団体は、老人の福祉に関係のある施策を講ずるに当たつては、その施策を通じて、前二条に規定する基本的理念が具現されるように配慮しなければならない。
3  老人の生活に直接影響を及ぼす事業を営む者は、その事業の運営に当たつては、老人の福祉が増進されるように努めなければならない。

第五条  国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける。
2  老人の日は九月十五日とし、老人週間は同日から同月二十一日までとする。
3  国は、老人の日においてその趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとし、国及び地方公共団体は、老人週間において老人の団体その他の者によつてその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう奨励しなければならない。

(定義)
第五条の二  この法律において、「老人居宅生活支援事業」とは、老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業、老人短期入所事業、小規模多機能型居宅介護事業及び認知症対応型老人共同生活援助事業をいう。
2  この法律において、「老人居宅介護等事業」とは、第十条の四第一項第一号の措置に係る者又は介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)の規定による訪問介護に係る居宅介護サービス費、夜間対応型訪問介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護予防訪問介護に係る介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者の居宅において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるものを供与する事業をいう。
3  この法律において、「老人デイサービス事業」とは、第十条の四第一項第二号の措置に係る者又は介護保険法の規定による通所介護に係る居宅介護サービス費、認知症対応型通所介護に係る地域密着型介護サービス費、介護予防通所介護に係る介護予防サービス費若しくは介護予防認知症対応型通所介護に係る地域密着型介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者(その者を現に養護する者を含む。)を特別養護老人ホームその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、これらの者につき入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練、介護方法の指導その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業をいう。
4  この法律において、「老人短期入所事業」とは、第十条の四第一項第三号の措置に係る者又は介護保険法 の規定による短期入所生活介護に係る居宅介護サービス費若しくは介護予防短期入所生活介護に係る介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者を特別養護老人ホームその他の厚生労働省令で定める施設に短期間入所させ、養護する事業をいう。
5  この法律において、「小規模多機能型居宅介護事業」とは、第十条の四第一項第四号の措置に係る者又は介護保険法の規定による小規模多機能型居宅介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護予防小規模多機能型居宅介護に係る地域密着型介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者の心身の状況、置かれている環境等に応じて、それらの者の選択に基づき、それらの者の居宅において、又は厚生労働省令で定めるサービスの拠点に通わせ、若しくは短期間宿泊させ、当該拠点において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を供与する事業をいう。
6  この法律において、「認知症対応型老人共同生活援助事業」とは、第十条の四第一項第五号の措置に係る者又は介護保険法の規定による認知症対応型共同生活介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護予防認知症対応型共同生活介護に係る地域密着型介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者が共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の援助を行う事業をいう。
第五条の三  この法律において、「老人福祉施設」とは、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター及び老人介護支援センターをいう。

(福祉の措置の実施者)
第五条の四  六十五歳以上の者(六十五歳未満の者であつて特に必要があると認められるものを含む。以下同じ。)又はその者を現に養護する者(以下「養護者」という。)に対する第十条の四及び第十一条の規定による福祉の措置は、その六十五歳以上の者が居住地を有するときは、その居住地の市町村が、居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでないときは、その現在地の市町村が行うものとする。ただし、同条第一項第一号若しくは第二号又は生活保護法 (昭和二十五年法律第百四十四号)第三十条第一項 ただし書の規定により入所している六十五歳以上の者については、その六十五歳以上の者が入所前に居住地を有した者であるときは、その居住地の市町村が、その六十五歳以上の者が入所前に居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでなかつた者であるときは、入所前におけるその六十五歳以上の者の所在地の市町村が行うものとする。
2  市町村は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
一  老人の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること。
二  老人の福祉に関し、必要な情報の提供を行い、並びに相談に応じ、必要な調査及び指導を行い、並びにこれらに付随する業務を行うこと。

(市町村の福祉事務所)
第五条の五  市町村の設置する福祉事務所(社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)は、この法律の施行に関し、主として前条第二項各号に掲げる業務を行うものとする。

(市町村の福祉事務所の社会福祉主事)
第六条  市及び福祉事務所を設置する町村は、その設置する福祉事務所に、福祉事務所の長(以下「福祉事務所長」という。)の指揮監督を受けて、主として次に掲げる業務を行う所員として、社会福祉主事を置かなければならない。
一  福祉事務所の所員に対し、老人の福祉に関する技術的指導を行うこと。
二  第五条の四第二項第二号に規定する業務のうち、専門的技術を必要とする業務を行うこと。

(連絡調整等の実施者)
第六条の二  都道府県は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
一  この法律に基づく福祉の措置の実施に関し、市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報の提供その他必要な援助を行うこと及びこれらに付随する業務を行うこと。
二  老人の福祉に関し、各市町村の区域を超えた広域的な見地から、実情の把握に努めること。
2  都道府県知事は、この法律に基づく福祉の措置の適切な実施を確保するため必要があると認めるときは、市町村に対し、必要な助言を行うことができる。
3  都道府県知事は、この法律の規定による都道府県の事務の全部又は一部を、その管理する福祉事務所長に委任することができる。

(都道府県の福祉事務所の社会福祉主事)
第七条  都道府県は、その設置する福祉事務所に、福祉事務所長の指揮監督を受けて、主として前条第一項第一号に掲げる業務のうち専門的技術を必要とするものを行う所員として、社会福祉主事を置くことができる。

(保健所の協力)
第八条  保健所は、老人の福祉に関し、老人福祉施設等に対し、栄養の改善その他衛生に関する事項について必要な協力を行うものとする。

(民生委員の協力)
第九条  民生委員法 (昭和二十三年法律第百九十八号)に定める民生委員は、この法律の施行について、市町村長、福祉事務所長又は社会福祉主事の事務の執行に協力するものとする。

(健康保持及び介護等に関する措置)
第十条  老人の心身の健康の保持に関する措置については、この法律に定めるもののほか、老人保健法 (昭和五十七年法律第八十号)の定めるところによる。
2  身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある老人の介護等に関する措置については、この法律に定めるもののほか、介護保険法 の定めるところによる。

(連携及び調整)
第十条の二  この法律に基づく福祉の措置の実施に当たつては、前条第一項に規定する老人保健法 に基づく措置及び同条第二項に規定する介護保険法 に基づく措置との連携及び調整に努めなければならない。

母子保健法

 母子保健法は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もつて国民保健の向上に寄与することを目的とする法律です。

 日本国では、正常妊娠は病気ではないとされ、病院で出産んしてもほとんど全ての妊婦の出産費用は自由診療扱いです。しかし、母体に妊娠合併症がでたり新生児に何らかの異常がある場合は保険診療が適用されます。また、母子保険法で、低出生体重児については、その医療費を公費で賄うという規定されています。

母子保健法
第1章 総 則

(目的)
第1条 この法律は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医務その他の措置を講じ、もつて国民保健の向上に寄与することを目的とする。

(母性の尊重)
第2条 母性は、すべての児童がすこやかに生まれ、かつ、育てられる基盤であることにかんがみ、尊重され、かつ、保護されなければならない。

(乳幼児の健康の保持増進)
第3条 乳児及び幼児は、心身ともに健全な人として成長してゆくために、その健康が保持され、かつ、増進されなければならない。

(母性及び保護者の努力)
第4条 母性は、みずからすすんで、妊娠、出産又は育児についての正しい理解を深め、その健康の保持及び増進に努めなければならない。
2 乳児又は幼児の保護者は、みずからすすんで、育児についての正しい理解を深め、乳児又は幼児の健康の保持及び増進に努めなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第5条 国及び地方公共団体は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進に努めなければならない。
2 国及び地方公共団体は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進に関する施策を講ずるに当たつては、その施策を通じて、前3条に規定する母子保健の理念が具現されるように配慮しなければならない。

(用語の定義)
第6条 この法律において「妊産婦」とは、妊娠中又は出産後1年以内の女子をいう。
2 この法律において「乳児」とは、1歳に満たない者をいう。
3 この法律において「幼児」とは、満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者をいう。
4 この法律において「保護者」とは、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、乳児又は幼児を現に監護する者をいう。

《改正》平11法151
5 この法律において「新生児」とは、出生後28日を経過しない乳児をいう。
6 この法律において「未熟児」とは、身体の発育が未熟のまま出生した乳児であつて、正常児が出生時に有する諸機能を得るに至るまでのものをいう。

(都道府県児童福祉審議会等の権限)
第7条 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第8条第2項に規定する都道府県児童福祉審議会(同条第1項ただし書に規定する都道府県にあつては、地方社会福祉審議会。以下この条において同じ。)及び同条第4項に規定する市町村児童福祉審議会)は、母子保健に関する事項につき、調査審議するほか、同条第2項に規定する都道府県児童福祉審議会は都道府県知事の、同条第4項に規定する市町村児童福祉審議会は市町村長の諮問にそれぞれ答え、又は関係行政機関に意見を具申することができる。
《改正》平11法087
《改正》平11法102
《改正》平15法121

(都道府県の援助等)
第8条 都道府県は、この法律の規定により市町村が行う母子保健に関する事業の実施に関し、市町村相互間の連絡調整を行い、及び市町村の求めに応じ、その設置する保健所による技術的事項についての指導、助言その他当該市町村に対する必要な技術的援助を行うものとする。

(実施の委託)
第8条の2 市町村は、この法律に基づく母子保健に関する事業の一部について、病院若しくは診療所又は医師、助産師その他適当と認められる者に対し、その実施を委託することができる。

《改正》平13法153

(連携及び調和の確保)
第8条の3 都道府県及び市町村は、この法律に基づく母子保健に関する事業の実施に当たつては、学校保健法(昭和33年法律第56号)、児童福祉法その他の法令に基づく母性及び児童の保健及び福祉に関する事業との連携及び調和の確保に努めなければならない。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律は、精神疾患の予防及び精神疾患者の医療及び社会復帰に関して必要な事項を規定し、国民の精神健康増進に寄与することを目的とし、全ての精神疾患者は、人間としての尊厳と価値を保障されると規定されています。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

医療法

 医療法は、医療を提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする法律です。病院、診療所、助産所の開設および管理、整備の方法に関する法律で、その総則は次のように定められています。

医療法
第一章 総則
第一条 この法律は、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。
第一条の二 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。

2 医療は、国民自らの健康の保持のための努力を基礎として、病院、診療所、老人保健施設その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等において、医療提供施設の機能に応じ効率的に提供されなければならない。

第一条の三 国及び地方公共団体は、前条に規定する理念に基づき、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確保されるよう努めなければならない。

第一条の四 医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手は、第一条の二に規定する理念に基づき、医療を受ける者に対し、良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならない。

2 医療提供施設において診療に従事する医師及び歯科医師は、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連係に資するため、必要に応じ、医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介し、その診療に必要な限度において医療を受ける者の診療又は調剤に関する情報を他の医療提供施設において診療又は調剤に従事する医師若しくは歯科医師又は薬剤師に提供し、及びその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 医療提供施設の開設者及び管理者は、医療技術の普及及び医療の効率的な提供に資するため、当該医療提供施設の建物又は設備を、当該医療提供施設に勤務しない医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手の診療、研究又は研修のために利用させるよう配慮しなければならない。

第一条の五 この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者二十人以上の収容施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。

2 この法律において、「療養型病床群」とは、病院の病床(第七条第二項に規定するその他の病床に限る。)のうち一群のものであつて、主として長期にわたり療養を必要とする患者を収容するためのものをいう。

3 この法律において、「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者の収容施設を有しないもの又は患者十九人以下の収容施設を有するものをいう。

第一条の六 この法律において、「老人保健施設」とは、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)の規定による老人保健施設をいう。

第二条 この法律において、「助産所」とは、助産婦が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所においてなすものを除く。)をなす場所をいう。
2 助産所は、妊婦、産婦又はじよく婦十人以上の収容施設を有してはならない。

第三条 疾病の治療(助産を含む。)をなす場所であつて、病院又は診療所でないものは、これに病院、病院分院、産院、療養所、診療所、診察所、医院その他病院又は診療所に紛らわしい名称を附けてはならない。
2 診療所は、これに病院、病院分院、産院その他病院に紛らわしい名称を附けてはならない。
3 助産所でないものは、これに助産所その他助産婦がその業務をなす場所に紛らわしい名称を附けてはならない。

第四条 病院であつて、患者百人以上の収容施設を有し、その診療科名中に内科、外科、産婦人科、眼科及び耳鼻いんこう科を含み、且つ、第二十二条各号に規定する施設を有するものは、その所在地の都道府県知事の承認を得て総合病院と称することができる。
2 総合病院でないものは、これに総合病院又はこれに紛らわしい名称を附けてはならない。

第四条の二 病院であつて、次に掲げる要件に該当するものは、厚生大臣の承認を得て特定機能病院と称することができる。
一 高度の医療を提供する能力を有すること。
二 高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること。
三 高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること。
四 その診療科名中に、厚生省令の定めるところにより、厚生省令で定める診療科名を有すること。
五 厚生省令で定める数以上の患者の収容施設を有すること。
六 その有する人員が第二十二条の二の規定に基づく厚生省令で定める要件に適合するものであること。
七 第二十一条第一項第二号から第十三号まで及び第十五号から第十七号まで並びに第二十二条の二第二号、第五号及び第六号に規定する施設を有すること。
八 その施設の構造設備が第二十一条第一項及び第二十二条の二の規定に基づく厚生省令で定める要件に適合するものであること。

2 厚生大臣は、前項の承認をするに当たつては、あらかじめ、医療審議会の意見を聴かなければならない。

3 特定機能病院でないものは、これに特定機能病院又はこれに紛らわしい名称を付けてはならない。

第五条 公衆又は特定多数人のため往診のみによつて診療に従事する医師若しくは歯科医師又は出張のみによつてその業務に従事する助産婦については、第八条、第九条及び第六十九条又は第七十一条の規定の適用に関し、それぞれその住所をもつて診療所又は助産所とみなす。
2 厚生大臣、都道府県知事、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、前項に規定する医師、歯科医師又は助産婦に対し、必要な報告を命じ、又は検査のため診療録、助産録その他の帳簿書類を提出させることができる。

第六条 国の開設する病院、診療所及び助産所に関しては、この法律の規定の適用について、政令で特別の定をすることができる。

医師法

医師法は、医師全般の職務や資格の取得などについて定めた法律です。この法律で、医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保すると定められています。

医師法
第一章 総則
第1条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

薬事法

 薬事法は、日本国における医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性および安全性を確保し、保健衛生の向上を図ることを目的として定められた法律です。

この目的達成の為に、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器などの製造または輸入業者と医薬品を調剤する薬局の業務について、行政が承認、確認、許可、監督する方法が定められています。

また、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の広告については厳しい制限が加えています。

薬事法
第一章 総則
(目的)
第一条  この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療機器の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

薬剤師法

 薬剤師法は、薬剤師全般の職務・資格などに関する法律です。薬剤師は、薬剤師国家試験に合格した者に対して厚生労働大臣が免許を与えると規定されています。薬剤師以外の者が、販売・授与の目的での調剤を行うこと、薬剤師とまぎらわしい名称を用いることを禁じています。

薬剤師法
第1章 総 則
(薬剤師の任務)
第1条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

救急救命士法

 救急救命法は、救急救命士の資格を定め、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与することを目的とした法律です。

 厚生大臣の免許を受けた救急救命士は、医師の指示の下で、救急救命処置を行うことができます。救急救命士は、患者の症状が著しく悪化するおそれがる患者を病院または診療所に搬送中に、患者の気道の確保、心拍の回復などの処置を行うことができると定められています。

救急救命士法
第一章 総 則

(目的)
第一条 この法律は、救急救命士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。

(定義) 第二条 この法律で「救急救命処置」とは、その症状が著しく悪化するおそれがあり、又はその生命が危険な状態にある傷病者(以下この項及び第四十四条第二項において「重度傷病者」という。)が病院又は診療所に搬送されるまでの間に、当該重度傷病者に対して行われる気道の確保、心拍の回復その他の処置であって、当該重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、又はその生命の危険を回避するために緊急に必要なものをいう。

2 この法律で「救急救命士」とは、厚生大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう。

老人医療費助成制度

老人医療費助成制度

高額療養費還付制度

高額療養費還付制度

医療費控除

医療費控除

医療資格

医療資格